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Spotify×Frasco×「シンバム」=?

本記事はSpotify Japan社内でもシェアされているようです。ありがとうございます!

5/11 記事公開
5/17 「① プレイリスト機能へのアプローチ」追記
5/17 「⑤【番外編】 巻き返すチャンスあり!」追記

こんにちは。僕は年間3000曲以上の”自分にとって新鮮な曲”を楽しむ日々を送っています。いわゆるディグが大好きです。

2016年にSpotifyが日本に上陸し、そのタイミングで使い始めてから、好きな音楽の幅が一気に広がっています。ディグできる曲数も劇的に増えました。
意識せずとも、最低で週に60曲は「自分の好みに合った音楽」を自動的にSpotifyが教えてくれるようになったからです。

それまでは自分でiTunes Storeを開いて片っ端から聴いたり、YouTubeでキーワードを入力したりと、何かしら労力がかかるのは当たり前でした。好みでない確率も高かったですし・・
それが今はSpotifyのおかげで、労力をかけずに聴ける「不労ディグ」が60曲は担保されているのです。

さて、ここからが本題です。

今までは誰にも聴かれなかったアーティストの曲でも、リスナーに届きやすい時代。ということは・・アーティストにとって、リスナーに聴かれるチャンスが格段に増えたということになります。

無名からのスタートでも、やり方次第で多くのリスナーに届く。そういった光景を実際に目の当たりにしました。

なぜこの記事を公開したかというと、僕自身が、知らないアーティストの刺激的な音楽に出会いまくりたいからです。
そして、僕みたいな人間は間違いなく結構いる。逆に、「ストリーミング、いまいちわからん!」というアーティストの方。それも結構いるでしょう。

このnoteでは、月間2万人以上のリスナーを獲得しているFrascoというユニットの「シンバム」を取り上げながら、ストリーミング時代のアーティストとリスナーの関係について書いていきます。
ストリーミングサービスを使っていない人にも、【新しい曲が手軽に楽しめるサービス】であることが分かるように書き進めました。

Frascoとは?シンバムとは何ぞや?ということはもちろん後述します。

それでは目次です。

<目次>
●序章
◎リリース形態が多様化

・ストリーミングサービス全盛の時代へ
◎Frascoが現在進行形でアルバムをリリース中
・Frascoってどんなアーティスト?
・シングル+アルバム=シンバム
・なぜ1曲ずつ配信するの?

●本編
①プレイリスト機能へのアプローチ
・最も集客力のあるプレイリストは?
・各メディア媒体の対応は?
・各リスナーへのレコメンド機能
・プレイリストは誰が作成する?
・お金を払わないとプレイリストに入れない場合でも・・
・ストリーミングだから成り立つ「シンバム」
②チャートインも狙える
・曲をどのようにリスナーへ届ければ良いか?
・アルバムチャートは?
・宣伝しないところでファンが増える
③音楽性・Spotify・SNSの相性
・音楽性×SNS ~印象的な「言葉遊び」とSNSの拡散~
・音楽性×Spotify ~エレクトロミュージックとSpotify~
・Spotify×SNS ~バイラルチャート~
④話題になるのはリスナーの間だけではない
・ヒットした後、どうなる?
・メインアーティスト以外にも・・
・再生回数を稼いでもお金は入ってこない?
⑤【番外編】再生回数が少ないまま・・
なんとなくSpotifyで聴けるようにしておくと・・?
・巻き返すチャンスあり!
⑥終わりに

●序章

◎リリース形態が多様化

・ストリーミングサービス全盛の時代へ

「好きなアーティストがアルバムをリリースする!」そのニュースだけで、僕たちリスナーは心躍る日々を過ごすことができます。
昨今ではアーティストの選択肢が増え、アルバム以外にも多様で面白い世界を見せてくれていますね。
レコードやカセットだったり、グッズにダウンロードコードを付けてみたり・・しかし、これらは【アーティスト】と【1人ずつの根強いファン】という、熱狂的なファンが付いてこそ成り立つ印象を強く受けます。
大きな市場で考えたときにはどうでしょうか。「もはや、アルバム形態で音源をリリースするメリットは無い」という少々過激な声まで聞こえてくるようになりました。理由はただ1つ。世界的にストリーミングサービスが主流になっているからです。

Spotifyがニューヨーク証券に上場した初日に、時価総額2.9兆円となったニュースも記憶に新しいですね。

◎Frascoが現在進行形でアルバムをリリース中

・Frascoってどんなアーティスト?

