組織論が苦手な話

※土曜日は読む人が激減することが判明したので個人的な話を。

僕、今のお店を始めるまでの間にすごくたくさんの職場でバイトをしたんですね。で、ちょっと長く勤めると「林くんもそろそろ正社員にならない?」とか「マネージャーになって他のアルバイトたちを管理する立場にならない?」とかって提案されますよね。

そうなると「あ、この職場もそろそろ辞め時だなあ」って思うんです。ひどい奴ですよね。

その頃は「何か責任が増えるのがイヤなんだろうなあ」って思ってたのですが、最近は「組織とか誰かを効果的に使うっていうのがとにかく苦手なんだ」ってことがわかってきました。

よく「人を上手く使えるようになって一人前だ」なんて言われますよね。確かに大きな組織であればあるほど、効果的に人を配置したり、やる気を出させたり、時には相談にのったり、そういう組織運営が一番のポイントになります。

お店を経営している友人ってたくさんいるのですが、お店を増やすときの一番の成功のポイントは「料理やサービスや内装」なんかじゃなく、「いかに良い人材を見つけて、いかに良いところに配置するか」なんだなあ、って横から見ててもよくわかります。

で、僕はどうもそういうのが向いていないので、最初から一人で回せる規模のお店、と考えて、今のbar bossaをやっています。

だから満席の時なんかは「もう一人バイト入れたら良いのに」って全てのお客さまに思われているのはすごく納得なのですが、やっぱり無理なんですよね。

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ところで、お客さまの会話でよくこの「組織論」みたいなのが出てきます。

「下の人間たちをどうやってやる気を出させるか」という古典的な問題から始まって、今は「保守的なタイプ」とか「新しいアイディアを試すタイプ」とかそういう風に人間を「タイプ分け」して良い場所に配置して切磋琢磨させるって感じのことが流行っているようです。

あとは「上司や派閥問題」みたいな話もよく聞きます。「こういう風に提案して理解してもらおうとするんだけど、上司が古いタイプで今の世の中が変わっているのがわかっていない」みたいな、古典的な問題から、「営業は営業の論理があって、制作している側にはもっと冒険したいっていう気持ちがあって」みたいな内部の問題もあります。

そういう話がですねえ、僕は本当に申し訳ありません、あまりわからないんですよねえ。

でもみなさん「組織をいかに上手く運営するか」っていうのが日々の仕事の一番の重要問題なんですよね。だから、酔うとそういう話をバーテンの僕にするんです。

いや、ホント、バーテンはそういうお話を聞いて、「なるほどなるほど。それは大変ですね」と相づちをうつのが仕事なので、まあなんとかこなしてはいるつもりなのですが、「で、林さんはどう思う?」みたいなことを言われると、「ええと、そういうのってよくわからないし、どっちでもいいです」って答えそうになっちゃうんですよね。

「こういうアーティストを売り出したいんだけどどう思う?」とか「こういう商品をもっと売りたいんだけどどうしたら良いと思う?」みたいな「仕事のこと」だったら、一緒に考えたり出来るのですが、うーん、知らない組織の運営の話ってどうも僕はわからないです。

本当に「組織に向いていない」んだなあと改めて感じる46歳の秋です。 

#コラム

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