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MaiR 7thシングル「ヒカリヘ」について

★ はじめに

 ちょうど1年前の2022年11月23日、MaiR 7thシングル「ヒカリヘ」がリリースされました。
 6カ月連続リリース企画の第2弾の曲です。

 ヒカリヘのリリースから1年を迎えた今、この曲との思い出や自分なりの解釈をNoteに書いてみました。


 注意事項として、本Noteでは私自身の感想・解釈を記載しているだけのものです。
 曲の解釈は自由であるべきですし、曲を聴く人の数だけ解釈があるべきだと思っています。また、同じ人が同じ曲を聴いてたとしても、精神状態や周囲の環境によっても変わるとも思います。
 あくまで私自身が感じた事を書きたいだけで、私と違う考え方は聴いた人の数だけあるでしょうし、それをどうこう言うものではありません。

★ 曲概要

(1) 曲の概要

7thシングル ヒカリヘ
 歌唱:MaiR
 作詞:MaiR
 作曲:FKBC
 編曲:FKBC
 リリース日:2022年11月23日
 収録アルバム:未完星(Tr.07)

 MV映像:春原つくし
 イラスト:壱十九

(2) 補足情報(リリース記念歌枠より)

 ヒカリヘのリリースの翌日にリリース記念歌枠があり、
そこで公開された情報について一部記載しておきます。
 自分の解釈に関わる部分もあるため、ここで記載しました。
 細かいニュアンスは伝えきれないため、ぜひ本編も見てほしいです。
(特に曲制作のテーマの部分 1:04:13~)

★曲について
・曲制作のテーマは「暗がりから光へ※」
 (※自分の夢や幸せを解明していくというイメージ)
・曲名「ヒカリヘ」は全てカタカナ表記

★曲制作について
・作詞の際に表記(カタカナ・漢字)の使い分けは意図している。
 (※日常の喋りでは意図は無く雰囲気で選ぶこともある)
・作曲が完成してから作詞を実施
・2番から作詞が完成、Dメロもスムーズに完成
・制作時に「NEW ME / LiSA」と「プライド革命 / CHiCO with HoneyWorks」をよく聴いていた
・作詞の際は「曲を聴く前と聴いた後で、曲を聴いた人の世界を変えなくちゃいけない」と意識している
・仮歌詞から変更点(下表参照)

ヒカリヘ 歌詞の変更箇所

★レコーディングについて
・ボーカルエディットはFKBC
・レコーディング中に、歌詞変更やコーラス追加も実施
 (1番Bメロのコーラス追加もレコーディング中に実施)

★その他
「曲は聴いた人の数だけ解釈があるし、曲は聴いた人のものだから、自分の状況に合わせて好きに捉えてください。」
「みんな一人一人が人生のプレイヤー。だから頑張っていることがある人や一生懸命毎日生きている人に聴いてほしい曲


 ここから、ヒカリヘという曲に対して感じていることを下記の5項目に分類して書いていきます。

【目次】
 1. 曲テーマについて
 2. 歌い方について
 3. 歌詞について
 4. MV映像について
 5. ライブでの感想

1. 曲テーマについて

 まずはヒカリヘという曲テーマについて書いていきます。
 めあちゃん本人が言っていたこと等を踏まえて、自分の解釈を言語化してみます。

1.1 曲テーマ

 まず、ヒカリヘリリース記念配信で語られていた曲テーマは下記です。
 「暗がりから光へ」
 「自分の夢や幸せを解明していく」
 
ここでの「暗がり」とは、物理的に光量が少ない状態でも、落ち込んでいる状態ではないそうです。

1.2 自分なりの解釈

 「光」についてはスーパースターでしょう。
 明るく眩しく光を放つ存在。周囲を明るく照らす存在。
 めあちゃんの掲げている夢。

 一方で「暗がり」ですが、光を届けられない自分と捉えています。
 放つ光が弱く周囲を照らす力が少ない状態、曲中での「スタートラインの上で立ち止まったまま」の状態の自分ですね。