トラックメイカーの【タカノシンヤ】さんと、ボーカルの【峰らる】さんの2人によるエレクトロユニットです。日本で活動しています。現実と非現実の間を行き来する、不思議な音楽性が魅力です。

ボーカルはどこか客観的で、トラックと絶妙な距離感を保ち続けています。さらに、歌われる言葉には遊び心が満載。言葉が伸縮している中に放り込まれたような感覚になります。その中で曲が展開していく体験は、他ではなかなか味わえません。
そしてメロディーは口ずさめるほどポップ。流して聴いても心地よいですし、耳を傾けても聞き応えがあります。

・シングル+アルバム=シンバム

Frascoは【アルバム10曲を1つの作品として、まとめてリリースする】という概念を覆して、現在進行形でアルバムをリリース中です。
SpotifyやApple Musicなどの各ストリーミングサービスで、2週間おきに1曲ずつ新曲を配信しているんです。
結果として、月に2万人以上のリスナーを獲得することに成功しています。曲のトータル再生回数ではありません。2万人のリスナー数です。

「シンバム」のコンセプトは公式webより以下の通り。

それぞれの曲は「眠りや夢、現実と非現実のミックス」をコンセプトに一貫したテーマで作られており、全てが揃った時に、シングルで作るアルバム仕様のプレイリスト=“シンバム”として完成します。

僕としては、まずは惜しみない拍手を無心で送りたいところです。もちろん、誰よりも先手を打って、大胆な「シンバム」というテーマを打ち出したことに!もう、他の音楽家は同じことできません。

配信期間は1曲目~10曲目まで約4か月半かかる予定です。後述しますが、期間がかかっていることこそメリットです。5/11現在、7曲目の「Imitation crab」まで配信中。

スケジュール通りに進んでいるのが凄すぎますね。きっと血のにじむような努力をされているはず・・

・なぜ1曲ずつ配信するの?

「シンバム」はストリーミングサービスのメリットを生かしたリリース形態です。国内では初の試みでしょう。

僕はSpotifyを使い始めて1年半経ちますが、冒頭で書いたように、音楽の新陳代謝が格段に上がりました。意図せずとも膨大な情報量に触れられるサービスです。

リスナーが頑張らなくても未知の音楽を聴ける理由にも触れつつ、2週間ごとに1曲ずつ配信する「シンバム」の面白さやメリットを思いつく限り挙げていきます。

●本編

① プレイリスト機能へのアプローチ

・最も集客力のあるプレイリストは?

各ストリーミングサービスは「プレイリスト」を豊富に取り揃え、それぞれの色を出しています。様々なアーティストから曲をピックアップし、独自のコンピレーションアルバムを作り上げるような機能がプレイリストです。

無数にあるプレイリストの中で、最も注目されるのは公式アカウントのプレイリスト。Spotifyなら、Spotify自体が運営しているプレイリストのことです。

新しい音楽を聴きたいリスナーにとって、様々なアーティストの新曲だけで固められたプレイリストはとても重宝します。
Spotifyでは「新曲だけのプレイリスト」が毎週決まった曜日に更新され、トップ画面に表示されるようになっています。
邦楽中心なら水曜日、洋楽中心なら金曜日といった具合です。

例えば邦楽中心に選曲される【New Music Wednesday】は5/11現在で約27,500人がフォローしています。今週選曲されている新人はラッキーですね。Mステに出たばかりのCHAIが入ってます。
このように「公式プレイリストはチェックしておこう」という人は多数存在します。

これは、一定のクオリティが担保された新しい音楽との出会いが期待できるからです。公式アカウントが、何の刺激もない曲ばかり取り上げていたら解約しちゃいますもんね・・

リスナーはアーティスト単位で音楽を聴くスタイルから、プレイリストで音楽を聴くスタイルに移行しつつあります。知らない音楽が発見できることはCMでもウリにしていますね。
新曲だけでなく、ムードに合わせたプレイリストも多数配信されているのも広く知られているところでしょう。リラックスしたい、元気に動きたい、作業に没頭したい・・といった具体に、何でも揃っています。

