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わからないの優しさ

人間関係を円滑に進めるためには、どういう心構えが必要だろうか。
どういう人であれば、これから先も長いこと仲良しでいられるだろうか。

「わからない」

それはとても正直で、誠実で、まっすぐな言葉だと思う。
わかると言ってしまえばいいのに、バカ正直に考えてしまって、わからないだなんてつまらない返事をしてしまう。
でも、僕らにとって必要なマインドは”わからない”を受け入れることではないだろうか。

人は、一生わからないものだと思う。
親友も、家族も、恋人も、兄弟も、上司も、部下も、先生も。

わからないのだ。

そして、それでいい。
いいや、そうだからこそ、私たちはそれぞれ私である価値があるのだ。
わからないからこそ、大切な人のことは知りたくなる、心の模様を想像したくなる。
所詮、逆立ちしてもわからないようなことを、うだうだと、もじもじと考えたくなる。

わからないことを、わかってくれたのなら、私はきっと涙する。

鮑叔館 珠李



参考:

思ふこといはでぞただにやみぬべき我とひとしき人しなければ

伊勢物語


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