見出し画像

駆り出されたソフトボール大会

さて、小学校5年生になった私は精力的にドラゴンズの応援と水島漫画むさぼり読みは継続していた。
自分の野球といえばゴムボールをカラーバットで打つ子ども同士の遊びに興じながらも、暇があれば自宅前のスペースで木製バットのスイングと軟式ボールの壁当てを自主的にやっていた。いつかまた野球をやろうとか思ったわけではなく、バットを振ったりボールを投げたりしながら、「打ちました!」「投げました!」とひとり実況で妄想しながらひとりで遊ぶのが好きだったからだ。
また、成人した兄にはバッティングセンターによく連れていってもらった。バットコントロールに自信があって、ピッチングマシーンのボールが出てくる穴に打球を弾き返し、その穴に入れることが意図的にできた。いま思うといちばんバットが振れていたのはこの頃かも知れない。
そんなときひとつの転機がやってくる。町内のソフトボール大会に呼ばれたのである。私の校区では夏休みの始め頃、6年生を中心としたチーム同士でソフトボール大会が行われていた。私は5年生だったので大会の存在すら知らなかったのだが、誰が推薦したのか大会直前に来て欲しいと請われ、参加することになった。
6年生たちは、チームのユニフォームを着て臨んでいたが、飛び入りの私にはそれがなく、Dragonsのロゴに背番号6をアイロンプリントしたTシャツで参加した。当然チームでは「落合」と呼ばれた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?