#小説 #超短編小説

ああ、また失恋しちゃった。

もう絶対に恋なんてしないって決めたんだ。

私の方から好きになりすぎちゃいけないっていうのは、わかっていたのに。

ママの遺言の意味が本当にわかってきたなあ。もう一回ちゃんと読んでおこう。

１.女の子の方から先に好きになってはいけない。

２.相手に奥様か恋人がいるかどうか確認してから好きになること。

３.最初からすごく慣れている誘い方やデートが出来る男はダメ。ちょっと不器用くらいが一番。

４.２回目のセックスを「当然」って顔をする男とは２回目のセックスをしてはいけない。

５.失恋したらきれいさっぱり忘れて、もう２度と連絡はとらないこと。

ママが死んでから１５年だから、この遺言、私が小学校６年生の時にママからもらったんだ。

でもよくママ、こんな遺言を小学校６年生の娘に渡したよなあ。そして昔からママのこのアドバイスはずっと理解していたはずなのに、私、恋がうまくいかないんだよなあ。

でもパパ、すごく不器用そうだし、パパの方がママのことを大好きって感じだったし、ママの恋はうまくいったんだろうなあ。

うん？　待てよ。でもこれ、ママも何度も同じ失敗をしたから、その失敗は二度と繰り返さないようにってことで、自分への戒めなのかもしれない。そして、娘の私も同じような失恋をしそうだから、私に忠告してくれたのかもしれない。

だとしたら、ママ、あなたの気持ち、すごくわかるよ。

そして私もパパみたいないい男をみつけて結婚する。そして娘が出来たら「これは代々伝わる我が家系の女の恋の掟よ」って伝えることにする。

そしてやっぱりまた恋はするんだろうな。

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この記事は投げ銭制です。この後、オマケでこの話を書いた経緯を書いています(大したこと書いてません)。