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林伸次
2016年7月29日 08:43
#小説 #超短編小説 「ねえ。やっぱり私たちもうダメだと思う。別れよう」「そうだね。君のこと本当に好きだったけど、このままずっと一緒にいるとまたぶつかって喧嘩しちゃうね」「私も今でもあなたのことは好きよ。でももう一緒にいる意味はないと思う。明日、土曜日だから私、この部屋の荷物片づけて実家に送るわ」「明日? まあ早い方が良いよね。二人で買った食器や本とかはどうする?」「明日、考えよ
2016年7月22日 08:37
#小説 #超短編小説 デボラはプエルトリコ系で、肌は浅黒く、髪の毛はチリチリで、背は低く、男の子とよく間違われた。クラスの女の子たちはもうすっかり女性の身体になった人たちばかりで、みんな豊かなブロンドやブルネットの髪を誇らしげにしていた。デボラはクラスに好きな男の子がいた。その男の子は身長が高く金髪だったのだけど、デボラにも他の女の子と同じように平等に優しくしてくれた。デボラはクラス
2016年7月8日 08:41
#小説 #超短編小説 彼とつきあい始めた頃、彼がカフェで必ず紅茶を注文するのに驚いた。彼は身長190センチで胸幅もがっちり、髪の毛は短くていつも日に焼けているのに、なぜか必ず紅茶を頼んだ。紅茶はだいたい繊細なカップで出てくるので、彼の太い指とは全然不釣り合いだった。私は2回目のデートの時に「どうして紅茶なの?」と聞いてみた。「亡くなった母親が大の紅茶党だったんだ。普通、日本の喫茶