95日目 おじゃる日記「どんぐりの木の下で」

夕飯前に何気なく家の人と一緒におじゃる丸を見ていた。

おじゃる丸には、どんぐりの木の妖精、木下(きのした)とおじゃる丸が再会する物語がある。何度見ても泣いてしまう。

もうね、木下(きのした)という名前が良すぎて、名前が存在そのものをあらわしていることにじんわりくる。

どんぐりの木のそばでじっと座っていると、背後でふいにかさっ、パーン、っと枯れ葉が鳴って、今この瞬間に落ちてきた実の地面を打つ音が聞こえることがある。

そうか、地面にたくさんたくさん落ちているどんぐりのひとつひとつに、それぞれその実が落ちた瞬間、というのがあるのだな。当たり前のようだけど、そうなんだな、と気がつく。

点在する無数の別のいのちの時間に囲まれて生きている。

そう思うと世界はだいぶにぎやかになって、すこし、息がしやすくなる。

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