「○○を見て来ました」と言ってくれること

飲食店でサービスをしている人はわかってくれると思うのですが、僕たちサービスをしている人間は、お客様が「何の雑誌を見て来店したのか」とか「たまたま前を通りかかって気になって入店したのか」とかそういう来店理由のようなものがわかるんですね。

それで、やっぱりインターネット以降、そういう情報源ってすごく変わってきています。

まず「すごく増えたなあ」と思うのは、誰かが「bar bossaで飲んだ」とSNSで言ってくれて、その人のフォロワーや友達が来店してくれるというパターンです。

減ったなあと思うのは、雑誌関係の方には大変申し訳ないのですが、「雑誌を見て来る」というパターンです。ちなみにそんな状況でも、すごく影響力のある雑誌が二つありまして、ブルータスとダンチュウはすごくお客様が来ました。みなさんも「わかる。わかる」だと思います。

雑誌に関しては、一度、雑誌で「こんなお店あるんだ」と知った後で、食べログでチェックしてから行こうかどうか決めるので、「雑誌→すぐ行く」という図式がなくなったという話をよく聞きます。

ちなみにbar bossaの場合は「ツイッター見てきた」と「FB見てきた」と「cakes見てきた」という3つのパターンが多いです。そして、特徴的なのは、その3つのパターンは必ず「〇〇を見てきました」と言ってくれるんです。

そう。普通は「ダンチュウ見てきました」とか「ラジオ聞いてきました」とは言ってくれないんですよね。

でも、どうしてそのネットの三つは言ってくれるのか。ツイッターとFBはなんとなくわかります。やっぱり繋がり方が「個人対個人」って感じで親しみがあるから、「いつも読んでますよ」って伝えたくなるんですよね。

逆に雑誌やテレビの場合は「上から降りてきた情報」ってイメージがあって、「それを参考にしてる」とは表明しづらいのでしょう。

問題はcakesです。あのメディアは結構「上から降りてくる情報」だと思うのですが、やっぱり違うのでしょうか? というのは僕はハフィントンポストにもたまに書いていて、ハフポスってかなり読者はいると思うのですが、一度も「ハフポス読んできました」って言われたことがありません。

cakesは「個人対個人」みたいな感じで読めてるのでしょうか? それとも「有料なのにチェックしている自分」という特別感があるのでしょうか? とにかく珍しいパターンだなと思います。

「〇〇見て来ました問題」、結構突っ込んでいけば、メディアと受け手の意識が見えてきそうな気がします。

#コラム

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