大人っぽい話ができないこと

※土曜日は読む人が激減することが判明したので個人的な話を。

お寿司屋での作法みたいなのを詳しく説明できる人いますよね。「本来、寿司っていうものは江戸時代のファーストフードだから」とかなんとか言いながら、「今は貝ならつぶ貝が美味しいんだよ。大将、つぶ貝はもうある?」なんて言えたりするわけです。

僕、そういう「大人がすべき会話」が出来ないんです。

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例えば女の子とバーで飲んでいて、「あれ、この曲、私知ってる」なんて言われることがあります。

それが「ジャズのスタンダード」だったりすると「これは元々○○というミュージカルの曲で、シナトラが歌って1954年にヒットさせたんだよね。たぶん君が知っているのはサラ・ヴォーンのヴァージョンじゃないかな。一度カメラのCMで使われたんだよね。ええと今かかってるのはマイルスのヴァージョンだね。マスター、ジャケット見せてもらって良いですか?」なんて言える大人っていますよね。

僕、そういう会話が出来ないんです。

そういう大人の会話ってせっかく大人になったんだからしてみたいなあと思うのですが、無理なんです。

例えば「お金とか経済の話」をわかりやすく出来る大人っていますよね。税金とか上場とか、よくわかんないけどストックオプションとかフェアトレードとかそういう話が出来るのも「大人っぽくて」カッコいいです。

あるいはフランス革命とか第一次世界大戦とかの流れがちゃんとわかっていて、「だからドイツは」とか「アラブの世界って本来は」とか説明できる人もいます。あれもカッコいいんですよね。

小さい頃から憧れていたことがあって、「星の名前」と「お花の名前」が言えたらすごくカッコいいんじゃないかって思ってたんです。

女の子と夜道を歩いていて、「ほら、あれがシロクマ座なんだ。あの東京タワーのずーっと上あたりの星わかる? あの大きい星が目なんだ。昔の人はシロクマが音楽の女神に恋をしたって考えたらしいんだよね」とか言うとすごくカッコいいんじゃないかな、もう女の子が「林くん素敵!」って思うんじゃないかなって夢見ました。

あるいは街を歩いてて、「あれ、もう沈丁花が咲いてるんだ。沈丁花って中国の随の皇帝が愛したの知ってる? 皇帝が夏にはないはずの沈丁花をヒマラヤまでとりにいかせて、愛する人に贈ったんだよね」とかって女の子に言ったりすると、女の子の目がハートマークになるんじゃないかなって思ったりしました。

でもそういう「大人っぽい男性」には全くなれていないんです。まあ次の人生でトライしようかなと思っている46歳の春です。

#コラム

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