 「ヒカリヘ」は、未熟な自分がスーパースターという夢に向かっていくという過程に加えて、未来ではスーパースターになっているという宣言と解釈しました。

 この解釈単品だと飛躍した印象を与えてしまうと思うので、
歌詞や歌い方、映像などの面から以降で補足させてください。

2. 歌詞による解釈

 まずは曲テーマについて、下記3か所の歌詞から掘り下げていきます。
 ① 僕らは出会うだろう(Dメロ)
 ② 「一緒に来てくれないか」(ラスサビ直前)
 ③ 描く理想は●●●だろ(2サビ・ラスサビ)

2.1 僕らは出会うだろう(Dメロ)

 2サビの直後、Dメロの締めですね。分解すると下記のように考えられます。
  僕ら :僕(歌唱時点のMaiR)ともう一人
  出会う:「僕ら」のうちの一方が他方のいる場所に追いつく・辿り着く
  だろう:時間軸としては未来
 この歌詞は仮歌では「僕らは歌うだろう」だった※こと、歌う存在=MaiRであることから、僕らは時間軸の異なるMaiRを指していると考えました。
 そして時間軸が未来であることから、現時点のMaiRが未来時点のMaiRの場所に辿り着くことの予期と解釈しました。

2.2「一緒に来てくれないか」(ラスサビ直前)

 この歌詞の部分だけ「鍵括弧」で囲われているんですよね。
 鍵括弧の意味としては、①対話・②引用・③題目・④強調などが考えられますが、語尾の口調から①対話と考えました。
 対話ということは誰かしらの言葉という事です。 ここは音源での歌唱なのと前段との整合を踏まえて、未来時点のMaiRからのセリフと捉えています。
(一方でライブでの歌唱なら意味合いも変わってきそうですね。)
 未来時点の自分から「一緒に来てくれないか」ということは、①と同様に未来時点のMaiRに辿り着くことの予期と捉えられます。

2.3 描く理想は●●●だろ(2サビ・ラスサビ)

 2サビとラスサビで歌詞が変化している箇所ですね。
  2サビ :描く理想はずっと向こうだろ
  ラスサビ:描く理想はもうそこだろ
 描く理想が近づいているという時間経過を感じますね。
 2サビでは、現時点では理想の自分にはまだ距離があると思うので現時点のMaiRを表現、
 ラスサビ後半では「最後1ページ」という歌詞から理想に届いたスーパースターの未来のMaiRを表現していると思います。

2.4 まとめ

 以上の①~③をまとめると、1.1 曲テーマで記載したとおり下記のようになります。

 ”未来のスーパースターになる自分に辿り着くという宣言”

 

3. インタビュー記事等からの解釈

3.1 インタビュー記事の紹介

 続いて、インタビュー記事から曲テーマの「暗がり」について補間したいと思います。
 下記は2023年4月のインタビュー記事です。普段の活動だけでは知ることのできない背景を伝えてくれるのいいですよね。ぜひご自由に絶対読んでください。

 

3.2 記事を踏まえた解釈

 まず、「暗がり」とは「①人目につかない所・②暗い所」の意味を持っています。
 今回解釈に用いる箇所は、インタビュー記事の中の「スカウトから始まる売れないバンドマン生活」の部分です。

・当時のライブハウスの状況から、①人目につかない所という意味での暗がり。
・光を発する力(=歌を届ける力・心を動かす力)が小さかったことから、②暗い所という意味での暗がり。

 この2つの側面から、当時のライブハウスで歌っていた頃のめあちゃんが「暗がり」に該当するのかなと思っています。

 ただし「暗がり」は必ずしも悪い表現ではありません。
 
 当時の活動があるから今の活動があるし、当時の活動が今のMaiRを構成してる一部であり、当時の夢が今もずっと続いています。
 「応援してくれてありがとう」という言葉に温かさを感じるのは、「君の明日になりたい」という言葉に熱意を感じるのは、「絶対にスーパースターになる」という夢に重みを感じるのは、当時の活動があるからだと感じています。
 それは歌詞でも表現されています。

  ヒカリヘ     :「一緒に来てくれないか」
  約束       :もう キミを置いていったりしないから
  Step up Super Star!! :しくじった朝も まちがえて泣いた夜も
            全部きみだけのものだ☆愛していこうよ!

