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逸れる

私は曲づくりをするのですが、いつも、またこうやって新しい曲書けるのかな? わからん! と思っては新しい曲を書きます。

新しい曲を書くためにやることが具体的にわかっていれば、それをやるだけです。でも、いつもそれはわかりません。前にそのようにしたら新しい曲ができたという方法をもう一度トレースしてみても、もうそのときのように新しい曲はできません。トレースしようとこころみかけたその入り口で、もうすでにつまらなくなっている自分に気付いて引き返すしかなくなります。いえ、引き返すというか、別のほうへの進路をえらぶというだけのことなのですけれど。

なんだか、あたらしい曲が生まれるときのシチュエーションに共通したものや似たところがぼんやりとある、ということならあるかもしれません。でもそれは抽象的なことで、具体的なこととはほど遠い場合が多いような気がしています。あるいは、基本的すぎるところまで下がった共通点でしかないのかもしれません。(たとえば、呼吸をやめない、とかね、なんじゃそりゃ)

よく寝るとかよく食べるとか、よくからだを動かすとかいったことはいつでも何にでも有効な気もします。でも、もうグダグダで体調最悪で絶望しかないというときにしかできないこと、やれないこと、生み出せないものもありそうな気もします。

年をとって、「スレた」じぶん、何か「あのころ」よりは社会のしくみとかその構造のようなものを少しだけ知ったような気になっているじぶん、そんなものもありながら、ずっとおなじようなことにおなじようにしてよろこんでいるじぶん、ささいな新しいことをみつけて、おもしろくて何度も試しているようなこどものようなじぶん、そんなものたちも今の私の胸にいることを確かに思いながら、コーヒーをのんだりしています。

お読みいただき、ありがとうございました。台風の影響の強そうな範囲にいらっしゃるようでしたら、くれぐれもお気をつけて。



#エッセイ #日記 #音楽 #作曲 #新作

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