すべてのジャンルはマニアが潰す

先日、「ブラジル音楽、聞いてみたいんだけど、なんか難しそうなんですよね」って言われたんですね。

うーん…

音楽なんて、普通に適当に聞いて、良ければ「お、良いなあ」と思って、それを聞けばいいだけなのに、どういうわけだか、「そのジャンルは難しそうだな」って気がひけることってあるんですよね。

ブラジル音楽なら、「ボサノヴァ」聞いて、興味を持って、「次、何を聞こうかな」って思って検索したり、調べてみたら、「MPB」とか「ミナス」とか「ノルデスチ」とか「トロピカリズモ」とか、なんかよくわからないキーワードがたくさん出てきて、マニアが色々と語っているから、「なんか難しそうだな」ってなってしまうのでしょうか。

「すべてのジャンルはマニアが潰す」という新日本プロレスの木谷オーナーの言葉があるらしいんですね。これ、名言だし、確かにそうなんです。(→この言葉は僕のcakesの担当編集者の大熊信さんのnoteで知りました。 https://daikuma.net/n/n4676ead4f6bf )

例えば、あるジャンルの「入門本」とか「ガイドブック」が出ますよね。

アマゾンでその本の評価を見ると、必ずマニアが「〇〇のことに触れられていないのが残念」とか「このことは実は現地では全く評価が違って」とか「もっと歴史的な経緯も詳しく書くべき」とか「フランス語のカタカナ表記が残念」とかって書いて、★が1個とか2個ってのが目立つんです。

別にアマゾンじゃなくて、食べログでもブログでも何でも良いのですが、「本来、フランス料理というものは」とか「この著者は私小説ということが」とか、まあなんだかんだ、マニアの上から目線で否定しているんです。

こういう「マウンティング」を見かけてしまうと、「ああ、このジャンル、なんか難しそうだなあ」って気持ちがそがれてしまいますよね。

せっかくそのジャンルに入ってくる初心者を増やして、もっともっと「豊かな場所」にしようと思って「入門本」とか「ガイドブック」とかを出しているのに、それをマニアが潰そうとするんです。

「すべてのジャンルはマニアが潰す」ってホントあたってますよね。

#コラム

飲食店って本当に面白いなあって感じの本を出しました。『バーのマスターは「おかわり」をすすめない 飲食店経営がいつだってこんなに楽しい理由』 https://goo.gl/oACxGp

僕が選曲したCDです。Happiness Played In The Bar -バーで聴く幸せ- compiled by bar bossa → https://goo.gl/tOKcGu

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bar bossaに行ってみたいと思ってくれている方に「bar bossaってこんなお店です」という文章を書きました。→ https://note.mu/bar_bossa/n/n1fd988c2dfeb

この記事は投げ銭制です。この後、オマケで僕のちょっとした個人的なことをすごく短く書いています(大したこと書いてません)。今日は「今日は妻の誕生日なのですが」です。

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