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石原夏織 LIVE 2022「Starcast」-Vega-

※2022/03/15 一部表現、セットリストに対する解釈を修正(太字)


Starcast Vegaを終えて、僕はいま、物語の宇宙の中に放り出されて浮かんでいる。石原夏織とそのチームが生み出す物語について、いつもの拙い言葉、勝手な妄想で感想、推測、解釈をしていく。

鮮度のあるうちに慌てて書いているので、間違いや抜け、漏れについては多分にあると思いますので何卒。








※この感想、解釈はばんぶーおじさん個人の勝手な思い込みによるものです。

ネタバレ注意











石原夏織 LIVE Starcast Vega、それは始まる前から驚きと、新しい挑戦」にあふれていた。

空から溢れんばかりの星空の中を泳ぐように、スクリーンに表示されたLIVE starcastの星空が動いている。夏織ちゃんのライブではいつもその時々のテーマに沿った音楽が流れている。前回のMAKE SMILEでは「スマイル」そして今回Starcstでは「星空」「夜」が歌詞やタイトルに含まれた音楽が流れていた。そして開演5分前アナウンスののち、会場BGMがフッとフェードアウトすると、テイラースウィフトのStarlightが流れ始めた。「もしや」の期待はもっと大きく膨らんでいく。曲が終わると同時に星空が空から降りてくる…!?空が降ってくる!?異様にシンプルで装飾の少ないLEDスクリーン、そこに既にヒントはあった。Starcastのタイトルロゴの向こうに輝く一等星。“透ける”スクリーンのその裏からライトに照らされて、彼女は立っていた。「懐中時計が揺れながら」空へ…スクリーンが元の場所に戻っていく…。スクリーンを…惑星と惑星の間を飛び続け、一年ぶりの邂逅に期待を膨らませていた僕と夏織ちゃんは再会する。明かりの向こうから歩いてくる夏織ちゃんの表情は見えない。でも確かな足取りと、自信に満ちた笑顔は、逆光の中でも確かに輝いて見えていた。



ハッシュタグでも盛り上がった一曲目、固唾をのんで見守る僕らの前に現れたのはSemiーsweetな夏織だった…!先程スクリーンに現れた「揺れる懐中時計」…。Orange Noteのなかでは時計のチクタク音が流れていたことを覚えていた人はどれくらいいる?あの懐中時計もOrange Noteの伏線のひとつだった。「寂しくて、逢いたいんじゃない…逢いたくて、寂しい!」太陽よりも眩しい笑顔で胸の内を歌う夏織ちゃんの笑顔に、胸がぎゅっと苦しくなる。


そして最初のパートにも関わらずきゅっとしまったパープルとブルーの衣装も相まって、これから始まるダンスパートの気配を感じ取る。



ダンサーズも飛び出してきて再会の喜びを高め合う。楽しさ、嬉しさ、優しさ、強さ、クラップや振り付けを通して伝わり合う瞬間がここにあって、再会したら「約束の場所へ行こう」ねと語りかける。約束の場所とはどこだろう?ここ立川でもあるし、2週間後に控えている神奈川県民ホールかもしれない。みんなが色んな気持ち、想いを持ち寄ってライブに集まってくる。そんな奇跡を楽しもう。(ファンクラブ会報でも神奈川に先に夏織ちゃんが行ってて楽しみだねってこと書いてたよね?)


ここでトレーニング風のリズムが鳴り始めると、夏織ちゃんはペンライトを取り出そうと誘った。最初は黄色で、前、前、右、左!つぎはピンク色にして、前、前、右、左!それじゃあいくよ!


…え!?



