敵認定と結婚が出来ない話

自分が意図していないのに、突然、親しかった人に「オマエは敵だ」と認定されることってありますよね。

例えば、「巨人好きなんだよね」って親しくしている人に言ったら、「え?! 俺、阪神ファンなんだけど!」みたいな状況ってあります。

あるいはモテようと思っていない女性からモテて、その女性を狙っている男性から「オマエは敵だ!」と認定されることもあります。

僕は商売をやっているので、「出来るだけ敵を作らないようにしよう」というのが常に第一にあります。

敵を作ってしまうと、その人周辺のお客さまを全部失くしてしまうからです。

だからこういう文章を書くときも細心の注意を払って、出来るだけ「誰かの心をイラつかせない」ということを考えています。

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ところで、この手の文章を書き始めて気づいたことがありまして、「何よりも恋愛の話題が一番受ける」というものです。

これやっぱり「ほぼ全員が恋愛には興味ある」からだと思うんです。

というのは「食べること」も受けるんですね。それってやっぱりみんな毎日「食べてる」からなんだと思うんです。

同じように「お金を儲ける話」も受けます。まあそりゃそうですよね。

そして、音楽とか小説についてはよっぽど「何かひっかかること」を混ぜて、上手く書かないと読んでくれません。それは音楽や小説に興味がある人の「人数」が少ないからなんです。

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で、「恋愛もの」で受ける話題が4つあるということにも気がつきまして、「結婚できない人」、「セックスのあれこれ」、「不倫や浮気」、「モテるモテない」なんですね。

だから僕はこの4つを常に念頭においてまして、dancyuが毎年、カレー特集、蕎麦特集、寿司特集、酒特集を順番に繰り返すように、僕もその4つを色々と手を変えて書いているわけです。

ちなみに「セックスのあれこれ」が一番受けるのはわかっているんです。でもこれが一番ネタ探しが難しいんです。

さらに「セックスのあれこれ」は「林、あれは間違ってる」という意見を後から必ず言われます。たぶん「個人差」がすごくあるんでしょうね。

そして「結婚できない人」という話題です。

これはですねえ、僕はこのバーテンダーという仕事をしていると、本当に毎日カウンターで言われるんです。

まああからさまに「結婚したいけど出来ない」とは言わなくて、「出会いがない」とか「良い人がいない」とか「婚活ってどうよ」とかみなさんこう色々と仰るわけです。

で、僕はこの仕事を20年もしているので、「その問題に対する答え」というのをいつもいつも考えることになりまして、こういう場所で発表しているんです。

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その「結婚できない人」の話を書くと、実は怒る人が出てくるんです。

僕はその人に言ってるわけではないのですが、「別に結婚が全てだとは思わない」とか「自分は結婚が出来ないんじゃなくて結婚をしないだけ」とかって思うみたいなんです。

で、「ハッ」と気がつくと、その人にとって僕が「オマエは敵だ!」という認定をしているときがあるんです。

こういう「敵認定」って僕としてはすごく避けたいので、「結婚ってなんか違うよね」みたいな文章を書くしかないかな、と思っているのですが、今のところそういう文章がうまく書けていない46歳の冬です。

#コラム

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