その中で、公式アカウントから配信されるプレイリストが担う役割は、知らない音楽へアクセスできる一番大きな入り口であることに間違いありません。そもそも、名前も知らないバンドを検索しようが無いですから。

つまり、ストリーミングサービスの土俵に上がったアーティストにとって、人気のあるプレイリストに入ることが最初の重要な目標となってくるのです。

【5/17追記】

Frascoが5/16に配信した「Dream」がSpotify Japanの公式プレイリスト「Tokyo Rising」に選曲されました。同プレイリストのフォロワーはなんと13万人超。
しかも52曲ズラリと並ぶ中で、上から2曲目。シンバム構想が実を結びつつあります。

・各メディア媒体の対応は?

Webメディア等もプレイリストを運営していて、定期的に更新されているものばかりです。ここにもFrascoの新曲は取り上げられる可能性が高くなりますね。

例えば・・音楽メディア【Spincoaster】がSpotifyとコラボレーションしているプレイリスト「Monday Spin」はフォロワーが約4500人。自力で4500人に届けるのは難しいアーティストも、こういったプレイリストに入ることでリスナーへ届きやすくなります。

・各リスナーへのレコメンド機能

Spotifyでは、リスナーの好みに合わせて「新曲だけで作った、その人専用レコメンドのプレイリスト」を毎週配信しています。
知らない音楽をより積極的に聴きたい人は、非常に重宝している機能ではないでしょうか。

特筆したいのは、以下の2つのプレイリストです。

Release Radar
 リスナーのお気に入りアーティストの新曲を中心に構成。
Discover Weekly
 リスナーにとって未知のアーティストを中心に構成。

繰り返しになりますが、いずれも「その人専用」で届きます。毎週配信されるごとに、かなりワクワクしてプレイリストを開くことができるのです。

それぞれ毎週30曲配信され、知らない音楽を週に60曲もオススメしてくれることになります。

これが、冒頭で書いた労せずして新しい曲に出会える「不労ディグで60曲」の根拠です。

また、Spotifyで音楽を聴けば聴くほど、レコメンドの精度が上がっていく仕組みになっています。
例えば、単純に好きなアーティストの曲を聴く。Discover Weeklyに搭載されている【Good/Badボタン】をこまめに押す。更に自分でディグする・・など繰り返すことで、翌週にもっと良いプレイリストが配信されます。

アーティストとしては新曲の配信を重ねることで、これらの自動配信系プレイリストにも組み込まれる可能性が高くなります。しかも、リスナーの期待度がとりわけ高い状態で楽曲を聴くことになるのがポイントです。

・プレイリストは限られた人が作れる?

アカウントさえ持っていれば誰でも作成可能です。リスナーもアーティストも、好きな曲を集めて自分だけのプレイリストを組むことができます。また、それを公開すれば誰でもアクセスできる状態になります。
すぐに考えられるメリットとしては、リスナーの立場で「好きなアーティストが、どんな曲を好んでいるのか知れること」「リリースの多いアーティストでも、代表曲をまとめたプレイリストを聴けること」です。

Frascoはこの機能に上手く着目したなと思いました。

発表時点では1曲ずつのシングルを、プレイリストにアルバムの曲順通り並べていく。それをFrascoのアーティストページで公表していれば・・作りかけのアルバムが常時聴ける状態になるわけです。

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しかも、仮に10曲のうち1曲しか完成していなくても、SNSでの発信との併せ技で「アルバムをリリースする」ということを周知させながら曲を次々に発表できます。

「完成途中のアルバムが聴ける」「アルバムが出来ていく時間をアーティストと共に過ごせる」というのも、リスナーにとっては新しい体験ですね。

・お金を払わないとプレイリストに入れない場合でも・・

アーティストやレーベルが、Spotifyなどにお金を払ってプレイリストに取り上げてもらう場合もあるようです。広告代みたいなものでしょう。ですが、リリースが無いとその土俵にすら上がれません。
Frascoは新曲を4か月半もの間リリースしています。最低でもその期間は、新しい音楽を聴きたいリスナーに対してアプローチし続けることができます。これが「期間がかかることこそメリット」と書いた理由です。

