Murase Kenji

働いて、料理して、生活して……という日常に生きつつも、かつて在籍していたライター仕事へ…

Murase Kenji

働いて、料理して、生活して……という日常に生きつつも、かつて在籍していたライター仕事へのカムバックを棄てることができず、また小説分野の創作でも一生に一冊でもいいから華を咲かせたいと願う、至極あきらめの悪い、文章を書くことが好きなだけの男です。

マガジン

  • 怪奇骨董音楽箱

    音楽に関して書き連ねたことを、ここに格納していこうと思います。個人趣味から、プログレッシヴ・ロック近辺が多くなる……かも?

  • 日々是奇譚

    毎日は、決して「ただの普通」じゃない。何かしかの新しい発見があるはず……という、日常エッセイ感覚を目指しています。

  • パパ育児ジャーナル(仮)

    パパも育児に参加する時代。もともとパパも「親」なんだから、当然の時代になったわけです。今の時期でしか感じられないことだと思うので、少しでも参考になれば……と思います。ハイ。

  • 音楽のある風景

    音楽アルバムや楽曲からインスパイアを受けた小説です。多くは過去に書きあげたものの再掲載になると思います。

最近の記事

コウノくんのこと

 かなり前に書いた文章ですが、自分語りのためアップしていませんでした。  しかし記憶と記録の彼方に忘却される前に (多少の手入れをして) ここに残しておきます。  先に言っちゃうぞ。よくある「ちょっといい話」です。        僕はザ・イエロー・モンキー(以下イエモン)がわりと好きなわけだけど。  イエモンを聴くと、いつもコウノくんのことを思い出す。  僕は大学受験にことごとく失敗し、浪人して、予備校に1年間通ったのだけど、そこは勉強しにゆく予備校ゆえ、誰とも馴れ合う気にな

    • 俯瞰する牛――星野英彦というスタイル

       星野英彦。素敵な名前だよね。ロマンスの主人公みたいだよね。  しかしその実、彼が髭の剃り跡が濃くて四角い顔をしたBUCK-TICKのギタリストであることを知っているのは、ファンまたはそれに近しい人ぐらいだろう。これはバンドの宿命で、中心人物やキャラが目立つ人物の認知は高い。しかしドラムやベースといった「屋台骨」はとかく名前が知られず、メディアにも「バンド代表として」出ることもない。樋口兄弟は広報役として出ることもあるのに。  バンド全体を「調和させる音」担当に徹するがゆえ、

      • 拝啓、櫻井敦司様。

         このような手紙を書くことになるとは思いませんでした。きっとあなたは、永遠に生き続けるに違いないという勝手な思い込み、それが確信となってなぜか私の中に常に、住み込んでいました。  男から男へ送る「love letter」のようで気恥ずかしくもありますが、それ以上に、喪失感が拭えません。報せから1週間が過ぎても、未だに実感がなく、実感を得ようとすると「この声の持ち主が、すでにこの世界から旅立ってしまった」という事実を受け入れられず、涙が溢れようとします。特に初報から三日三晩は、

        • さよならISSAY

           ISSAYが亡くなった。 ……え? ええっ?  ISSAYって、DER ZIBETのISSAYですよね? 藤崎ですよね?  とネット・ニュースを読みながら、理解できなかった。あの「デカダンスの帝王」が、世を去ってしまったということが。  2023年8月5日、ISSAY逝去。  その意味がわからなかった。    典型的な言葉だが……「死なないと思っていた」。  これは多くは後期高齢者層に値する「伝説の」人々によく言われる言葉であるが、そう、ISSAYは余りにも、若かった。だっ

        コウノくんのこと

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        • 怪奇骨董音楽箱
          29本
        • 日々是奇譚
          20本
        • パパ育児ジャーナル(仮)
          4本
        • 音楽のある風景
          4本

