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ひとりくらいはいる

「岡村隆史、結婚していた」
突然、飛び込んできたネットニュース。
結婚していた!?という所に引っかかり、祝福と同時にやってくる焦燥感。

「結婚しました」
岡村さんからこの言葉を聞く日がついに…
ナイナイのオールナイトはお祭り状態。
神輿を担ぐ日がついに来た。Xデーだ。

数年前から、2020年オリンピックの年に「どさくさ婚」をしたいと話していた岡村さん。
実際には、ここ半年くらいの辛い時期を支えてくれた「支えられ婚」だという。

岡村さんを支えてくれる人がいて良かった。
長年のナイナイファンとして、ラジオのヘビーリスナーとして、心からそう思う。

アローン会は晴れて卒業。
架空の嫁が見えるお笑いはもう終わり。

めでたくもあり、感慨深くもあり。
オードリーの若林さんが結婚した時のデジャブのようなショックもあり。
祝福感を上回る、孤独感。
久しぶりに来たこれ、震える。

2人とも結婚して度々話題に出てくる奥さんの話を聴くのがしんどくなり、「オードリーのオールナイト」を聴けなくなってしまった。
まさか、「ナイナイのオールナイト」まで聴けなくなってしまうのか。

どうしたものか…
ひねくれた孤独な人間が聴ける深夜ラジオがなくなっていく。

「深夜の馬鹿力」での伊集院さんのかみさん話は微笑ましく感じるし、「爆笑問題カーボーイ」での田中さんの子育て話はほのぼのとして聴ける。

けれど、若林さんの奥さんの話はなぜだか楽しい気持ちで聴くことができず、矢部さんの子育て話は上から言われてるような気がしてしんどかった。

なんなんだこれ、どうしたらいいんだ。
ずっと苦しくてもやもやしていた。
どう考えたって自分の感覚がおかしい。

祝福せよ。祝福せよ。
誰かが結婚するたびに迫り来る祝福の波。
誰かの幸せを目にするたびに落ち込む心。

自分の感情を置き去りにした「おめでとう」を何度言えば、この苦しさから解放されるんだろう。

ゲストのaikoさんの曲「ハニーメモリー」
「君がいないと味がしないんだ」という歌詞が耳に残り、心に染みる。
もう何年も味がしていないことに気づく。

aikoさんと矢部さんが岡村さんに向けて歌う「ボーイフレンド」を聴きながら、その幸せな雰囲気にぼんやりとして死にたくなる。

いや、死にたくなっちゃったよ。
この祝福すべき日に。
素直に祝福できない自分にまた落ち込む。

一夜明けて岡村さん結婚のニュースを見たら、わー良かった!おめでとう!お幸せに!という気持ちがわいてくるのかもしれないし。
あー結婚しちゃったのか…みんな幸せなのか…そうか…とまた死にたくなるのかもしれない。

そんな人生だ。
それが人生だ。

でもまあこの世にひとりくらいすねてる人間がいてもいいよね。
こんな日は、ピーズの「ひとりくらいは」を聴こう。

幻聴抱いて真っ白い向うへ
転がして行く独りの夜
逃げるな 探せよ探せ何処かに
ひとりくらいはいる…

The ピーズ「ひとりくらいは」

黙って孤独に耐えている人間に届け……

歯をくいしばって寝ます。
岡村さん、結婚おめでとうございます!

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