・ストリーミングだから成り立つ「シンバム」

「シンバム」はCDではもちろん成り立ちません。

そして、データのダウンロード形態でもダメです。
単曲購入だと割高になり、アルバム単位で買うと割安になることが多いからです。というか約1分の試聴で、改めて課金してダウンロードするのはそもそもハードルが高いですね。

月額固定の聴き放題だからこそ可能になった形態です。

何よりもアイデア自体がめちゃくちゃ面白い。こういうリリースをしてくるアーティストが出てくるなんて、本当に時代は変わりました。

②チャートインも狙える

・曲をどのようにリスナーへ届ければ良いか?

「1曲」をいかに聴いてもらうかの勝負と言えます。

リリースしたのがシングルでもアルバムでも、リスナーの入り口の役割を果たしているプレイリストに取り上げられるのは1曲だけです。

ここで、もう一度Frascoのリリース予定を振り返ってみましょう。

時間差でシングルを配信する場合と、アルバムの完成を待ってから配信する場合を比べてみました。ここまで書いた内容のおさらいも兼ねています。

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【時間差で1曲ずつ配信した場合】
○10曲が次々と様々なプレイリストに入る可能性がある
○リスナーにアプローチできる期間が長くなる

【いきなりアルバムで配信した場合】
×10曲作ったのに、1曲しかプレイリストに入らない
×6月13日まで音沙汰のないアーティストになってしまう

更に「チャート」が絡んできます。

再生回数だけでは大物アーティストに及ばないかもしれません。しかしSpotifyでは、SNSでシェアされた回数も反映する「バイラルチャート」が存在します。リスナーの生の声がランキングに反映されるのです。

3月14日には、日本のバイラルチャート8位に「Position」がランクインしていました。チャートの前後には大物がズラリ。

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10位のAmPmはFrascoとレーベルメイトです。彼らの『Best Part Of us』がなんと1000万回以上再生されて話題になっています。シンガーのMichael Kanekoも『Lost In This City』が140万以上の再生を記録しています。

・アルバムチャートは?

オリコンでは一種の指標であるアルバムチャートが、Spotifyでは存在しません。
むしろ一度にリリースされる曲数が多いほど再生回数が分散されます。頑張ってアルバムを作っても、チャートに入ることが難しくなってしまう構造なのです。
もちろん一定数以上のファンがいればアルバムを「通し」で聴かれる機会も増えます。しかし、これから名前を売っていきたいアーティストにとって、いきなりアルバム形態で配信するメリットは少ないと言えるでしょう。

CDを売るのとは全く別の考え方が必要になることが良く分かります。

・宣伝していないところでもファンが増える

リスナーとアーティストの双方に重要な役割を担ってくること・・それは、プレイリストに取り上げられたり、チャートインを繰り返すことです。
アーティスト側の視点で、踏み込んだ言い方をすると・・

リスナーが意図しなくても、自分の曲をいかに聴いてもらうようにするか?

といったところでしょうか。これこそ、世界規模で展開されているSpotifyで再生回数を伸ばす最大のキーポイントです。
元々Frascoを知らなかったリスナーにも【そのとき最も新しい曲】が、プレイリストやチャートを通じて届けば、結果的には名前を知ることになりますね。

現に僕自身が、Spotifyのプレイリストを通じてFrascoを知ることができました。出会いはRelease Radarだったと記憶しています。

お分かりと思いますが、自動配信のプレイリストはSpotifyのスタッフが手作業で選んでいるのではありません。データに基づきコンピュータが選曲しています。
音楽性のほかに、【再生回数】や【チャート入り】という、確固たるデータがSpotifyに反映されて、結果としてコンピュータが自信を持って僕にFrascoをオススメしてくれたのです。
Spotifyが自動配信するプレイリストは他にも【My Daily Mix】や【Radio】などがあります。もちろん、データを駆使して選曲されています。

