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[書評] VISION DRIVEN(星4)

他人モードでいることに慣れてしまうと、どんどん、「自分の本当にやりたいこと」というテーマに向き合うことが苦手になっていってしまい、心が痩せていく。私自身、4年前に前職のスタートアップに転職し、忙殺される毎日を過ごす中では、「最近、発想も表情も以前ほど豊かじゃなくなったなあ」と感じることもしばしばだった。

あらゆるものがシェアされ、やりたいことは何でも出来るようになり、これまでより「お前は何がしたいの?」という問いを突きつけられる場面が増えている。五感からの情報を整理し、「自分がしたいことはなにか」にひたすら向き合い、ビジョンを磨き上げていくことは、それに慣れていない人にとってはむしろしんどく感じられ、疲弊し卑屈になってしまう人さえ居ると思う。直木賞作家でもある朝井リョウさんはそれを「新しい地獄」と表現したりしている。

個性が「重んじられる」というレベルをとうに過ぎて、個性の強さがそのまま生命力の強さにまでなろうとする時代が来ようとしている。

このVISION DRIVENという本は、それぞれの「個性」を見つけ、磨き込み、強くしていくという、そう簡単ではないことを、体系的にわかりやすく紹介している、今の時代にまさに求められている本だと思う。

読んで良かった度 ★★★★☆(4)


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