こんな形で曲へ誘導されるなんて、ほんとうに!悔しい!(笑)しかしいきなりボルテージは最高潮。ここまで三曲は久しぶりの再会に飛び跳ねる気持ちが抑えきれない「織姫」の心の中を見ているような目まぐるしさだった。前半からこんなにかっ飛ばすなんて聞いてないぞ…!!



mcを挟んで楽曲は新曲、わざと触れた。ついに再会の時と想像しよう。すると、さっきまでのはちゃめちゃに盛り上がっていた心はスンッと落ち着いて、急にしおらしくなった。どうしたの?と問うてもめちゃくちゃに照れた顔をプクッと膨らますばかり。きっと心の中では「好きの矢印、真っ直ぐ飛ぶのに上手に甘えられない」「ねえ?私じゃだめかな?」って言ってるに違いない。だから僕はそっと手を伸ばし「優しく指を絡めた」



君と僕の間の照れとかもどかしい距離とかもろもろが解決した、それくらい少し時が流れたと仮定して、Plastic Smileを聴いてみよう。「君と出会って初めて知った気持ち」。逢いたくて耐えて、頑張って、何かを失ったりしたかもしれない日々も、どんな過去も「無駄じゃないって」わかった。「どこにいてもずっと変わらない(その手の)温もりで包んでくれるから」と、わざと触れた。の最後の歌詞と、Plastic Smileの物語をつなげることは決して強引な解釈ではないはずだ…


幕間映像。モノローグ

Starcastのインストソロをbgmに夏織ちゃんの声が朗読をする。Starcastの歌詞を土壌に育ったある一対の織姫と彦星の物語。雨の降る街、街明かり、人と人の笑顔が輝く街を天の川に見立てて、傘を忘れた僕を君は迎えにきてくれて…。

暗転した直後、天の川に見立てて背景にかかっていた布がハラリと落とされる。場転がはじまる!!舞台中央にパーカッション、左手からキーボード、右手からアコースティックギター!胸が高鳴る。バンドだ!少し物寂しくなった背景には窓のようなカーテンが降りてきた。センターにカウンターチェアが据えられると左手…一番高い台の上に真っ白なドレスを纏った夏織ちゃんが現れた…




キミしきるAcoustic Ver。微動だにせず、真っ直ぐに前を見つめて、ピンと張った弦のように強くしなやかに歌詞を紡ぐ歌声はまさに歌姫の風格であった。

背景にはキラキラとした光の糸が何本が垂れ下がっていてそれがまるで雨のようだ。


カヴァー曲についての憶測も飛び交っていて、それが天体観測で、しかもスペシャルなアコースティックverだなんて誰が想像しただろうか。



夜の部入れ替えはミスチルの星になれたら。フォロワーのみんなが言っていたけれど、本当に素晴らしい曲だし、「そのうちきっと大きな声で笑える日が来るから」という歌詞も素敵だった。


夏織ちゃんもたくさん聴いて、たくさん口ずさんだろうメロディ、良質な演奏と大好きな人の流星のような歌声が身体を突き抜けていく。



夏織ちゃんの持ち曲のアコースティックアレンジは続く。昼の部はWater Front、夜の部はCrispy Loveだ。



とくにCrispy Loveのアコースティックアレンジは最高級だった。更にねだるように、エモーショナルになって…。間奏のギターソロ!なんて甘く、切ないんだ!



アコースティックセクションを締めるのはこの曲。もう二度と聞けないかもしれない、ここにしかないセッション。目の前で繰り広げられているこんな贅沢を率いているのが夏織ちゃんだなんて…!ほんとうに君はすごいよ。

正直すっかり聴き入ってしまってアコースティックセクションに対して、「最高だった」以外の感想が見つからない…。フルバンドとか同期演奏とかで縮小したバンドじゃなくて、少人数で夏織ちゃんの歌声の素敵なポイントにスポットライトを当てるアコースティックという選択肢が、本当にプライスレスな空間を生み出していた。


幕間映像。モノローグ2

先程のモノローグの続き。雨に濡れて待つ君に声をかけ、その姿に君は笑い、傘を閉じて笑い返す。髪に雨が染み込んでゆく。美しい日本語の作り手はきっとあの方だよね。「答え合わせの時間だよ」この物語は、次回、Starcast Altair公演へと続く…


バンドセットは元通り片づけられ、広大なステージが戻ってきた。天井には出窓につけるカーテンのような布に加えて、オーロラのような布=虹の土台が追加された。



「束ねられないほどの思い出 最初の頃はもう懐かしい」背面のスクリーンに映し出されていたのは、1stライブからついこの間のMake Smileまでのライブ映像。笑った顔も泣いた顔もアルバムを捲るように(Page Flipするように)映し出されていく。僕は思わずスクリーンを指差した。君は笑ってみんなに手を振っている。なんて素敵なサプライズだ。笑顔と…涙が止まらない。



