いつかヤギが流行る日

日本人って本当に「外国の未知なる食べ物」を理解しようと努力するのが好きですよね。

何かの本で読んだのですが、Aという民族が、Bという民族と「合併」したり、「吸収」したり、「征服」したりして、まあ「ひとつ」になりますよね。

そのとき、「言語」とか「衣服」とかは、意外と簡単に変わるらしいんです。

でも、「味覚」って変わるのすごく難しいらしいんです。

今まで全く食べなかった食材や料理って、慣れたり、美味しいって感じたりって、そうとう難しくて何世代も必要らしいんです。

それが、日本人って、やっぱり「外国のもの、海の向こうから来た珍しいもの」を取り入れるのが好きなのか、結構、外国の料理、理解しますよね。

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さて、僕、流行の移り変わりウオッチングが大好きなのですが、「日本人が苦手としていた食材」が、ある瞬間に「理解される」と、その後、爆発的に流行して、定着するというパターンはご存じでしょうか。

例えば「羊の肉」ってほとんどの日本人が、食べなかった食材ですよね。

それが、ジンギスカンというスタイルに注目が集まって、それが流行って、一気に「羊」って普通になってしまいました。最近、スーパーに普通にラム肉売ってますよね。

あるいは「パクチー」も、なんか青臭くて苦手って人が多かったと思うのですが、あるラインあたりから、「パクチーって美味しい」って感じるのがお洒落になって、パクチーが流行って、今は定着しましたよね。ドンキホーテではこんなコーナーもあります。

あるいは「ホルモン」も、ほとんどの日本人が食べない食材でした。それが、「ホルモンって美味しいんだよ」っていう空気があるラインをこえた辺りから、すごく流行って、今はホルモンって普通の食材です。

もっと言えば、「赤ワイン」もちょっと前までは「渋い」とか「苦い」とかって感じで、ほとんどの日本人が結婚式のときに、フランス料理で一口飲むくらいだったんです。それが、今は普通にスーパーマーケットで買って、夕食で飲まれています。

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そういう、日本人が、なんとか克服して、「美味しさ」を知って、それが大流行するっていうパターンってあると思うんです。

で、個人的に今、注目しているのが「ヤギ」なんです。

ヤギって沖縄では食べますが、他のほとんどの日本人が食べない食材ですよね。

フランスのヤギのチーズ、シェーブル・チーズって食べたことありますか?

これ、もちろん僕は全然苦手なのですが、うちの妻が好きなんですね。

サラダにのせて食べたり、バゲットにのせてワインとあわせたりとかっていうのが、すごく好きで、たまにフェルミエでこのシェーブルを買って、自宅でひとりでパクパク食べているんです。

シェーブル・チーズって、ヤギの独特の「獣臭さ」はもちろん、「酸味」があるから、男性、苦手だと思うんです。

でも、「羊」で獣臭さは「美味しい」と感じるようになったし、最近は「酸味」を美味しいと感じる男性、増えてきましたよね。

もしかして、シェーブル・チーズから始まって、ヤギの肉も理解するときが来るのでは、とにらんでいます。

シェーブル・チーズ自体が安くならないと、その流行は始まらないと思うので、輸入の乳製品(関税が高いんですよね)が安くなるか、日本で作られたのがもっと一般的に流通しだすかしたら、ヤギ、大流行がくるとにらんでいるのですが、いかがでしょうか。

#コラム

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