何か一冊をすすめてって難しい

某書店からイベントで「何か1冊おすすめして」というお話がありました。

1冊。難しいですよね。

ちなみに、お店で立っていると「一番好きなアルバムは?」「一番好きなアーティストは?」「一番好きな映画は?」「一番好きなお酒は?」とよく聞かれるので、これは答えをあらかじめ用意してあります。

アルバムはジョアン・ジルベルトの『三月の水』、アーティストはアントニオ・カルロス・ジョビン、映画は『アパートの鍵かします』、お酒はブルゴーニュの赤ワインです。

さて1冊です。

意外と言われるのですが、僕は猪瀬直樹がすごく好きで、著書はほとんど読んでいるのですが「1冊」ということであれば『空気と戦争』 http://goo.gl/pLbEoU です。これ、日本の中学生の指定図書とかにしてほしいです。

あと翻訳家の文章がすごく好きです。青山南、柴田元幸、岸本佐知子、常盤新平、西崎憲、みんな文章が美しくてユーモアがあるんですよね。で、1冊なら旦敬介の『旅立つ理由』 http://goo.gl/Z1Pzzy です。編集者の綾女くんに「林さん、好きそうですよ」と教えてもらいました。本をすすめてもらえる友人を持つって大切です。

新刊が出たら中をチェックせずに必ず買ってしまう人を今考えてみました。穂村弘、内田樹、森達也、佐々木俊尚です。でも、この4人のこれ1冊は選べないですよね。

昔の人なら内田百間と芥川龍之介と安部公房と寺山修司(詩のみ)が好きです。たぶん「ちょっと不思議つながり」です。ここから1冊もちょっと難しいです。

実はここ数年、どういうわけか全く小説が読めなくなってしまいました。長いフィクションについていけなくなったという感じです。だからここにたくさんの小説家を一人づつあげて、1冊を選ぼうと思ったのですが、どうも選べません。どうしてもということでしたら、村上春樹の『4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて』という短編小説がすごく好きです。

最近は詩を読んでいまして、辻征夫と谷川俊太郎が好きで、あとリチャード・ブローティガンと田口犬男のいくつかの本が好きです。詩人は色々と好きな人はいるのですが、作品によってバラつきがあって「どれもが好き」という人があまりいません。

母が昔、絵本の会社で勤めていまして、絵本はかなり読まされたのですが、これ1冊というと『いちごばたけのちいさなおばあさん』 http://goo.gl/p2711Q です。

マンガはそんなに読んでいないのですが、藤子・F・不二雄が好きです。最近の人はフジモトマサルと益田ミリとコマツシンヤが好きです。少女マンガは『ぼくの地球を守って』が好きです。

で、そのイベント用の1冊は色々と考えたあげく、谷川俊太郎の『トロムソコラージュ』 http://goo.gl/C5s4dD にしました。もう1冊予備であげてくれとありましたので、そちらはフジモトマサルの『長めのいい部屋』 http://goo.gl/sNKLyT にしました。

#コラム

飲食店って本当に面白いなあって感じの本を出しました。『バーのマスターは「おかわり」をすすめない 飲食店経営がいつだってこんなに楽しい理由』 https://goo.gl/oACxGp

でも、今、アマゾンで売り切れているのでリアル店舗で是非です。HMVではおまけがついています。

この記事は投げ銭制です。この後、オマケで僕のちょっとした個人的なことをすごく短く書いています(大したこと書いてません)。今日は「スケジュール管理が出来ない」です。

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