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Home & Away

みんながそうするからといって、安易に自分もそうすることをためらう癖が僕にはあります。たとえば何か新しいものが流行りだしてそれを取り入れる人が多く現れ出しても、僕はまずは傍観します。

どこかでひょんなことから、自分とその波長が合わさって、その「多くの人が取り入れているもの・そうしていること」を、僕自身も取り入れよう・採用しようという気になって、本当にそうできたときには、何か少し嬉しい・恥ずかしい気持ちになります。それは、恋人ができて幸せな気分でいるところを友人に茶化されたような気持ちに似ているかもしれません。「(まさか僕がそうなるなんて思いもしなかったけれど)自分もそうなったか」という感慨で胸が満たされます。自分が結婚したときも、そんな気持ちだったかもしれないと思い出します。

今年の夏は、かき氷を2回ほど食べました。特別、僕はかき氷が好きだとは思わないのですが、たまたま機会があって、食べました。暑いときにかき氷を食べるというのは自然ななりゆきですが、そんなありきたりな風景に自分を溶かし込むことができたとき、先ほど述べたような、ちょっと嬉し恥ずかしいような気持ちになることがあります。

風習とか習慣は、たくさんの人たちが長い時間をかけて築いてきたものです。大きな潮流みたいなもので、それに乗っかることでうまく「流れる」こともできますし、「流される」のも容易です。流れの先と違ったところに目指すところを持って、自分の力で流れをかき分け、流れ・流されつつも足掻いて、少しでもそこに近づきたいという思いがあります。また、どこか、ひょいと上がってしまえる「陸地」を持っておくといいかもしれないとも思います。僕は、その陸地を中心にした水辺で、ずっと戯れているだけなのかもしれません。

お読みいただき、ありがとうございました。


#エッセイ #日記 #夏 #風習 #習慣 #流行 #かき氷

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