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【今日コレ受けvol.017】対義語

インタビュー力を高めるための勉強会「インタビュー・スキルアップ・ラボ」を、ライターの村上杏菜さんと始めた。このラボについては、また後日詳しくお話しするとして、とにかくインタビューがもっともっとうまくなりたいので、自分なりに勉強を続けている。

『行列のできるインタビュアーの聞く技術 相手の心をほぐすヒント88』(ダイヤモンド社)を書かれた宮本恵理子さんが聞き手をつとめた「インタビューのコツをインタビューするオンライン勉強会」に参加した際、宮本さんがゲストの中竹竜二さん(株式会社チームボックス代表取締役)にこんな質問をして、思わずメモをした。

「浮遊感の対義語というか、対局的なイメージってどんなものですか?」

中竹さんが「僕は(インタビューの最中に)あえて浮遊感を出します」という話をされた。宮本さんが「浮遊感?」と返すと、中竹さんは浮遊感について具体例を挙げながら説明された。宮本さんは視線を斜め上に向けてその話を聞きながら、説明がひとしきり終わったタイミングでこの質問をぶつけた。

中竹さんが使った、ある種のオリジナルな言葉がどういうことを意味しているのか。「正面」から説明しただけでは曖昧さが残るときには、「背面」から見てみることで輪郭をより明確にすることができるのかと非常に勉強になった。

優しいの対義語は何だろう。
すぐに思いついたのは、冷たいだけど、辞書をひくともうひとつ、厳しいもある。子どもに聞くと、優しいの反対は怖い、らしい。
私自身が、優しいと対をなす言葉だと思っているのは、正しい、だ。一念発起して優しい人になろうと思ったとき、正しいことを言うのをやめようと決めた。

優しい。厳しい。正しい。【さとゆみの今日もコレカラ/017】


対義語って、ひとつじゃないんだよな、とあらためて思う。白/黒、善/悪、男/女……、二項対立思考から抜け出さないと見えないものがある。一つの対義語しかない許さない、自分の「正しい」しか認めない世界はとても窮屈だ。

自分自身の「正しい」や「対義語」を差し挟まず、目の前の人の話をていねいに聞く。簡単なようで、難しい。


毎朝7時に更新、24時間限定のショートエッセイCORECOLOR編集長「さとゆみの今日もコレカラ」。「朝ドラ受け」のように、その日の「今日もコレカラ」を受けてそれぞれが自由に書く「遊び」です。

優しい。厳しい。正しい。【さとゆみの今日もコレカラ/017】


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