 曲テーマ「暗がりから光へ」、これはある時を境に急激に変化するのではなく、徐々に変化していくものだと思っています。光を発している存在の内側にはもともと暗がりだった存在が隠れていると思います。
 ヒカリヘの歌詞での「ページをめくる」ようなイメージですし、MaiRの活動スタイルともマッチすると思います。

 以上を踏まえて下記の投稿を見ると重みを感じますし、ヒカリヘという曲がより深く刺さってくると思います。

4. 歌い方について

 個人的に好きな歌声の部分と曲の解釈に関わってくる部分を挙げます。

4.1 歌声

 冒頭の自然体な歌声と、
 Bメロの低くも力強い歌声と、
 サビのどこまでも真っ直ぐな歌声と、
いろんなMaiRの歌声が響いてきて本当に好きです。

 サビでの「●になって」の「歌・風・星」の二文字目のアクセントの弾けるような歌い方がカッコよくて好きです。
 ライブでは特に顕著になりますが、ラスサビの一瞬溜まる瞬間とその瞬間のブレスも最高です。

4.2 歌い方による曲解釈

 曲の解釈に関わってくる部分としては、「部屋描写」の部分を挙げます。具体には、下記の2箇所です。

 1番Bメロ :日が昇る頃 静かな部屋で 何のために生きている今日だ?
 ラスサビ前:日が昇る頃 静かな部屋で 新しい始まりの合図

★歌い方の違い
 1番Bメロで荒々しい歌い方の一方で、ラスサビ前ではどこか穏やかな印象を受けます。
 「何のために生きている今日だ?」の部分が顕著です

★コーラスの違い
 1番Bメロはコーラス有ですが、ラスサビ前はコーラス無です。
 (ヘッドホンで聴くと分かりやすいです)

 同じ歌詞で歌い方やコーラス変化を加えることで、歌詞だけでなく歌唱でも時間経過を表現できると感じました。

5. MV映像・イラストについて

 次にMV映像について書いていきます。
 映像は春原つくしちゃん、イラストは壱十九さんです。

5.1 映像について

 躍動感に満ちたイラスト、奥行を感じて動きが楽しいカメラと文字演出、星空のように眩しい背景と何度見ても飽きない最高の映像です。
 歌詞が全部光っているのが「ヒカリヘ」のコンセプトと合ってて素敵です。

  ラスサビ直前(3:04~)の、暗転(黒背景)→「今」の演出
  ラスサビ途中(3:26~)の、明転(白背景)→「今」の演出

 似てる演出を使いつつ、背景色を変えたり最後の盛り上がりを魅せてくれるのが好きです。
 音が一瞬止まるのに合わせて、ラスサビ途中の「今」の演出に一瞬タメが入ってくるのが、音と連動していて"Music Video"の良さが出てて最高です。

 曲解釈に関わる箇所として、二種類の「球体」があります。部屋描写の際のオレンジ色の球体とサビでの白く光る球体です。
 ヒカリヘの曲テーマ「暗がりから光へ」と対応していると思います。
  暗がり:オレンジの球体(比較的暗め)
  光  :青白い球体  (比較的明るめ)
 このオレンジ色の球体が、いつか青白く眩しく光を放っていく。歌だけでなく、映像でも感じ取れるメッセージが素敵です。

 そしてこのオレンジ色の球体、「未完星」と雰囲気が似てませんか…?
 「暗がり」の持っている意味と「未完成」の持っている意味ってどこか通じるものがあると思います。「暗がり」も「未完成」もマイナスな意味だけでなく、どちらも大切なものです。
 未完星から次はどんな光射す未来にいくのか、その過程も含めて楽しみにしています。

 しかも部屋描写の際に下記のように変化しているのが、同じ「暗がり」の中でも時間経過を感じられるのが細かくて好きです。
 1番Bメロ  :イラストなし
 ラスサビ前 :イラストあり(暗め)
 ラスサビ直前:イラストあり(明るめ)

 あとは、つくしちゃんの作るMVで文字演出が多くて楽しいんですけど、文字で顔を隠さないんですよね。例えば下記(1サビ)など顔を避けて文字配置しています。(他に「白銀」カバーなど分かりやすいですね。)
 歌ってるめあちゃんを大事にしている姿勢が感じられて大好きです。

