ランチ1000円の壁

※今週は毎日質問に答えると宣言したのですが、妻が「毎日、質問ってつまらない。あれはたまにあるから面白いんじゃない?」というので、普通に戻します。

最近、バイトの時給を見てたら、もう1000円をこえているのが普通なんですね。

僕が初めてバイトをしたのは高校生だったので、1986年とかだったと思うのですが、確か時給が550円くらいだったように記憶しています。その後、東京で18歳の時も650円くらいだったでしょうか。まあ物価のことを考えると、その頃からはちょうど「2倍」って感じなんでしょうね。

ところで飲食店をやってていつも思うことがありまして、「1000円の壁」というものなんです。

例えば居酒屋でもなんでも良いのですが、「1000円をこえると出ない」という理由で、980円にしたり、高い食材はあきらめたりってよくあると思うんです。

同様に飲み物でも、結構1000円ってひとつのラインなんです。

グラスワインが1500円とかって、お店としては色んな味わいのモノが出せるからやってみたいのですが、どうも「高い」と言うイメージがあるんです。やりたいし、お客さんもわかっている人は「もちろんそのくらいはするでしょ」ってわかってくれてるのですが、「なんかこの店、高い」って思われたくないから、やれないんです。

で、気になるのが、ランチの値段って、1000円のラインをこえるの難しいですよね。これ、お客様の気持ちとしても、「お昼に1500円までは払えない」とかって気持ちがあると思うんです。

それでどうしても「1000円」を上限にして、仕入れとか料理を考えるんです。

例えば「本」って、以前は1000円くらいだったのに、今は1500円から1700円くらいなイメージって僕の中にはあるんですね。

でもランチの金額のイメージって、僕の中で20世紀からずっといつまでたっても、800円から1000円なんです。

これ、理由としては、食材の物価がそんなには上がっていないから、なんとかこの金額を維持できるっていうのがあると思います。

ちゃんと調べてないからそんなに自信を持って言えないのですが、卵やジャガイモや玉ネギや牛乳って昔からそんなには値上がっていないと思うんです。

 ※

でも、もうそろそろ限界なんじゃないかな、って思います。人件費や家賃はそれなりに上がっているから、もうそろそろランチも「1000円の壁」ってこえると思うし、こえた方が色んな展開が増えていいのではと思います。

僕は「街のお店や商品やサービスには出来るだけたくさんの選択肢があればあるほど、文化的にも気持ち的にも豊かだ」と信じていまして、「すごく美味しい焼き魚定食を1800円で出す普通のお店」がある一方で、原価や家賃をすごく計算して頑張って、「600円で完璧なお弁当を出すお店」が出来たり、「働いている人は60歳以上の女性だけで全部いちから手作りで時間がかかるけど美味しい」ってコンセプトのお店が出来たり、って感じでいろんなお店がこれから増えてくるんじゃないかな、そうなれば良いなって思います。

#コラム

色んな質問に答えた本が出来ました。『ちょっと困っている貴女へ バーのマスターからの47の返信』 https://goo.gl/dZ32IW 立ち読みできます!https://goo.gl/Q6mRvL

bar bossaに行ってみたいと思ってくれている方に「bar bossaってこんなお店です」という文章を書きました。→ https://note.mu/bar_bossa/n/n1fd988c2dfeb

この記事は投げ銭制です。この後、オマケで僕のちょっとした個人的なことをすごく短く書いています(大したこと書いてません)。今日は「昨日は久しぶりの雨で」です。

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