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日々是奇譚

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毎日は、決して「ただの普通」じゃない。何かしかの新しい発見があるはず……という、日常エッセイ感覚を目指しています。
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群発頭痛患者への帯状疱疹ワクチン摂取についての暫定的な報告――「効果があります!」

群発頭痛患者への帯状疱疹ワクチン摂取についての暫定的な報告――「効果があります!」

■はじめに

 私は2020年の夏、群発期間中に帯状疱疹ワクチンを摂取しました。
 もったいぶらず、まずはこのワクチンを知っている方に向けて、最初に申し上げてしまいましょう。
「1期間の群発期を抑制することができ、次の群発期は例年より軽度で済んでいる。完璧ではないが、悩んでいるならぜひ摂取をおすすめしたい」
 これが本稿のまとめであり、始まりとします。
 また私は、こちらへの投稿について「完結した

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群発頭痛・応用編(発作の「予兆」を感じたら)

群発頭痛・応用編(発作の「予兆」を感じたら)

 今回は、今までお話してきた群発頭痛についての補足的内容です。
 群発頭痛には「予兆」と呼ばれるものがあります。感じる人もいれば感じない人もおり、また余裕がないと感じられないことも多いものです。
 医学的に「アロディニア」と呼ばれる予兆は、ひとことで言えば「悪い予感がする」もの。ゾワゾワする、背筋に緊張が走る、汗ばんでくる、息苦しさを感じる、呼吸が荒くなる……それらのあとに、高確率で群発頭痛が襲っ

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実録「これが『キメハラ』だ」

・基本的に、読んでいる前提で話してくる
 
・AKBファンにやられて嫌だったはずの「推しは?」という質問をする
 
・日常会話にちょいちょい名シーンの再現を入れてくる
 
・ひとりっ子が苦労も知らず、きょうだいをうらやましがる
 
・気にもしていなかったはずの和柄に意味なく興味を持つ
 
・上司が「仕事に集中しろよー。全集中だぞ!」と言ってくる
 
・でも仕事の相談をすると「……凪」と言って黙る

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「繋ぐ」物語、『鬼滅の刃』は『スター・ウォーズ』だ

「繋ぐ」物語、『鬼滅の刃』は『スター・ウォーズ』だ

「『鬼滅の刃』が話題になっている」と耳にしてしばらく。
 地上波でTVアニメ一挙放送、さらに映画化の「あの流れ」があった。そこでとうとう、録画してアニメを見始めたのが僕の「キメツ入口」だったわけだが……実に面白い!
 そんなわけで今回は、熱いうちに『鬼滅の刃』を語ってしまおう。世間よりも、僕が熱いうちに。刀が赫いうちに。

 さて、キメツ。
 そこにあるのは個性的な「クセしかない」登場人物、複雑か

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群発頭痛・応用編(患者さんに向けて)

群発頭痛・応用編(患者さんに向けて)

 以前「群発頭痛とはどんなものなのか」について、とても長い文章をしたためました。
 群発頭痛をご存知ない方にも、悩まれている患者さんにも向けたものだったのですが、今回はより「群発頭痛患者」に即した内容を記述します。
 どうしても自己の体験を基本とし、あくまで個人的な体感で、医学的根拠のあることなどは言えません。そのため書ける範囲が限られてしまいますが、逆に手広く言及もできます。それだけに「勉強した

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調剤薬局の会話って必要ですか?

調剤薬局の会話って必要ですか?

 僕は接客業です。今までの仕事の大半も、接客業です。
 だから、接客の大切さというのは身に染みてわかっている。逆に、接客が売上またはお客さんとの関係に害を及ぼす経験も、何度もしている。
 そのうえで言いましょう。
「調剤薬局の会話が鬱陶しくて仕方ない」と。

 まずは、本題の前にひとつ話をしましょう。
 接客において個人的に不要だと感じているものに、たとえばアパレル店の「急に寄ってくる店員の接客」

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男ってヤツは。

男ってヤツは。

 まったく、男ってヤツは。
 自分が男なのに、しょっちゅう思う。それはきっと自分が女性性に憧れ続けてきた人生で、女性ホルモンが多いからだと思う。料理するのも好きで、主夫になりたいとか思っていたし。
 いやそれは半分ぐらい冗談としても、男ってヤツは、本当にいろいろとダメすぎる。

