MLB選手紹介 vol.6 スティーブン・クワン

今回は22年シーズンにメジャーデビューすると、WAR5.5の活躍でガーディアンズの地区優勝に貢献したスティーブン・クワンを紹介したい。

スティーブン・クワンのプロフィール

クリーブランド・ガーディアンズに所属する外野手。

1997年9月5日生まれ。
→小笠原慎之介、伊藤大海と同世代。

175cm/77kg 左投げ左打ち

2018年、ドラフト5巡目(全体163位)でインディアンス(現ガーディアンズ)に入団。
2022年の開幕戦、4月7日のロイヤルズ戦でメジャーデビュー。

その後はアベレージヒッターとしてヒットを積み重ね、リードオフマンとしてチームを引っ張り、ガーディアンズを地区優勝に導いた。
ここからはクワンの選手としての特徴を22年の主要成績や各種指標を用いて紐解いていきたい。

スティーブン・クワンの22年シーズン成績
・主要成績
BA .298
OBP .373
SLG .400
OPS .773
HR 6
2B 25
barrel 7 
DRS 
fWAR 

各種指標
K% 9.4% (22.1%)
BB% 9.7% (8.4%)
HH% 20.8% (35.8%)
barrel% 1.4% (6.7%)
A exit velo 85.1 (88.4)
M exit velo 107.1 (122.4)
launch angle 11.8 (12.1)

GB% 42.6% (44.9%)
FB% 23.6% (23.1%)
LD% 27.9% (25.0%)
PU% 5.9% (7.1%)

zone con% 93.7% (82.0%)
chase% 20.2% (28.4%)
chase con% 79.6% (58.3%)
whiff% 9.0% (24.7%)

クワンのここがスゴい!
・コンタクト率が高い。
・安定感がすごい。
・守備が上手い

・コンタクト率が高い
クワンの1番の特徴はリーグ有数のコンタクト率だろう。
ゾーン内のコンタクト率は平均を10%超えており、ボールゾーンのコンタクト率ですら79.6%と非常に優秀だったが故に打率、三振率でリーグトップレベルの成績を残した。

特に三振率に関しては9.4%ととても低く、全スイング中の空振り率は9.0%とおぞましい成績で、類稀なるコンタクト率を発揮していた。
ボールスイング率も20.2%と平均より少なく選球眼も良いので、三振数は抑えながら四球はしっかりと選び出塁率も上げてリードオフマンとしての仕事を全うしていた。

打球方向割合も逆方向の割合が34.0%と引っ張り方向の28.3%を超えていおり、広角に打ち分けることができているのもクワンのいい所だ。

・安定感がすごい
安定感、という言葉にまとめてしまったが月別成績などだけではなく、色々な数字が優れている。
まずは月別成績だが、5月と10月こそ成績が落ち込んだものの、他の月では3割を大きく超えるかそれに近い成績を残しており、オールスター前は.279、オールスター後は.317で安定して成績を残していた。

対左右成績も偏りがなく対左が.285、対右が.303とどちらからもそれなりに打てていて、ホーム、アウェイ成績もそれぞれ.295,.301でほぼ変わらず打てていた。
変化球別に見ても苦にしている球種がなく、どの球種も安定して率を残せていた。
こういった具合にあらゆる数字に安定感があり、活躍できていることからクワンはかなりチームにとって計算しやすいありがたい選手である。

・守備が上手い。
クワンは守備にも大注目だ。
LFでのDRSは22でメジャートップの数字を残しており、メジャー有数の外野守備を見せてくれる。
沢山の内野安打を生んだスプリントスピードは、外野守備にもいきていてかなりの守備範囲を誇っている。
クワンの外野守備は非常に見応えがあり、数々のスーパープレーを見せてくれているので、是非ともクワンのプレー集は見て欲しい。

クワンのここに注目!
・どこまで安打を重ねていけるか?
クワンはパワー関連の指標が物足りない代わりにコンタクト率や広角への打ち分けには非常に優れている。
その上来季からは極端な守備シフトが制限されるのでさらなる安打数増加に期待ができる。
足も速いので盗塁にも期待でき、スモールベースボールチームである現在のガーディアンズの核となりえる。

まだ25歳と若く、非常に高いコンタクト能力とスプリントスピードを誇り、守備でも大きくチームに貢献するクワンの更なる活躍に期待していきたい。

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