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(230910)忘れ得ぬこと 忘れるために 努力はいるのね 二度と結べない糸なら たぐりはしないわ

2023年9月3日(日)
昨日、図らずして朝まで飲んでしまい起きたら昼過ぎだった。
ええいままよと部屋の掃除をして、行かなくてはと思いながら暫く放置していた自転車の修理に行く。
購入時は6万円ほどの自転車だったが、パーツ交換などでフルに修理するなら3万円程度かかるという。
もはや3万円かかるなら6万の新車を買う方が良いのでは…?と考える。
サイクルショップのおじさんも良い人で、修理についてもいろんなプランを考えてくれたり新車を買う時の選択肢など様々な提案をくれて店頭で小一時間ほど過ごしてしまう。
結局すべてがめんどくさくなって簡易の修理だけしてもらい本格的な修理も購入も決めずに店を去った。
こういう時にどうでもよくなってしまう所は本当に良くないと思う。
どちらでも良すぎるのだ。どちらでもいいからこそどちらにも決めきれずどちらでもないまま日々を過ごして、そのまま僕の自転車はある日に大破して僕は死ぬだろう。
そのまま少し遠出して高円寺の古い団地とかお墓があるあたりを自転車で走る。古い団地とかお墓とかってなんでかわからないけど大好き。

帰って『台湾の少年』を全巻読む。
これは絶対に僕の好きな朝ドラ系の本だ…!と思っていたがまさにで、日本統治時代に生まれた台湾の少年が青年になり無実の罪で政治犯として収監され青春を奪われ、刑期満了後に台湾で児童雑誌を発刊する会社を立ち上げたりする話で、政治犯というレッテルを張られた主人公(蔡焜霖さんっていう実在する方)が本来目指していた教師の夢を奪われた中でどう生きていくかという姿がめちゃくちゃに良かった。
各巻で絵のテイストが違う(主人公の心情による?)のも面白かった。
前半の時代は僕の大好きな映画『牯嶺街少年殺人事件』と同じ頃で、やはりこういう時代の、自分ではどうしようもできないことを受け入れたり抗ったりする人々というのがとにかく好きなのかもしれない。
頭がハイになってしまい石田夏穂『我が手の太陽』を読み、次にY2K新書で柚木麻子さんが勧めていたテイラー・ジェンキンス・リード『女優エヴリンの七人の夫』を読み始めた。

2023年9月4日(月)
仕事を終えてから友達の家に行った。ピザを食うらしい。
ピザはダイエット中からの悲願だったので嬉しい。
食べながらミラ・ジョボビッチが出ていない映画の『バイオハザード』を見た。何に重きを置いているかよくわからない映画だったけど、普通の警察官っぽい主人公たちが異常な姿をしたクリーチャーを動揺もせず冷静に対処していくのが怖かった。
その後、なぜか『バチェラー』の最新のものをみんなで見た。
『バチェラー』は『バイオハザード』よりよっぽど怖い。
システマティックな恋愛を見せられるのが本当に怖いのだ。
毎話脱落していく登場人物、友好と対立、悲喜交交いずれにせよ十分な釈明のない展開、あからさまにこういう恋愛リアリティショーは心の強靭な人間のためにあるコンテンツだと思う。
現実だって恋愛はこうなのかもしれないけど、昭和平成令和と上手にみんな傷つかないように徐々に非言語化してきたものをしっかりルールやシステムとして組み込む厚かましさに胸が痛くなって見れなくなってしまう。
終電が近くなり解散したが物凄い雨で足止めをくらった。
コンビニで雨宿りをしていると知らないお姉さんが傘をくれた。
知らない人がくれた傘も、ありがたいけど、どこか怖い。

2023年9月5日(火)
BOYNEXTDOORがカムバした。
"One and Only"から噛り付いて夢中で聞いていたけれど、やっぱりBOYNEXTDOORは最高かもしれない。
ものすごく嚙み砕いて言うなら男版NewJeansみたいなグループなんだけども、もっと大騒ぎされるかと思っていたらヒットはしつつ大流行りはしなかったのでどうして…とずっと思っていた。
オーディエンスのマジョリティが男から女に変わってガールクラッシュのようなコンセプトのひとつの完成形を迎えたガールズグループの飽和をNewJeansが打ち破ったように、BOYNEXTDOORは保守的なボーイズグループのコンセプトを打破する存在ではと感じる。
とにかくボーイズグループはいにしえの頃から「君に狂ってしまうよ」みたいな疑似恋愛を焚き付けるコンセプトが脈々と引き継がれていてまぁそれでアーティストもファンも困ることはなかったのだろうけど、なんというか、共感できるとかではないしとにかく普遍的ではないコンセプトなのだ。
BOYNEXTDOORはそういう意味では"One and Only"も今回の"But Sometimes"も等身大で普遍的な事象と感情を歌ってて、そこに疑似恋愛は存在しないし共感がある、やってることが現代ガールズグループの上手な焼き直しのよう(褒めてる)に感じる。
グループ名はその名の通り親しみやすい男の子で(もちろんこんなに顔もスタイルも完璧で歌もダンスもできる男の子たちが隣人だったらちょっとしたネットニュースになってしまうとは思うけど)コンセプトはあくまで一貫してBoy Next Doorであることを貫いてるのがめちゃくちゃ良い。
あとMVがスタジオ撮影じゃないのがまた最高。
(HYBEが少年性を強調するシーンで家を燃やすのはテンプレートなのか?は別途議論すべき議題)
大好きなSTAYCと、このBOYNEXTDOORが出るということで楽天ガールズアワード(楽天がやってる東京ガールズコレクションみたいなイベント)に行こうか本気でこの2か月悩んでいたけど、ちょっと、やっぱり、おじさんは厳しいのかなと思い断念。
自分の年齢と向き合うタイミングが、今から自分が行こうとしている場所が自分の年齢にそぐうかどうかしかない気がする。どうしてこうなった。

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