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クリトラ喫茶店ログ(SS化)

「まさにワノクニらしいですけど、ホワイトデーというのがあるので、今日はホワイトチョコです。
バレンタインデーのお返しに、と考えられた日だそうですね?」
「へ~。でなんで…メイド服なんだよ!?」
ダニエルがニッコリと笑みを浮かべるのに対し、メイド服を無理やりテオは怒りを見せていた。
「メイドにはホワイト――白がありますからね。最適だと思いませんか?」
「全然最適じゃないです」
それは開店30分前の出来事だった。ああ、今日もまたメイド服で働かされるのだとテオは思った。
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「テオのムースケーキは28点ですね」
喫茶店の店主ダニエルは、テオの手作りムースケーキを見て勝手に採点した。
「いきなり採点されても。これを先輩に食べてもらいたいんですが」
「では満点とします」
ダニエルの満面の笑み。まだ食べてないのになぜ点数が変わるのかはダニエルのみぞ知る。
「満点にするなよ!」
そのあとムースケーキは食され、50点の点数がつけられたという。
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「これ仮装じゃないだろー!ナース服!まさかこれであいつらに会えと?」
「え?リブラや三流魔族と会う約束を?良かったですね」
三流魔族とは鏡の魔物ファントムのことである。
ダニエルはテオのスケジュールを割と知っている。実はテオの手帳を見ているのは本人には内緒のようだ。
「よくないですよ!オレは!ちゃんとした格好で会うんですー!」
「仮装ですし、喜んで偽者テオが患者役になるのでは?良かったじゃないですか」
「ニセモノのオレじゃなくて、リブラはオレの弟だよ!良いわけないだろ!」
テオはナース服を脱ごうとしたが脱げないことに気付いた。目の前の人物に、服を脱ぐときに力が入らない呪いをかけられているのだ。
「まあ我慢して行ってきてくださいね。応援してますよ?」
「誰のせいで…ってそろそろか!行ってきます!」
「ええ、お気をつけて」
何故テオとダニエルが朝から一緒にいたのか…それは単に喫茶店が夜遅くになってしまって、二人が喫茶店で寝泊まりしたに過ぎない。
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「おはようございます、先輩。あれベルは??」
テオはダニエルといるはずの幼馴染がいないことに気付いた。
「武術大会に敗退したので山篭りだそうです」
「わぁ、5年ぶりだあ」
しばらくべルーチェという女性は喫茶店には働きに来ないというサインだった。
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ダニエルが店主のクリスマスの喫茶店は多忙である。
テオはダニエルの企みによりバニーの格好でビラ配り。(外の気温は2度であった)
ダニエルは予約されたケーキで忙しい。
べルーチェは武術大会から帰ってきた途端にウェイトレスを1人で回すことになっていた。
助太刀しに来たのは、リブラだったがこちらはケーキ以外の料理を1人でやっていた。

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