5.2 イラストについて

 イラストについても記載しておきます。
 星空のような青色と桃色インナーの髪が物凄く好みです。MV公開時は新衣装(ウルフカット)より先行していたため、今思えば新衣装の匂わせだったのかもしれません。
 しかも凄いことに、髪型や姿勢が3パターンもあります。個人的にラスサビで使用されている、髪が後ろになびいているイラストが「歌・風・星」の全ての要素を持っていて大好きです。

 あとはASTRO ROCKカフェでの写真も載せておこうと思います。
 満点の星空の下、水面に立っていたんですよね。素敵でした。

6. ライブでの感想

 ヒカリヘという曲について書いてきましたが、ライブでの思い出も書き残しておこうと思います。
 過去のライブでの歌唱履歴は下表のとおりです。このうち、個人的に印象的なライブを3つ挙げて書いていきます。

ヒカリヘ 歌唱履歴

5.1 Shout My Live Ⅲ

 2022年11月17日、ヒカリヘの初披露ライブです。
 MaiRらしさの詰まった真っ直ぐで力強くて熱い歌声が響いてきただけでなく、MCでの言葉が温かくて刺さりました。
 初めて聴く歌詞のはずなのに、スッと心に入りこんできましたのを今でも覚えています。

 MCの書き起こしとSML3のエンドカードを書き残しておきます。
 MCの言葉だけじゃなく声に乗っている感情も含めて、ヒカリヘという曲をさらに特別なものにしてくれて、本当に素敵なライブでした。
 「暗がり」も大切にして一緒にヒカリヘ向かっていく、その過程を一緒に過ごせたらいいなと思います。

歌唱前
「私はこのヒカリヘも色んな景色を一緒にこれから作ってくれる、私達にとって大切な曲になると思っています。なるといいなって思いながら作詞をしました。」
「みんなひとりひとり、みんなと出会わなかったら、私はこの歌詞絶対に書けなかったです。」

歌唱中
「みんな一人一人が一日一日を大切に一生懸命生きてきたから、私達は今出会うことができています。これからもヒカリヘ、あのヒカリヘ、一緒に行こうね!」

歌唱後
「生きるって、すごく大変で、すごく楽しくて、すごく辛くて、すごく幸せなことだと思っています。みんなが毎日を一生懸命生きてきてくれたから、私たちは今こうして出会えたし、一緒にこうして音楽を楽しむことができています。」

Shout My Live Ⅲより

5.2 Appearance東京

 2022年12月25日、現地(esports 銀座 studio)とオンラインの同時開催ライブであり、ヒカリヘの2回目の歌唱でした。
 この日は「ヒカリヘ」の後に「聲」を歌っていました。
 聲の「僕たちの音楽《ちかい》は未来過去背負い燈った光の粒」という歌詞が「ヒカリヘ」の曲テーマと合致しすぎて、ボロ泣きしたことを今でも覚えています。本当に最高でした。

 個人的に「ライブでの音」に対する考え方が大きく変化したライブでした。生バンド最高でした!(エビスでKP!!も最高でした!)

5.3 ASTRO ROCK

 最後は2023年5月27日、MaiR 3rdワンマンライブ"ASTRO ROCK"です。
 ヒカリヘは1曲目の歌唱でした。

 ヒカリヘを1曲目に持ってきたこと、具体には冒頭「スタートラインの上で 立ち止まったままで 忘れかけていた話をしよう」を暗転した状態で歌うことに意味を感じました。

 ラスサビの入りと途中の音が止まる瞬間が本当に最高でした!
 リアルライブ×生バンド=最高!!
 最高のライブだったなぁ。

7. 最後に

 今回、ヒカリヘという曲について、自分の中の考えを言語化して見える所に残しておこうという気持ちで書き残させていただきました。あとは埋もれそうな情報を書き留めておきたかった気持ちもあります。
 自分のためのこのNoteが誰かの役に立っていたら幸いです。

 一応念のため、冒頭にも書きましたが曲の解釈は聴く人/場所/時間の数だけありますし、他の解釈を否定するものではありません。むしろ曲の解釈に誤りはないと思ってます。
 
 実は1年前に書こうと思って挫折した初めてのNoteですが、探り探り書いているうちに長文になってしまいました。
 読んでくださった方、ありがとうございます。
 最後にMVリンクを載せて終わろうと思います。

 ヒカリヘ お誕生日おめでとう!