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中華イヤホンにハマっている話

中華イヤホンとは中国メーカーが製作しているイヤホンのこと。コストパフォーマンスの高さと個性的な音作りが魅力だ。
中国製と侮るなかれ。もはやイヤホンの本場は中国にある、と言っても過言ではない。

きっかけは2024年はじめに購入したTRN Conchだ。

TRN Conch

ワイヤレスイヤホンをすぐ失くすので、いっそ有線イヤホンに鞍替えしようか考えていた矢先に「コスパがヤバい」と耳にして買ってしまった。
これが沼の始まりだった。
スマホ直差しでも、これまで使ってきた国内メーカーの2k程度のイヤホンとは明らかに違う「いい音」。感動した。

ハウジング(シェル)には液体金属を使用している。重みがあり、金属ゆえ耳がひんやりするというデメリットがある。イヤホン同士がぶつかるとカチカチと少し大きな音がする。しかし頑丈さと高級感のためと思えば気にならない。
内部には1DD(ダイナミック型ドライバ)でDLC振動版を採用。DLCとは何か?

ダイヤモンドと黒鉛との中間的な物性を持つ、非晶質の硬質炭素膜を振動板に被せることで高域特性を向上させる効果がある。

DLCコーティング振動板 - オーディオテクニカ

らしい。確かに高音域が強くきらびやかで、広がりのある音場。
付属のフィルターを付け替えることで音も変えられるし、ケーブルの品質がよく、しかもプラグが2.5mm、3.5mm、4.4mmの3種類あって自由に換装できる。
一般的なイヤホンジャックは3.5mmだが、これはアンバランス接続といって、4.4mmのプラグを使用するバランス接続のほうがいい音がするらしい。
スマホ直差しの初心者は気にしなくていいと思うが、選択肢が用意されているのは素晴らしいことだ。
素人でもアンダー4kとは思えない仕上がり。
いまのところ最も気に入っている。

TRN ORCA

続けざまにXで話題の同TRN社のORCAを購入。見た目が非常にかわいらしい1台だ。シャチが好きなのでうれしい。

Chonch同様液体金属のハウジング。特徴的なのは本体に3つのスイッチがついていて、ON/OFFを切り替えることで音色が微妙に変わる。自分は主に110か011のどちらかを気分で変えている。スイッチの調整については下記動画が非常に参考になった。ORCAを所持している方にはぜひ見てもらいたい。

TRN ORCAは1DDで、LCP振動版を採用している。LCPというのは液晶ポリマーのこと。低音域に特徴があり、弾むような弾力あるベースを感じることができる。
ステムが細く短いため、イヤーピースが外れやすいのが難点。内径が小さいオーディオテクニカ ファインフィットに変更することで外にも持ち出しやすくなった。音はそこまででもないが、見た目が気に入っている1台。

KZ ZVX

更にまたXで見かけたKZ ZVXをアリエクスプレスで注文。セールで送料込み507円というぶっ壊れ価格だった。

ZVXは1DD。4.8μm極薄振動版。上記の2台と違ってウォームな暖色系の音色。かなり低域が強く男性ボーカルなど楽しく聴ける。かといって高音域が弱いわけでもなく、十分鳴る。
KZらしさを感じる元気な1台という印象だ。

ケーブル

中華イヤホンはリケーブル可能なものが多く、音色の変化を楽しむことができるのも特徴だ。線材には主に低音域を強調する銅線、高音域を強調する銀線、両者の特徴をもつ銀メッキ線がある。

まずはTRN Conch用に購入したNICEHCK RedAG。低価格ながら純銀線を使用しており、デフォルトケーブルと比べてConchの高音域を更にきらびやかにしてくれる。中高音域のヌケがよくなり、聴いていて非常に気持ちがいい。KZ ZVXとも相性がよく、迫力が強い低域を抑えバランスのいい音色にしてくれる。落ち着いた赤色も気に入っている。

TRN Conch + RedAG + BTR 15

続いてTRIPOWIN Altea。深みのある青いケーブルが特徴で、素材は6Nと純度の高い単結晶銅。イヤホンの特徴を損なわず、全体的に持ち上げてくれる印象。解像度が高く音の密度もかなりあり、聞き疲れしてしまうほどだ。どのイヤホンに合わせてもよく、見た目がいいためとても気に入っている。

TRN ORCA + Altea。キラキラ輝いていて美しい

イヤーピース

2024年4月時点で使用したものを記載する。
まずTRNのイヤホンにデフォルトでついてくるt ear tips。

シリコン製で表面はピトッとくっつく感じがある。少しホコリはつきやすい。ステム装着部分の内径は4mm。特徴として高音域を強調する。注意点として他のイヤホンよりワンサイズほど小さい。他社製のMサイズに該当するのがtipsのLサイズといった感じ。高音域を重視するため、けっこう気に入っている。

続いて角笛。

ORCA用に購入したのだが、内径4.6mmと大きすぎた。代わりにConchに着けると高音域の刺さるあたりを丸くし、低音域を強調してくれる。装着感も快適で、アンダー1kで買えるイヤーピースとしてコスパがいいと思う。

そして角笛の代わりに購入したオーディオテクニカ ファインフィットスペア。内径は4mmと小さく、ORCAにうまくはまってくれた。うれしい。素材が固めで名前ほどフィットする感じではないかな。

最後にイヤホンレビュアーのふぐみかん氏が使用しているというアリエクスプレスで販売している激安イヤーピース。

12個で142円という驚きの安さ。しかし到着まで恐ろしく時間がかかる。注文から10日ほど経っているが、まだ届く気配はない。

DAC

FiiOという中国のメーカーが販売しているBTR 15をアリエクスプレスで購入した。Amazonでは20kするが、14k程度で手に入れることができた。

DACが何かはよく分からないのでググってほしい。BTR 15はBluetoothレシーバーといって、スマホで再生した音を無線で受信し、有線イヤホンで聴くことができる優れものだ。わざわざウォークマンのようなDAPを買うほどではない自分のようなライトユーザーに合う。

実際に手にしてみると驚くほど小さい。そして音がもう……。

めっっっちゃ変わる。

筆者は大学生のとき、中国人の友人がヘッドホンアンプを使っているのを見て「ホントに意味あるの? これ」と思ったし、言った。友人は効果があると断言した。当時の私は幼く、スマホ直差しで十分だと思っていた。スマホ直差し信者だった。
友人よ、私は間違っていた。意味はある。スマホ直差しはダメである。いやダメとまでは言わないけど、私はBTR 15を購入して以降、一度もスマホ直差しで音楽を聴いていない。聴く気にならない。
感動のあまり涙を流しそうになりながら星街すいせいの「Stellar Stellar」を聴いたことで私のオーディオライフは激変した。
BTR 15は電池持ちに若干不満があるくらいで、よほどのことがない限り買い替えは検討していない。高いしね。

おわり

こんなところで最近ハマっている中華イヤホンまわりについての話を終える。けっこうお金を使ってしまったが、中華イヤホンはかなり楽しい趣味だと思う。

自分が好きなのはどんな音か?どんな構成のイヤホンならその音が出せるか?を考えたり、ケーブルやイヤーピースを変更して長所を伸ばすのか、逆に弱点を補うのか……。
ああでもないこうでもないと悩みながらレビュー動画を巡回するのも楽しみのひとつだろう。

いやはや、短いスパンで3つもイヤホンを買ってしまった。もう増えることはないだろう。イヤホン沼からもオサラバだ。

ん……?

TRN ST7が発売……?

…………。

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