あと二曲です。そう言い放つとステージが、会場が虹色に染まる。先ほど背景に追加されたオーロラ状の布が七色に光っている。虹のソルフェージュが流れる時はいつも、思い出の中の虹よりも鮮やかで、期待していた虹よりも情熱的な虹が、夏織ちゃんと、演出と、客席のペンライトで作り出される。



メインセットリストの最後はライブのタイトル曲、Starcast。左右で高さの違う台、階段にあしらわれた葉の大きな草、そして階段の奥に今この瞬間までじっと息を潜めていた電球!(ここまで存在を気づかせなかったことがまず天才)背景の布の釣り物は全て頭上へきえてゆき、星空が瞬いている。今ここに、ステージチームは大自然の中で撮影されたあのmvの再現に成功した!感動で打ち震える僕に追い討ちをかけるようにダンサーズたちは夏織ちゃんと色違いの深い青色をした衣装を身につけてとびだした。そして2人ひと組のあのダンスをそこかしこで踊り始めた。今まで夏織ちゃんのライブのこのセクションはダンスパートからそのまま続くセクションで、夏織ちゃんも大きく体を使ってパフォーマンスをしていた。でも今回は流れが違う。ハンドマイクを片手に、客席に目を配らせて、大事なメッセージを一人一人に語りかけるように歌っている。そしてこの難しい楽曲を伸びやかに歌っている。大サビのファルセットも、転調も。凄い…。

踊らない夏織ちゃんの代わりにダンスを言語に僕らに訴えかけてくるのはダンサーズ。その姿が夏織ちゃんの奥に見える。mvのカメラワークを思い出してほしい。あれと同じ、あるいはそれを超えるエモーショナルな表現を、会場にいる数千人が、数千の角度、数千の目によって次々と体感していく。そんな奇跡がここに起こっていた。



Starcast VEGA

キミしきる(降りしきる)、雨模様リグレットの雨ニュアンスでスタートした中盤のアコースティックセクション。

雨は上がり、虹がかかった空(=メインのセットリスト)に燦然と輝くStarcast。

”降り注ぐ星を集めて夜空中に架けた橋”

その歌詞、その音楽が紡ぐ物語を、このステージは描ききったのだ。




アンコール


いつもしっとりゾーンに組み込まれるこの曲がアンコールで披露されることも予想外だった。winter alone verなどのアレンジではなく、原曲で聴くととても強さを感じた。辛い時期も一緒に乗り越えていこう。夏織ちゃんの目は会場の一人一人をとらえ、その向こうにいる、今日来れなかった人にも向けられていたように僕は感じた。



新曲、Cherishの初披露!ダンサーズも登場して会場はピンク色とピンク色がぶつかり合うような飛んで跳ねて、スーパーボールを入れた箱を全力でシェイクしたような大騒ぎ!夏織ちゃんからは可愛いポーズ、プク顔の出血大サービス!かわいい。こんな激しい、無茶苦茶なライブがある?あるんです。

石原夏織は、それが、できるんです!!



夏織ちゃんとファンの距離を最初に体現したこの曲。わかりきってるよ、大好きだよ。また会おうね。すぐ会えるよ。ひとりひとり指切りをしていくような、その姿をみんなで見守っているような幸せな時間が流れていく。



夜の部もてっきりFace to Faceがくるって決めつけちゃっていた僕らに炸裂した!You & I !?思わず会場がどよめいた!?気のせい?いや、気のせいじゃない!!やられた!!ちくしょう!恥ずかしいじゃないか!思わず口から漏れそうになるのを必死に抑えて(あるいは抑えられていなかったかもしれない)、内心めちゃくちゃになった。FtFでちょっとおセンチに終わらせるなんてさせない!跳ぶ!突き上げる!ありえない!!





夏織ちゃん、こんなステージを見せられて、こんな状態で2週間も「おあずけ」なんて、、、


ひどいよ(最高だよ)!!!



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