ラブレター

こんにちは。突然、こんなお手紙すいません。

先日、あるバーテンダーさんに「私、好きな人ができちゃって」と言ったら、「じゃあラブレターを出せば良いですよ」と言われたので、あなたにラブレターを書きます。

さて、もうお気づきかとは思いますが、私はあなたのことが大好きです。本当はこのことだけが伝われば良いかなと思っています。

でもそのバーテンダーさんが「その人の好きなところを書くと気持ちが伝わりますよ」と言ってたので、あなたの好きなところを書いてみようと思います。

まず私はあなたの笑顔が大好きです。私がこの間、ちょっと失敗したことを話したとき、あなたがとても楽しそうに笑っていたのは覚えていますか? 私はあなたが大きく口を開いて、顔をくしゃくしゃにして笑う、あの笑顔が大好きです。

そして私はあなたの目が好きです。優しそうでキラキラしていて、真っ直ぐに見つめるあなたの目が好きです。今、あなたの目を思い出して、ああ、あの目が私を見ていたんだと思うとちょっと照れてしまいます。

あなたの話も大好きです。仕事の話、夢の話、好きな本の話、色んな話をあなたはしてくれますが、やっぱり夢の話が好きです。何か希望を持っている人が私は好きです。あなたの夢がかなえば良いなと思っています。

さて、そのバーテンダーさんが「これから二人はどういう風になりたいのかを書けば良いですよ」というので、そういう私とあなたの関係の希望みたいなことを書きます。

ご存じのように私は結婚しているので、あなたと、そういう方向に進んでいくのは危険だなと思っています。

でもあなたを好きなことは止められません。

私が望むことは私があなたを好きだということを知っていてほしいこと。そして時々、会ってもらって、お話ししたり、あなたが大笑いをしているのを眺めていたいことです。

最後にひとつだけ。この間、駅まで歩くとき、突然手を握ってきてくれて、本当にドキドキしました。手と手が触れ合うことがこんなにドキドキすることだなんて、大人になって初めて知りました。

そのバーテンダーさんが「長文はダメですよ」と言っていたので、この辺で終わりにします。

お返事は結構ですが、また私からこんな風にラブレターを書くと思います。

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この記事は投げ銭制です。この後、オマケで僕のちょっとした個人的なことをすごく短く書いています(大したこと書いてません)。今日は「友達がいない女性」です。

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