        記事

          そろそろ……

          言っておかないと。 「長らく放置していますが、まだアップするつもりはありますよー」 ぐらい。 や、これが身辺の変化が大きくありまして。特に転職と第二子の誕生、これがデカい。 あんまり文章をガッと書ける機会がなくなっちゃったんですよー。今も下の子がいつ起きるのか、ヒヤヒヤだぜ。 なので、時間的余裕さえできればまた何か書きたい……とは思っています。特に「帯状疱疹ワクチンを2回め接種してからの群発反応」とか。「家事は『できない』のではなく『していない』だけだ」とか。「かわいそうな

          そろそろ……

          実録 キング・クリムゾン

          ・のんびりした兄弟バンドの「歌える鍵盤奏者募集」の告知に、歌えないギタリストが参加する ・初代フルートとベースの大山のぶ代と楽器できない詩人が加わる ・参加者が増えて詩人が思いつきでバンド名を「キング・クリムゾン」に変更 ・命名者の楽器できない詩人がやたらチヤホヤされる ・ギタリストが即興演奏をウリにしたがり、その後のバンドの問題すべてとなる軋轢がスタート ・アルバム出してツアーに出て、いきなりギタリストと詩人を除く全員が脱退 ・困ったギタリストが初代フルートに「こんなん無理

          実録 キング・クリムゾン

          【勝手に意訳】――V系黄金期バンドの有名曲を「わかりやすく」解釈しよう!

          ■まえがき  えーと、これだけは言っておかねばなりません。 「僕はこれらのバンドや曲が、大好きでしたし今も好きです」  茶化してはいますが、決して馬鹿にしているわけではないので、それだけは悪しからず……。  つくづく「V系の歌ってイメージが強くて、俯瞰で見ると意味わかんないよね」と思うことがあり、まぁ実際そういう歌詞が多いわけです。  それを「あえて下世話に意訳して」解釈しやすくしてしまう、という企画です。宝島の『VOW』愛読者ゆえの冗談感性なので、本気で怒らぬようお願い

          【勝手に意訳】――V系黄金期バンドの有名曲を「わかりやすく」解釈しよう!

          群発頭痛患者への帯状疱疹ワクチン摂取についての暫定的な報告――「効果があります!」

          ■はじめに  私は2020年の夏、群発期間中に帯状疱疹ワクチンを摂取しました。  もったいぶらず、まずはこのワクチンを知っている方に向けて、最初に申し上げてしまいましょう。 「1期間の群発期を抑制することができ、次の群発期は例年より軽度で済んでいる。完璧ではないが、悩んでいるならぜひ摂取をおすすめしたい」  これが本稿のまとめであり、始まりとします。  また私は、こちらへの投稿について「完結した記事としてあとで再読できる、書架としての役割」という方針があるので、基本的に暫定

          群発頭痛患者への帯状疱疹ワクチン摂取についての暫定的な報告――「効果があります!」

          群発頭痛・応用編(発作の「予兆」を感じたら)

           今回は、今までお話してきた群発頭痛についての補足的内容です。  群発頭痛には「予兆」と呼ばれるものがあります。感じる人もいれば感じない人もおり、また余裕がないと感じられないことも多いものです。  医学的に「アロディニア」と呼ばれる予兆は、ひとことで言えば「悪い予感がする」もの。ゾワゾワする、背筋に緊張が走る、汗ばんでくる、息苦しさを感じる、呼吸が荒くなる……それらのあとに、高確率で群発頭痛が襲ってきます。僕はこれを個人的なLv1~Lv5に分けた5段階の痛みのうち「Lv1」に

          群発頭痛・応用編(発作の「予兆」を感じたら)

          noteの「カイアク」が続いている。

           皆さん、SNSしてますか?(←ミスターのセコム風に ←古いな)  というのも、この「note」が最近、他のSNSを意識してプラットフォームほか仕様をバキバキに変更しており、すべてが「改悪」に思えてしまう。  だから何かを書こうとして「noteにアップするんだよなぁ」と思うと筆が止まる。あるいは書き上げても、ずーっとアップする気になれずにいる。 ……と、もう一覧のサムネイル表示も切れましたよね。後述するけど、ここも変わった部分。  じゃあ、サムネで見えない部分から、どーん

          noteの「カイアク」が続いている。

          「対象年齢」の意味

           子供が遊ぶおもちゃ。そのほとんどには「対象年齢」が書いてあります。それこそ100均のおもちゃでさえ。 「んー。でもこれって守らなきゃいけないの? たぶん遊べるっしょ」  と大人の視点で思って2歳になる子供に「対象年齢3歳以上」のおもちゃを与えているのですが、それでもってようやく、わかりました。  たしかに「対象年齢は、そのおもちゃを与える基準になる」のです。  最初に対象年齢を気にしたのはプレゼントでいただいた、おままごとセット。マジックテープでくっついている木製の野菜や

