本棚が子供に伝えること

先日、ジーリサーチの近藤岳裕さんがカウンターでこんなことを仰いました。

「林さん、やっぱりリアル書籍のすごいところは、本棚に本を置いておくと、自分の子供が勝手に手にとって読んでくれる可能性があるっていうところだと思うんです」

確かにそうですよね。みなさんも親の本棚から「これ面白そうだな」と思って引き抜いてみて、ぱらぱらと読み始めたら止まらなくなって、その本を読破してしまったなんて経験あると思います。

そして近藤さんのお子さんはまだ小学校の娘さんなんだそうですが、みうらじゅんの『正しい保健体育』と『色即ぜねれいしょん』をわざと本棚に置いといて、そして娘さんに手にとって読んでほしいのだそうです。

「男ってこういうものなんだよ」と知っておいてほしいそうです。

確かにそういう「性教育的なこと」って、親と子が顔をあわせて話し合うのって恥ずかしいですよね。でもやっぱり「ここのところだけは教えておきたいなあ。ネットとかで歪んだ性の意識を持ってほしくないなあ」と思う場合には「本棚にさりげなく置いておく」というのが有効なような気がします。

そういうのって確かにリアルじゃなきゃ出来ないですよね。娘がお父さんのPCやスマホをこっそり開けて、お父さんの「お気に入りのサイトやアプリ」を勝手に見てくれるってまずありえないです。

 ※

その考え方でいくと、CDやLPもまだまだ「有効」ですよね。

みなさんも「親が持ってたレコード」って一度は聞いてみたことがあるのではないでしょうか。

「うわー、こういうフォークが好きだったんだ。やっぱりダサいなあ。ということは自分もダサいはずだ」とか「ジャズのレコードの集め方」が実はすごく筋が通ってて「おやじ、カッコよかったんだな」って気がついたりすることってありますよね。

そんな風に「親のレコード棚を見て何かを発見する」という喜びってあると思います。

実はうちの娘、ヴィジュアル系が好きで、おっかけとかやって、名古屋とか仙台とか大阪にまでバンドについていってしまうくらい好きなんです。

だから僕が聞いている音楽はどう思っているだろうってよく考えることがあるんですね。

でも、僕が死んだら大量のレコードとCDが残るわけです。さらに妻も死んだら、娘はそのレコードとCDをどうするんだろうって想像します。

ジョビンとかちょっと聞いてみて「あ、そういえばこういう音楽、聞いてたなあ」って懐かしい気持ちになってくれたら僕は嬉しいです。

「ジョビンのおかげで自分の学費が出たんだなあ」ってところまで気がついてくれればさらに嬉しいです。ジョビン、そういうわけでありがとう。

#コラム

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この記事は投げ銭制です。この後、オマケで僕のちょっとした個人的なことをすごく短く書いています(大したこと書いてません)。今日は「昨日、DVDで耳をすませばを観たのですが」です。

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