ネット上のコンテンツにお金を払うとどういう気持ちになるのか

ある映画会社が「試写会」の参加希望を一般の方にハガキで応募してもらって、その回の時だけ試しに、ハガキに「御中」と書いている人達だけを「当選」にしたらしいんですね。

そしたら、その時の試写会の雰囲気がすごく良かったという有名な話があります。

まあたぶんそうなるのは想像つきますよね。

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ところで、bar bossaに来店するのに、みなさん「友達から」とか「食べログ」とか「雑誌」とか様々な情報源があると思います。

で、「cakes読んで来ました」というお客様が2日に一組くらいいらっしゃるのですが、みなさん本当に良いお客様なんです。

cakesってもちろん「有料」なんです。インターネットのコンテンツって「無料」が常識ですよね。それなのにお金を払うって相当ハードルが高いと思うんです。

たった150円なのですが、クレジット・カードを財布から取りだして、会員になるってそれなりのことだと思うんです。

でも、それをするってことは「色んな意味で意識の高い人」なのかなあって思うんです。

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そのこととはちょっと話はずれるのですが、先日、ドワンゴの川上量生さんがインタビューでこんなことを言ってました。

「ネガティブな反応を示すのも、無料の利用者の特徴です。有料の利用者はそうはならない。なぜかといえば、お金を払った自分を否定することにつながるからですね(笑)。」

これ、ニコニコ動画の有料会員はネガティブな反応をしなくて、無料の利用者はネガティブな反応をするという話なんです。

この話、僕もずっとそう感じていたんです。

僕はハフィントン・ポストにも投稿しているのですが、ごくたまにネガティブな反応があるんです。

もちろんほとんどの方が誠実に建設的な良い反応なのですが、やっぱりたまに「あれれ?」っていうのがあるんですよね。

そしてcakesなんですけど、「今だけ無料」っていう限定の無料期間があるんですね。その時って、ごくたまにネガティブな意見が紛れ込むんです。

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これまた少し話は、ずれるのですが、「バーのことを知りたいからタダでも良いから雇ってくれ」って言われても、絶対にタダでは雇ってはいけないって話があります。

あと、すごく親しい友人や親類が来ても、絶対に「タダ」にだけはしてはいけない、原価分だけでもお金を貰わなければいけない、という話もあります。

これもわかりますよね。

お金が介在しないと「雇い主と雇われ側」、「お客さまと店の人間」という役割の緊張感がなくなってしまうんです。

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それで思うのは、インターネット上のコンテンツって「受け取る側」と「表現する側」の関係を「正常な関係」にするためにも、やっぱりこれから考えるべきことは「お金を介在させること」のような気がします。

僕のcakesの連載をまとめた恋愛本でてます。「ワイングラスのむこう側」http://goo.gl/P2k1VA

#コラム

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