【今日コレ受けvol.046】テート美術館展で見た2つの光
昨日は大阪の中之島あたりに泊まっていたのだが、Facebookにやたらと中之島周辺の広告が表示されて(これはこれでめちゃくちゃ怖い話なのだが、一旦脇に置く)、大阪中之島美術館で「テート美術館展 光 ― ターナー、印象派から現代へ」が開催中であることに気がついた。
これ行きたかったんだった!!
久々にTHE絵画を畳み掛けられて圧倒されっぱなしだったのだが、中でも「そういうことだよな」と得心したのが、ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーが光と影の関係や球体の反射の仕方を研究した一連の素描だ。
こうした積み重ねがあるからこそ、ターナーの作品に存在する「光」は特別な輝きを放っているのだ。ある種の安心を含んだ敬服の念を抱いた。
練習は裏切らない。いや、ちょっと違う。練習するしか上達する道はない、だ。
もう一つ。以前の「今日コレ」で上手い文章と面白い文章の違いみたいなテーマがあったけれど、腰が抜けるくらい圧倒的に上手い絵は、それだけで感動できる、と知った。
分かります? 透明って色はないはずなのに、水が透明なのよ。なんなん、この超絶技巧。
宗教画なのもあって、描かれているテーマにはさほど興味はないが、足の筋肉にしろ、子どもたちの表情にしろ、凄まじい画力に釘付けになった。他のお客さんの間を縫って右へ左へ何往復もしながら、ギリギリまで近づいて、石の一粒一粒まで時間をかけて観た。
「今にも動き出しそう」とかそんな生温い話じゃなくて、既に、常に、動いてるのよ。(うまく表現できない、我が筆力の未熟たるや)
上手いは、あるラインを越えれば面白いになる。極限まで筆力を高めれば、何を書いても感動させられる。
そこに到達できる気は全くしないが、今日も一歩でも半歩でも進むために練習を続ける。
毎朝7時に更新、24時間限定のショートエッセイCORECOLOR編集長「さとゆみの今日もコレカラ」。「朝ドラ受け」のように、その日の「今日もコレカラ」を受けてそれぞれが自由に書く「遊び」です。
マイナス25度のすっぽ抜け【さとゆみの今日もコレカラ/053】
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