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「全国通訳案内士」試験 合格への道のり~(19) 2次出題は「かっぱ巻き」と「寺泊・城泊」

2021年度2次口述試験。私の回の「プレゼンテーション問題」のトピックスは以下の3題でした。

「酉の市」「かっぱ巻き」「五島列島」

プレゼンの前に30秒間、選んで話す内容を考える時間が与えられ、2分間で話すように指示されます。


「酉の市」という文字を見たときに、軽く後悔しました。実は2次対策でお世話になったPEP英語学校の杉森先生が、試験前に「酉の市」のYouTube動画を挙げていたのを見ていて、もしかしたら出題されるかもしれない(以前「熊手」というトピックも出題されています)、どこかの「酉の市」を観に行ってみようかと考えていながら、結局行かなかったからです。

「五島列島」も自分の行ったことのない観光地でした。隠れキリシタンの地として世界文化遺産に登録されたという知識はありましたが、行ったことのない場所について、どれだけ熱意を持って話せるかは疑問です。

と、2つのトピックスは自分の中で予選落ちしたのですが、実はもう「かっぱ巻き」という文字を見て、「かっぱ巻き」と言えば「きゅうり」、「きゅうり」は「cucumber」という単語を思い出した瞬間に、「かっぱ巻きでいこう!」と決意していました。


試験の準備を通して、プレゼンテーション問題はできれば「食べ物」が出題されないか期待していました。食べ物は、素材、料理法、どんなときにどこで食べられるか、など話の流れがつくりやすく、使う語彙も限られています。しかも、さんざん練習してきた「寿司」だったので、これしかないと思いました。


ただ、もうひとつ考えたのは、あまりにも説明が短く終わってしまう可能性です。よって、プレゼン問題は大体決まったフォーマットに落とし込んで話す練習を繰り返していたのですが、あえて最初に話を寿司全体にふくらます構成にしました。以下のような話から始めました。


「かっぱ巻きは日本の寿司の一種です。日本の寿司にはさまざまな種類があります。米に生身の魚をのせて握る、握り寿司。お米の上に海鮮や海苔、錦糸卵を散らす、チラシ寿司。どれもとても美味しいですが、かっぱ巻きは海苔で米ときゅうりを巻く、巻き寿司の一種です。」

このあたりの寿司に関するフレーズは、丸暗記していたそのままです。話しながらも、寿司を握ったり、お米の上に海苔をパラパラまいたり、のジェスチャーも交えます。

その後、子供にとても人気があること、「カッパ」という日本の妖怪が緑色できゅうりと同じ色なので「かっぱ巻き」の名前の由来であること、「かっぱ寿司」という名前の寿司のフランチャイズチェーンがあることを話して、1分30秒ぐらいだったでしょうか。

それ以上思いつかなかったのと、試験委員の方も質疑応答の準備だったのか、手元の紙をチラチラ見だしたので、「もう少し説明しましょうか?」と聞いて、「大丈夫です。」とレスをもらい、質疑応答に移りました。


質疑応答も「あなたはカッパ巻きをつくったことがありますか」⇒「ありませんが、家にすだれがあるので、海苔と米ときゅうりがあれば今日にでもつくれます。」、「カッパについてもう少し教えてください。」⇒「川に住んでいて、頭に皿をのせています。」の2問であっさり終わりました。


続いて「外国語訳問題」。「次に読み上げる日本語を、1分から1分30秒程度で英語に訳してください。」と言われ、一部抜けがあるかもしれませんが、大体、以下のような日本語が読まれました。

日本では、寺や城がその歴史的な施設をコンテンツとして生かすために、「寺泊(てらはく)」や「城泊(しろはく)」を提供しています。2018年には京都の仁和寺が、2020年には愛媛の大洲城が1泊100万円で宿泊を提供して、話題になりました。


日本語の読み上げスピードは、PEPの杉森先生よりはゆっくりで、ESDICの永岡先生よりは速め、日本語の文章を全て書くには間に合いませんが、ほぼキーワードの単語は書きとれる程度でした。

幸運だったのが、この話が令和2年度の「観光白書」に紹介されていたコラムの事例で、名前や金額もそのままだったことです。「観光白書」は1次試験科目「一般常識」対策でチェックしていて、特にコラムからは問題が頻出だったので精読しており、地名やお寺や城の名前、金額も覚えていました。おかげで落ち着いて英語で訳すことができました。


口述試験最後は「実務質疑」です。(続く)


《お知らせ》
今後「全国通訳案内士」資格を受験される方の参考に、2021年度に合格するまでの道のりを、少しずつ書いています。1次対策についても過去に書きましたので、よかったら最初の「合格報告」の記事(↓にリンク)から日付をおってご覧ください。

「全国通訳案内士試験」に合格

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