見出し画像

水島漫画はバイブル

中日ドラゴンズにハマる一方で、水島新司さんの漫画作品にものめり込んでいった。まわりの友達がコロコロコミックを読み始めているかたわらで、私は兄の所持する漫画を読むことが増えていった。その中にキラリと光る漫画があった。水島新司さんの「球道くん」である。元プロ野球選手の父親を病気でなくした山本球道が、父が亡くなった病院にたまたま入院していた社会人野球選手・中西大介(のちにプロ入り)と、大介が想いを寄せる看護婦の愛子に引き取られ、中西球道としての野球人生を、幼少の頃から描くヒューマン野球ドラマだ。大ヒット漫画・「MAJOR」(満田拓也作)の下敷きにもなったとされるその世界観に魅了された私は、球道くんを皮切りに、「ドカベン」「大甲子園」「一球さん」「あぶさん」「野球狂の詩」など次々に水島作品を読破していく。それらは13歳離れた兄の所有作品であり、リアルタイムで連載されていたわけではないため、ともに語り合う同級生もおらず、完全に閉じられたなか、独りで作品に向かい合っていた。その時に思った。投手なら中西球道のような選手を、野手なら殿馬一人(ドカベン)のような選手を目指したいと。この時読み漁った漫画が私の野球の教科書、いやバイブルになったのは、言うまでもない。
ちなみに中西球道は作品の中で、高校生のときに165キロを出したり、1番投手として甲子園で活躍しており、その姿はまさに後の大谷翔平である。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?