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朝の時報

僕の母親が、よく朝ドラを観ていました。それほど一生懸命観ているというわけでもないようで、「(テレビが)ついてると、つい観ちゃう」と彼女が言っていたこともありました。もちろん、テレビをつけているのは本人の意志だと思いますけれど。

彼女がいうには、某放送局の朝ドラは、

・関西制作のものと、関東制作のもののときがある
・関西のはつまんないことが多い

だそうです(息子調べ)。

なんか今回のはいまいちだなぁ……と思って観ていると、制作が関西だったという経験が彼女のなかにいくらかあるのではないかと想像します。もちろん、面白いけれど関西だったとか、例外もあるんじゃないかとは思いますけれどね。

僕は、朝ドラは観ません。「あまちゃん」という作品が放送されていたとき、深夜にやっていたプレイバックを実家で小一時間観たことがあるくらいです。あれは面白かったなぁ……能年玲奈さんと福士蒼汰さんのきらめきがマブしかったように記憶しています。あの作品の素晴らしいところは、キラめく役者さんたちの顔やからだに、同様にしてキラめきを放つ美しいワカメが乗っかって見えるかのような錯覚に陥るところで、そこに僕は魅力を感じたのだと思います。

朝ドラの放送は僕にとって時報に等しく、オープニング曲が鳴り出すとか、15分間の放送が終わるとかいった区切りで、「もう家を出発しなきゃ」という気分にさせられるというのが、実家で暮らしていた頃の思い出のひとつでもあります。

最近は、実在の人物をモデルにした作品が多いようですので、そうした人物の関わった書籍だとか商品だとかの売り上げを大きく左右する原因になり得ると思うと、その影響力は社会的にも無視できないものなのだろうと思います。観る意思がなくても、家族がつけているテレビから流れる音や映像が、時報として他の家族にすり込まれるくらいの影響力、と思っておけば、まず僕の中では間違いありません。

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