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人生が旅だって、昔の人も言ってた

有り体に言って、エスコートが必要な体なので、
旅行どころか、近所のスーパーもダンナと一緒である。

今日も、休日のまとめ買い。

特に目立つ介助は必要ないので、
ごく普通の夫婦ですが?

旅する日本語、ってっから旅行の話ばっかしてたけど、差添い、って、

どの旅を語ればええんじゃ!

いや、むしろ日常を語るべきじゃね?

目の前を、杖をついた老婦人が通り過ぎる。
82歳の私の母は、大柄な父を介護するうちに腰を痛めた。

「旅行には行けなくなったわねぇ。」

父が死んで三回忌も終えたが、まだ父が死んだ実感がない、と。

人生が旅なら、母はまだ父と同じ舟の上だ。
まだまだ、舟を降りる気はないと。
多分、私もそうだな。
私と夫、どっちが先にあの世に行っちゃうかわからんけど。

「旅」は特別じゃない。非日常じゃない。

時間の流れと空間の移動、生活の中に「旅」はある。
私が乗っている舟には、夫と息子らが同乗しているけれど、
息子らはもうすぐ別の舟に乗るだろうから、
最後まで同じ舟なのは、夫だけ。

まだまだ、この旅を終えるつもりはない。

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