かつてチョコを貰えなかった男性の言葉

ヴァレンタイン・デーですね。あなたは誰かにチョコあげますか? あるいは貰いましたか?

学年に一人や二人、必ず30個とか40個とかチョコをもらえる男子っていましたよね。

僕はそういう男性を何人か知っているのですが、彼ら全員に共通する特徴がありまして、「大人になって、他の男性にマウンティングしない」というものなんです。

逆に今、大人になってそこそこモテていても、中学や高校の頃にモテた経験がない男性はどういうわけか「大人になって、他の男性にマウンティングする」ことが多いです。

おそらく想像するに、思春期にたくさんの女性から「好意をもたれる」って、その男性の人格形成に大きな「人間の器の大きさ」のようなものを与えるんだと思います。

そしてモテなかったのにそこそこモテるようになった男性って、どこかに「歪み」があるのでしょう。

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さて僕はというと、正直に言うと、チョコ、全然もらえませんでした。

中学の時はバスケットボール部でスタメンでちゃんと本気で体育会系やってましたし、高校の時はバンドでヴォーカルをやっていて、地元のラジオに出たり、ライブなんかもちょくちょくやっていたのですが、でも、チョコ、全然もらえませんでした。

でも、恥ずかしながら「もらえるだろうな」という根拠のない自信だけはありました。

昼休みとかに「あ、あの女子たち、みんなでコソコソ言ってるけど、自分かな?」って思ったり、放課後も意味もなくちょっと教室で友達とふざけてみたり、部活の後で自転車置き場に行くときに、女子生徒の影が見えたら、「あれ? 自分?」とかって思ったものです。

そして、女子が「林くん」なんて声をかけてきたら、「来た!」って思うんだけど、なんでもないような素振りで「何?」って答えて、「岡本先輩、呼んできて。体育館の裏で待ってるから」って言われて、本当に恥ずかしい気持ちになったものです。

でも、2月14日、あって良かったなあと思います。あの日がなかったら、「自分は恋愛市場では価値が低いんだ」って気がつかないまま大人になるところでした。

恋愛市場って残酷ですよね(まあ全ての市場が残酷ですが)。

今までは「クラスで笑わせる奴」とか「勉強ができる奴」とか「喧嘩が強い奴」とかってジャンルわけしかなかったのに、突然、「女性からモテる、モテない」という基準を僕たちにブツケてくるわけです。

でも、女子もあの頃あたりから「自分はモテるのかモテないのか、可愛いのかそうじゃないのか」っていうのをはっきりと自覚し始めるんでしょうね。

そういう意味では2月14日って、僕たちモテない男性にとって、「さて、どうやらチョコをもらえていないということは、自分ははっきり言ってモテないらしい、じゃあこれからいったいどうすれば、あの可愛い女の子たちとデートをしたり、キスをしたり、はたまた夢の夢だけどセックスをしたりすればいいんだ? このままだと自分には一生そういう機会はやってこないぞ」ということをリアルに実感する日だったわけです。

いやあ、それでもやっぱり思うのですが、恋愛市場って残酷ですね。

 ※

今日、チョコをもらえなかった男子、チョコをあげたけどどうやらうまくいかなさそうな女子、色んな後ろ向きな気持ちでいっぱいかもしれないですが、これから何年も、もっともっと色々と失敗して、そして色々と克服すれば、「たった一人の愛する人」っていつか出会えます。

その「たった一人の愛する人」に出会うために、これからもたくさんの恥ずかしい失敗や勘違いや失恋を繰り返すしかないんですよね。その恥ずかしい失敗や勘違いや失恋は多くのことを学べます。そしていつか「たった一人」に出会えます。かつてチョコをもらえなかった男性の言葉でした。

#コラム  #がっかりバレンタイン

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この記事は投げ銭制です。この後、オマケで僕のちょっとした個人的なことをすごく短く書いています(大したこと書いてません)。今日は「チョコは妻に竹鶴の」です。

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かつてチョコを貰えなかった男性の言葉

林伸次

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林伸次