 とかく、男ってヤツはガサツだ。
 使ったものをちゃんと戻さない人が多いし、そもそも片付けない。「別にいいでしょ」と自分

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つながっているだけのフレンドを切っただけでフェイスブックのストレスが軽減された話

つながっているだけのフレンドを切っただけでフェイスブックのストレスが軽減された話

 どうして、それまでグズグズと続けていたのだろう。
 こう言っては難だけど、さながら格安スマホのキャリアがあるのに、確たる理由もなくドコモの契約を続けていたのを切って乗り換えたような気分だった。
 何の話かというと、8年ほどつながっていたフェイスブックのフレンドを削除した話。正確には「8年ほどつながっているだけだった」フレンドの話なのです。

 そもそも、フェイスブックとは1回勝負のツイッターやイ

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「人に伝える文章」と「書き残す文章」の違い

「人に伝える文章」と「書き残す文章」の違い

 僕は腐っても、文章をよく書く人間です。
 いや腐ってないぞ誰がゾンビだ!(←言ってないよ)

……という書き出しから、この文章は「人に読んでもらうために書いている」のか、それとも「自分の記憶や記録を書き残しているのか」がわかると思います。
 だってほら、自分のための文章だったら「腐ってないぞ!」とかセルフのツッコミとか、書かないでしょ。人に読んでもらえるように、軽妙にしているわけで。
 というよ

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「群発頭痛」を知っていますか

「群発頭痛」を知っていますか

(※とても長い文章です。それでもお読みになれる方はよろしくお願いします)

……「群発頭痛」。
 耳なじみの薄い言葉だと思います。もしも知らない方であれば「頭痛の一種かな?」ぐらいに思うことでしょう。
 それはあながち間違いではありませんが、決して正しくはありません。頭痛のように「神経の刺激が痛みになる」ことは同じですが、その質や構造が、まったく異なります。
 現代日本は「4人に1人」が頭痛患者と

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サイクルノクロス(引っ越し前日に思う)

 通勤経路というものは、だいたい決まってきてしまうもので。時間もおおよそ同じぐらいになる。
 そうなると、そのサイクルで行動している人とはほぼ必ず会うことになる。相手のことは知らないけど、お互い相手を認識している「顔見知り」状態。
 明日の引っ越しを控えているので、僕は今日が最後になる現在の通勤経路を歩いていって、そこでたまたまサイクルがクロスしていた人々を懐かしんでいた。
 新居からはサイクルが

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スマホを捨てよ、前を向こう。

 ところで、僕はよく道を聞かれるほうである。
 久しぶりの投稿のド頭から「ところでじゃねえだろう」と言われても当然の恐縮ではあるが。

 さて(←負けない)
 つい先日も電車で、耳掛けヘッドフォンをして音楽を聴いているのに「この電車は○○駅には止まりますか?」とご老人に聞かれた。そう聞いた彼の隣りには他の人もいたのに、だ。
 しかし困ったことに、僕は「基本的に方向音痴」なのだ。
 そのため「んー、

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その家からは、ハーレーが

その家からは、ハーレーが

 その家からは、ときどきハーレーが出てきていた。
 乗っているのは、いかにもアメリカン・バイクが好きそうな長髪に髭をたくわえた男性。ゴーグル越しの眼のまわりには、まだ若いと言えそうな表情が見える。装着した半キャップ姿に、くわえ煙草が印象的だった。
 出ていく時間も不定期で、どこに行くかもわからない。革ジャン姿で季節を問わず、近所中に響きわたる排気音をあげて家から飛び出していった。
 ほかにその家か

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自殺を考えている、君へ

自殺を考えている、君へ

気分はどうだい?
いいわきゃないよな。

でもね、それ。言い方は悪いけど「今だけ」なんだ。
逃げちまえばいいんだよ。
できない?
そう思ってるのは、君自身だよ。
死ぬ気になれるぐらいなら、本気で逃げれるよ。

逃げたくない?
なんで?
恥ずかしい?

でもね、それ。
「今だけ」なんだよ。

学校でも会社でも家庭でも、逃げちまえば無関係だ。
その後?
それは、本当の「その後」に考えればいい。
でもな

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