ストリーミングに特化された、リスナーに届く確率を上げるための戦略が必要な時代です。

曲が良ければファンはどんどん増えていくでしょう。そして「シンバム」はファンが増えている状態で配信を重ねています。本当によく考えられたリリース形態です。

③音楽性・Spotify・SNSの相性

・音楽性×SNS ~印象的な「言葉遊び」とSNSの拡散~

Frascoの音楽は聴いていてフワッとした気持ちになる、心地よい曲が多いです。トラックとは対照的に、歌詞はフックの効いたフレーズが多く、これもSNSで拡散される要因になっていそうです。

例えば・・
『Love Song』でリフレインされる”仮想通貨で愛を支払うわ”。
『Imitation Crab』という曲名からの”カニカマを”という歌い出し。

他にも沢山ありますが、インタビューでも日本語の可能性を追い求めている旨の発言をしています。この歌詞があるからこそ、流して聴いて終わりにならない楽曲になっていると僕は思います。

・音楽性×Spotify ~エレクトロミュージックとSpotify~

Spotifyを使っていると、エレクトロミュージックの勢いが強いことを感じます。かなり大きな括りですが、Calvin Harrisや先日亡くなったAvicii、最近ではPost Malone・・と言った具合に、個人のアーティストがムーブメントを巻き起こしている時代です。バンドでも電子音を取り入れるのが当たり前になりました。

R&Bやジャズ、ヒップホップ・・何でも融合しやすく、トラックメーカーとラッパー、シンガーなどのコラボレーションも頻繁に起こっています。更にはヒット曲のリミックスも多く配信されています。
こうなってくるとエレクトロミュージックを通じて、リスナーが良いと思う確率も必然的に上がってきます。

そうなるとプレイリストにもエレクトロミュージックが多く入ってきます。Frascoは、今の時代でプレイリストに入りやすい音楽性でもあると言えるでしょう。
余談ですが・・こういう流れで、肉体だけで演奏されたバンドミュージックが強烈な輝きを放つ瞬間ももちろんあります。ロックが持つ可能性には、いつの時代もロマンを感じています。

・Spotify×SNS ~バイラルチャート~

先述した通り、SNSでのシェア回数を取り入れたバイラルチャートが存在します。しっかり戦略を考えてリスナーをアッと言わせることに成功すればチャートインできることは、Frascoが証明してくれました。
このように、誰でもチャンスを狙えることも、新進気鋭なアーティストたちの制作意欲を刺激していると考えられます。

④ 話題になるのはリスナーの間だけではない

・ヒットした後、どうなる?

世界中には無数のクリエイターが存在します。それぞれトラックメイカー、シンガー、ラッパー、ギタリスト・・言わずもがな、こういったアーティストたちもまた、リスナーとしての一面を持っています。
再生回数が伸びて話題になれば、次のようなことが連鎖反応で起こっていきます。

・トラックメイカーやバンドからリミックスの依頼が来る
・トラックメイカーからボーカルやギター演奏の依頼が来る
・シンガーやラッパーからトラックや楽曲制作の依頼が来る
・楽曲プロデュースや共作の依頼が来る
・国内外からライブやイベント出演の依頼が来る
・メディアから取材申し込みがある

まだまだあると思いますが書ききれません。まさに音楽が音楽を呼ぶ状態ですね。

・メインアーティスト以外にも・・還元される!

Spotifyはメインアーティストの他に、参加しているアーティスト(リミキサーやフィーチャリングシンガーなど)は全員、曲単位でタグ付けされます。タグ付けされているトラックメイカーをクリックすれば、すぐにリリース状況や関連アーティストをチェックできる仕組みになっています。

「痒い所に手が届く」とは、まさにこのことです。タグ付けから派生してアーティストをチェックしやすいだけではありません。

今年から、再生回数はリミキサーにも還元されるようになりました。
リスナーにもアーティストにも利をもたらしていますね。才能を埋もれさせないSpotifyのプラットフォームは、本当に素晴らしいです。

・再生回数稼いでもお金は入ってこない?

