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カールの科学(村田モデル)

(番組の視聴が)楽しみだ。
昨年、公開された論文を拝読したが、「旋回」がストーンをカールさせる原動力だ、というのは間違いないと思う。
ただ、この場合の「旋回」は単にエッジ左右の速度差(摩擦力差)によって生じるのではなく、ある一定の条件下で起きる現象なのではないだろうか。


純粋に速度依存性に生じる現象だとすれば(通常の条件下では)ストーンの角速度(回転)が速いほうが早くカールし始めると推定するが、私の経験的な観察結果と合致しない。
いわゆる Rantamäki の現象(効果)とも合致しない。

この点を村田モデルはどう説明するのだろうか?

「Rantamäki の現象」の意味がわからん方はこちらをどうぞ。

この現象はフィンランドのカーラー、Tomi Rantamäki 氏の実践で著名ですが、彼が発見者ではありません。
遅くとも1990年代から "spinner" として知られており、再現性があります。日本における挑戦例としてはカゲトラ(@kagetora0927)さんのプレーを見ていただきたい。


spinner は当初テイクアイトの際に石を直進させる技術として発見され、その後、停止直前に大きくカールすることが判明し、応用されるようになりました。Rantamäki 氏は実践における先駆者であり第一人者ですから、このショット(現象および効果)に彼の名を冠したとして異論のあるカーラーはいないと思います。

(2023年1月28日にツイート、同日に追加ツイート)



「おはよう日本」を録画視聴。 論文を読んだときイメージできなかったが、精密計測したのは停止直前の数メートルだったとわかった。実際用いられるより、かなり強い回転をかけたんだなあという印象。(ウェブサイト「サイカル研究室」を見ると、弱い回転についてもデータ採取していた模様。)

停止直前、まれに石が大きく動く現象について、私はイレギュラーな動きだと考えていた。そうではなく、石をカールさせている力の発現ということのようだ。 村田モデルについて、私が疑問に感じている点について、今回特に言及はされなかった。機会があれば質問してみたいと思った。

曲げるスウィープに関しては、外半分を掃くべきだろうという見解が示された。これは、いわゆる corner sweeping がカールを増すという経験則に合致している。ただ、この場合の「曲げる」と、2015-16シーズンを席巻した directional sweeping は、原理が異なる可能性が高そうだ。

(2023年1月29日に再追加ツイート)


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