          「対象年齢」の意味

          『MILLION MIRRORS』に見えるSOFT BALLETの「終末への序曲」

           はてさて。  以前「ソフトバレエ、まずは『愛と平和』が代表作だ」と記した。同時に「取っかかりには『INCUBATE』もおすすめ」とも。  その2枚のポップ・サイドが強い傑作の間に、ファンでさえ議論の的となる作品が存在する。それはソフトバレエ(以下ソフバ)がアルファからビクターへ移籍し、大きく期待されての第一作になった『MILLION MIRRORS』。スペルに「L」と「R」が多いので逆に誤入力しがちだけど、僕は当時高校生時代のワープロから入力し続けたおかげで、すっかり指先が

          『MILLION MIRRORS』に見えるSOFT BALLETの「終末への序曲」

          ハロウィンのドラマーを考える

           ハロウィンのドラマーは結成時から現在までに、主に3人が知られている。  他にも短期間だけ在籍やサポートしたドラマーが数人いるものの、主に「インゴ・シュヴィヒテンバーグ」「ウリ・カッシュ」「ダニ・ルブレ」が長期間在籍したドラマーとなっている。  今回はその3人を、ちょいと比較してみようかなどと思いながら筆を進めてみる(キーボード入力だけど)。  デビューから『カメレオン』までドラムを担当したのは「パワーのインゴ」。  スラッシュ・メタル寄りのビートが得意な印象で、初期の屋台

          ハロウィンのドラマーを考える

          【須田慎吾『ラムネ時代』によせて】

           はてさて。  面白い新人がデビューする。名を「須田慎吾(スダ・シンゴ)」という。  何が面白いって、近年メキメキと知名度を上げている和製プログレ・バンド、金属恵比須の鍵盤奏者(本業はベース)であるミヤジマケンイチ氏が全面プロデュースを手掛けているのだが、それが実に遊び放題。プログレやサイケの血をくすぐるのである。  その中核に位置する須田のヴォーカルも、さながらソフト・サイケ。その独特の声色が、この世界観を唯一無二のものとする。 「当時の音楽より、当時っぽい」  不思議だが

          【須田慎吾『ラムネ時代』によせて】

          JAPAN――「服を着た憂鬱」とその仲間たち

           ジャパン。いやJAPANなのか。  というのも、表記がはっきりしないのだよ、このバンドは。洋楽だと普通はカナひらきされるものの、このバンドにおいては「JAPAN」と銘打たれているケースが実に多い。オビなんかもバンド名をロゴそのまま採用していたりして。それは「日本」を意味するバンド名への敬愛か、はたまたカナで書くと何となく間抜けだからなのか。ヒロミゴーが思い浮かぶ人もいるだろう。  いちいち「全角/半角」キー押すのが面倒だからカナひらきでいこう。ジャパン。よしそれで。   

          JAPAN――「服を着た憂鬱」とその仲間たち

          「赤ちゃん」が「おチビちゃん」になったら

           今回は「少し大きくなった子」のお話です。  今まで2回ほど育児の話を書きましたが、ウチの娘はだいたい1歳半になりました。はいはいを始めるのが遅くて心配しましたが、始めたら一気に成長。わりと早くつかまり立ちして、その後は順調に歩きました。もはや小走りします。  そういう親の心配(まして初めての子供ですから)をよそに、順調に育ってくれるものです。「時期の差こそあれ、障害がなければ放っておいても育つし歩く」と聞いた通り。だからこそ障害などは心配になるのですが、検診のたびに心配なさ

          「赤ちゃん」が「おチビちゃん」になったら