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カイゼン・ジャーニーを読んで

「しがないラジオ」というポッドキャストでこの本を知り、面白そうなので読んでみた。
内容は、よくある開発がうまく回らない現場でアジャイル開発で徐々に改善させていく感じの話。
自分が知らないアジャイル開発の手法や法則が多く出てくるため、ものすごく勉強になった。
その中から今後自分にも使えそうなモノを選んでnoteにアウトプットする。

ふりかえり

これまで行ってきたことから「気づき」を得て、学び、これからどう進んでいくかを決める活動のこと
立ち止まって考えるための機会

目的
プロセスのカイゼン、仕事をよりうまくやれるようになるため
条件や成約がわかりにくい、展開が予想しにくい「不確実性の高い状況」の下でも前進していくため。
得られた手がかりを分析し、次のアクションを考え、不確実な状況を明らかにしていく

内容
Keep、Problem、Tryのフレームワークが有名

Keepでは続けたいこと
Problremでは問題点を挙げる
Tryは次に試したいこと

ふりかえりの頻度
基準はなく、ちょうどいい感覚は自分たちで見つける
スクラムならば1ヶ月かそれより短い期間
チームが立ち上がったばかりなら1週間、チームのリズムが取れてきたら2週間の間隔がよい

朝回

昨日までにやったことを確認して、今日やることの計画を立てる

やるタイミング
仕事をはじめる時間帯の最初

内容
・昨日やったこと
・今日やること
・困っていること

インセプションデッキ

10個の問いに答えることで、プロジェクトのWhyやHowを明確にしていく
プロジェクトが進むべき方向を明らかにして認識させておく
一人では作成せずチームの皆で作る

やるタイミング
スプリントをはじめる前、プロジェクトの初期

内容

<Whyを明らかにする問い>
①われわれはなぜここにいるのか:プロジェクトのミッションはなにか
②エレベーターピッチ:プロダクトのニーズ、顧客、差別化ポイントが何かそれぞれに答える
③パッケージデザイン:ユーザーから見たプロダクトの価値とは何か
④やらないことリスト:スコープ。特にスコープに入らないことは何か
⑤「ご近所さん」を探せ:チームを取り巻くステークスホルダー(利害関係者)は誰か

<Howを明らかにする問い>

⑥技術的な解決策:採用する技術やアーキテクチャは何が考えられるか
⑦夜も眠れない問題:不安やリスクには何があるか
⑧期間を見極める:必要な開発期間はどのくらいか
⑨トレードオフスライダー:ローンチ次期、スコープ、予算、品質はどのような優先順位になるか
⑩何がどれだけ必要か:期間、費用、チーム編成について答えよ

ゴールデンサークル

Start with why (目的から始めよ)を表現した図。
中心にWhy、次のHow、一番外側にWhatの円を置いた図のことをゴールデンサークルという。

たいていは「何を(What)」がわかりやすいので、Whatから考えはじめてしまう。
What => How => Why (何を => どうやって => なぜ)

ゴールデンサークルはこの思考の流れを逆にする。
Why => How => What
「なぜ(Why)」から始めて、それを「どうやって(How)」実現するのか、そのために「何を(What)」やるのか。
WhatとWhyのどちらを起点として考え始めるかで、Howの選択肢が大きく異なる。

コミュニケーションにおいても、起点がWhatよりもWhyから説明されたほうが理解が得られやすい。
なぜならWhyは目的にあたるから。
プロジェクトやプロダクトづくりを始める場合も、Whyから問い直すべき。

なぜ、このプロジェクトを始めるのか?
もしこの問いに答えられる人がいなかったら、まだ始める準備が整っていないと言える。

組織の成功循環モデル

チームワークを高めるために、この組織の成功循環モデルが紹介されていた。

ダニエル・キムが考えたループ図。
行動の質は、思考の質によって決まる。
思考の質に影響を及ぼすのが、関係の質。
関係の質とはチームワークの質のこと、思考の質に影響を及ぼす。

つまり、行動することは大事だが、考えがなくやみくもに動くのではなく、チームワークを高めるために、チームの振る舞いについての共通認識が必要。

<バッドサイクル>
結果の質:成果が上がらない

関係の質:対立が生じ、押し付けや命令が増える

思考の質:面白くなく受け身になる

行動の質:自発的・積極的な行動が起きない

結果の質:さらに結果が上がらない

<グッドサイクル>
結果の質:お互いに尊重し一緒に考える

関係の質:気づきがあり面白い

思考の質:自分で考え、自発的に行動する

行動の質:成果が得られる

結果の質:信頼関係が高まる

ポストモーテム

プロジェクトの終了後、プロジェクトを振り返って行う「事後検証」のこと。
検証結果から得られた学びを他のプロジェクトに活用できるようにすることが目的。

(あとで詳しく書く)

パーキンソンの法則

仕事の量は完成のために与えられた時間を満たすまで膨張する、という法則。

YWTでむきなおり

むきなおりに便利なフレームワーク「YWT」がある。

Y:やったこと
Wわかったこと
T
次にやること

最後に

素晴らしい文章を引用して締めくくりたい。
これを言いたくて作者はこの本を書いたのではなかろうか。

発注者と受注者、事業と開発、チームとチーム、チーム内のメンバー同士の間、到るところに「境界」は簡単にできる。
僕は、「境界」をつくり、そこで攻防するような開発ではなく、境界に自分から踏み込んでいく「越境」を選びたいと思う。
境界を越えようとするときには、様々な困難が伴う。
たけど、実は一線を超えさえできれば、状況を高いして前進することができるのだ。
みんな、誰かが最初の一線を超えることを待っているだけなのだ。
なら、それを自分がやれば良い。

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