第10回前半 漫画とゲイと事件

初めに

「セクシャリティ」について書いていますが、分からない場合はこちらを参照していただけると楽しめるかと思います。


気を取り直して再開

今回はゲイ漫画家のづんたさんを招いてお話を聞きました。きっかけはPodcastで様々な経歴や活動、そしてどんな人か気になってお会いしました。

紹介

づんた:漫画家、Podcaster、元ゲイバー店員

今回取材したのはPodcast『崖の上のゲイ』のパーソナリティであり、漫画家をしているづんたさん。文系大学生であるが、美大生に劣らないくらいの絵や漫画を描き、NHKへの漫画の提供を行ったほか、5000を超えるフォロワーを持っている実力のある漫画家の一面もある。

漫画自体を描いたのは?

俺が描きはじめたのは小学生のころ。その頃は恥ずかしくてあまり見せてなかったんだけど、学校で暴れる漫画の『殺し屋ミッフィー』とか、サンタの赤い服は返り血だって話みたいな怖い話が多かったかな。

漫画とか1枚絵みたいに描くのは好きだから美大に行きたかったんだけど、「就職」の面を両親から反対されて文系の学部に行くことになったんだ。だけど、美大に行かなかっただけに、彼らに負けないようにストーリー性や分かりやすさは意識している。

事件をきっかけにデビュー

大学でゲイを暴露(アウティング)された学生がいて、この彼が自殺してしまったんだ。それを聞いて、行動的なゲイ、身軽に動けるゲイが何かを作らないといけないと感じた。

TVを見てわかると思うんだけど、タレントでは「ゲイ=オネエキャラ」の構図があって必然的に強いように思われることが多い。だけど、実際は異性愛者(以下、ストレート)と同じように、様々な性格がある。若い人、特に思春期の問題は「知識の不足」が大きいように思うんだ。それを改善しようと、学内でサークルを作ったり、漫画を描きはじめたんだ。

それと同じ時期にTwitterでも漫画を載せるようになったかな。作品の多くが1枚絵だったりしたことで載せやすいし、漫画自体が消費しやすいコンテンツだし、拡散させやすいからほかのSNSよりも多くの人に見てもらいやすいと思ったんだ。

描きはじめのころは自分の内面を出そうとして描いていただけに、暗いものが多いんだ。ナレーションが多くて、鉛筆で描いてて漫画って言えるのか分からないものだった。だけど、独りよがりでも、描かないといけないって「使命感」で書いていた。

自殺した人のことや当時フラれてしまったこととかで暗いものが多かったんだけど、だんだん描いていくにつれて上手くなりたいと思ってるし、俺のいる環境だって変ってる。それに、もっと作風変えて描きたいから漫画が明るいようになってる。漫画きっかけで友達だって出来て、仕事も貰うこともあって、そうやって「ゲイ」というものに昔とは違ったように、受け止められるようになってきたかな。

今は自分の内側じゃなくて、外側のことに目を向けて描いて行きたいと思ってるんだ。

大学選びに後悔はある?

それはないよ。一つのことに頑張るよりも、様々な強みが欲しいからね。大学の勉強は就職に有利なものだし、漫画だって商業誌は難しいかもしれないけど技術は身についてる。そしてゲイの活動だってサークル作ったりしてるからね。今しかできないこといっぱいやれてる!

前半終わり

今回は様々な肩書が多い活発なづんたさんでした。

日本では「ゲイ」というものに関して政策が進んでいないってよく耳にしますし、議員自体が不勉強だったりで進まないようなことを聞くだけに彼のように「差別」せずに活発に動けるような人物の存在は大きいように思いました。さて、次回は就職話をしようかと思います。それではまた次回。

#ゲイ #漫画家 #大学生 #セクシャリティ #反差別

主に旅費、活動費になります。たまに、映画の観賞にもなったり。