DJを2度とやらないと思った理由と、「自分だけで楽しむもの」よりも「人に見せるためのもの」の方がお金を使うこと

半年くらい前に、僕、生まれて初めて「DJ」っていうのをやったんですね(たくさんの方、来ていただいてありがとうございました)。

で、ムチャクチャ楽しかったのですが、「これは絶対に2度とやらないでおこう」って思いました。

DJをやってると、「ああ、こういう曲がみんな盛り上がるんだ」とかっていうのがすごくリアルに伝わるんですね。

そしたら、「だったらあの曲なんかかけたらムチャクチャ、ドカーン!って感じで盛り上がるのになあ。今度DJやるときはあのレコードとあのレコードを買わなきゃなあ」ってことを現場で感じ始めたんです。

僕、以前、ボッサ・レコードという「ブラジルから中古レコードを輸入して販売するというネットレコード店」っていうのをやってたんですね。

で、エリス・レジーナとジョルジ・ベンっていうアーティストがすごく人気があったんです。もちろん僕もカッコいいのはわかるけど、1枚4、5千円、モノによっては1万円とかするのに、どうしてみんなが高くても買うのかがわからなかったんです。

→エリスとジョルジ・ベンを知らない方に、こんな音楽です。

でも、みんながこの4、5千円のレコードを買うのって、DJでかけるためなんですね。

僕もそのDJ当日、「ああエリスとジョルジ・ベンかけたらもっと盛り上がるんだろうなあ」ってばっかり思いまして、もし今後、僕がDJを続けていくとしたら、エリスとジョルジ・ベンを揃えるのに10万円以上はかけてしまいそうなんです。

さらにディスコっぽいのとか、バイーアのとか、ラテンジャズとかも挟んでいったら盛り上がるだろうなあとか、色々と欲が出てきて、たぶん今まで自分では聞かなかったタイプのレコードにこれから数十万円もかける自信があるんです。

今まで全然聞かなかったレコードですよ。それを「DJでみんなに聞かせたい」という理由で、たぶん1年間で数十万円もかけそうだなって気がついて、それでDJは2度とやらないでおこうって決めました。

 ※

それで気がついたことがありまして、人って「自分だけで楽しむもの」よりも「人に見せるもの」の方がお金を使ってしまうんですね。

SNS、特にインスタグラムで、みんなに見せるために「特別な料理」を作ったり、わざわざ旅行に行ったりってみなさんしていて、そういう風潮に対して「SNSのいいねのために行動するって順序が逆じゃない、バカだよね」って突っ込むのをよく見かけますよね。

でも、こういう「いいねのための行動」で動いたお金、経済効果たるやすごいことになっているんじゃないかって、DJをしてやっと気がつきました。

そして本当はSNS以前からみんな「いいね」のためにお金を使ってたんです。

たぶんみんな「自分だけのため」にはそんなにお金って使わないんです。

「人に見せるため」にはすごくお金って使うんです。

まあ大体ファッションとか化粧とかってそういうわけですし、「いいね」のために行動するって実は当然で正しいんだなあ、今まではわからなかったけど、今はそれが可視化されるようになっただけなんだなあって、やっと気がついた48才のもう冬です。

#コラム

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bar bossaに行ってみたいと思ってくれている方に「bar bossaってこんなお店です」という文章を書きました。→ https://note.mu/bar_bossa/n/n1fd988c2dfeb

この記事は投げ銭制です。この後、オマケで僕のちょっとした個人的なことをすごく短く書いています(大したこと書いてません)。今日は「なんか肩が」です。

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