Spotifyの再生単価は、1曲0.5円がアーティストに還元されると言われています。
「なんだ、1万回再生しても5000円じゃないか。10人にCD売ったほうが儲かるよ」
という考えも、それはそれでアリだと思います。
現に、戦略的にストリーミングサービスへ参入していないアーティストは一定数存在します。
ある程度のCD売り上げが見込めていたり、ライブやグッズ、イベント出演等のギャラで成り立っているからです。

勘のいい方はお気づきでしょうが、【CDが10枚しか売れないアーティスト】の場合は話が違ってきます。1万人に響くレベルの音楽を作っていたとしても、CDを買ってくれた人以外が曲を聴けない状態になってしまいます。なにせファンが10人しかいません。拡散が非常に難しいのです。
運良く拡散しても、CDを買わないと曲が聴けない状況は機会損失とも言えるでしょう。Spotifyでなくとも、soundcloudやYouTubeで5曲以上は聴ければ、リスナーが取っつきやすくなります。

それでも目先のお金を我慢して、ストリーミングで成功できれば・・
「そこにもいたのか!」というような、同じ志を持つアーティストからのトラック制作依頼や、「この音楽はお客さんに体感してほしい!」というイベンターからの出演依頼が増えてくるでしょう。
こういった地道な繰り返しで多様な方面の人たちとの繋がりが増え、生活に占める音楽の割合が徐々に増えていくはずです。

現に、Frascoのタカノさんの状況はこんな感じのようです。

とてもワクワクさせられる話ではないですか!

確かに、よほど有名にならないと、Spotifyの再生回数だけで生活することは難しいです。しかし、目先のお金以上の価値を、まだ見知らぬ人たちに広く与えられる可能性を僕は強く感じます。

⑤【番外編】再生回数が少ないまま・・

・なんとなくSpotifyで聴けるようにしておくと・・?

ここまで、良いことずくめのSpotifyのように思いますが・・
「とりあえず」でSpotifyの土俵に上がるのは危険な面もある、ということをお伝えしておきます。
Spotifyでうまく再生されずに時間だけが経過すると、アーティストページが悲惨な状況になってしまうのです。

偶然ページを開いたリスナーが目にするのは、こんな情報だからです。

・今月のリスナー数が1桁台
・「人気曲」の再生回数が全曲 < 1000 (1000回未満)
「最新のリリース」は無し
(半年以上リリースがないと、何も表示されない)

「あっ、誰にも注目されてないアーティストか・・」と思わせるに充分な情報です。よほどの物好きでないと、曲を再生すらしてもらえないでしょう。取っ掛かりになる代表曲すら分からないのですから・・
この悲惨な情報の数々は、次のリリースがあるまで表示され続けてしまうことになります。ある程度再生される見込みを立ててから配信することを強くオススメします。

・巻き返すチャンスあり!

とは言え、レーベルへ意思が反映されにくい場合や、色々な事情で戦略を練る前にストリーミングへ展開している方もいらっしゃるかと思います。
Spotifyに上がってるのはいいけど全然聴かれていない・・リリースの予定もしばらくない!

そんなときは、アルバムから「これぞ!」という曲をシングルカットして配信する手があります。
聴かれるための工夫がないと二の舞になってしまいますが・・
2017年10月に、The 1975が『Milk』をシングル配信しました。元々は2013年にリリースされたepに収録されている曲です。
リテイクもしておらず、ストリーミングサービス上でアクティブな状態に見せる狙いがあったのかもしれません。

⑥ 終わりに

この記事を公開した理由は冒頭に書いた通り。僕自身が、まだ知らないアーティストの刺激的な音楽に出会いまくりたいからです。Frascoの「シンバム」の試みは、僕を含めた2万人のリスナーに新鮮な体験をさせてくれています。

そして、1秒前まで知らなかった音楽が誰でも聴ける時代はもうやって来ています。自らの時間を割いてディグる人は、どんどん減ってくるはずです。ほとんどの人はプレイリストを流しっぱなしにして、何かをしながら聴いているでしょう。

「気づいたら流れてるけど、この音楽めっちゃ好き!・・これ、誰だろう?」

こんな風に、誰が演奏してるか分からない状態で、まず曲が先に耳に入ってきます。誰が作ったか分かるのはその後の話!プレイリストはDJとも言えますね。信頼できるDJが曲をかければ、リスナーの耳には平等に届きます。有名無名は関係ありません。

まだ見知らぬアーティストの音楽が、僕を含めた数多くのリスナーに届くことを強く願っております。

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keiichi

日本語の探求。カレーをやたら食べる。年間5000曲の音楽を開拓。バナナ。 #日記 #音楽 #エッセイ #小説 #カレー

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