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偽りの装い

じぶんを偽らない生き方は、なかなかしんどいものだと思います。どこかしらで、大なり小なりの仮面を被ってしまいがちです。「ほんとうのわたし」の「ある面」を、あなたはきっと見たくないでしょうから……などという(余計な)気まわしによって、わたしは偽りの仮面をかぶってしまうことがあるように思います。

「ほんとうのわたし」をそのまんま見せることが、ある時点でのわたしとあなたに少し苦しい思いをさせるという理由に押しせがまれて、わたしは小さな仮面をかぶってしまうのです。そうすると、その仮面がある状態があたりまえとなって、仮面を外すことができなくなります。その上に、次から次へと新たな別の仮面を重ねて着けていくほどに、下になっている仮面は外すのが難しくなっていきます。それを早期に外すことをあきらめるうちに、おのれの素顔とはそうして重ねづけした仮面を含んだもの、というのが真実に近づいていくのかもしれません。

そう、一切の仮面を持たずに生きていく……というのはきれいごとかもしれません。それを悪いことと言い切るのは憚られます。真実とはそういうもので、視点の数だけ存在するものだとわたしは思うのです。ときに、お互いの真実がぶつかることもあるでしょう。それを守り通すための攻撃や防御のやりあい、逃避や戦いの延期の集合で人の生はできている……といってといいのかもしれません。

「きれいごと」なんてことばを使わずに説明できなかったことが、わたしの弱さなのかなぁ……などと思ってしまいます。そもそもろくに説明できていないし……そうやっている間にも、次から次へと真実のやりあいが押し寄せます。それに応じる、「Fight!」の人生……

お読みいただき、ありがとうございました。


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