「語り合える恋人をつくるには?」に答えました。

※質問がたくさんたまってきたので、今週は毎日質問に答えます。

【質問】

相談は、語り合える恋人をつくるにはどうしたらいいのか、です。

私は22歳で、卒業間近の大学4年生です。高校まではまったく恋愛を意識せず、大学に入ってからは仲の良い人たちに3回ほど告白されましたが恋愛として見ることができず断ってきました。というのも、私は相手と議論したり話し合うことが好きなのですが、私を好きになってくれる人は物事を深く語ったりするのが好きではなく、なんだか見た目(表情や態度含む)で好意を寄せられているように感じてしまうからです。

またこの人は議論できるぞ!という時には、相手に好きな人がいたり、私には興味がなさそう、ということばかりで何も発展しません。

もしかして恋愛って語れる相手同士はくっつかないのかな、と自分の恋愛観に疑問を持ちはじめています。わざわざ恋人同士で議論する必要を他の語るのが好きな人達は感じておらず、もっと別の尺度で恋愛対象をみているような気がしています。

林さんは、男女で語れる者同士がくっつくことはできると思いますか?それとも恋愛にはもっと他の見るべき要素があるのでしょうか。

補足:語る内容はどんなジャンルでも良く、先日の飲み会では男女3人で死刑廃止について考えたり、他にも結婚観、映画比較や本の感想、ファッション、日常で感じる価値観や認知のズレなどを面白く話すことが好きです。

【答え】

すごくおもしろい質問ですね。しばらく考えてこんでしまいました。

今、ちょっと僕の周りのたくさんのご夫婦について思いめぐらしたのですが、例えばそれぞれに「政治的な議論が好きな人」や「映画や文学について語るのが好きな人」っているのですが、ご夫婦で議論しあっているのって見たことありません。

例えば「反原発」という場合、そのご夫婦はそろって「反原発」と考えているようで、ご主人と奥様が「原発について違う考えを持っていて、議論しあっている」というのは見たことありません。

あるいは映画について、他の人となら「あれは監督はこういう意図だったのでは」って感じで、ちょっと議論っぽく語るのが好きな人でも、配偶者とは、感想を語る程度で、そんなに話はぶつからないような気がします。

もしかして、夫婦の間では「政治的なことや芸術の批評のことなんかではあまりぶつからないようにしよう」とどこかでお互いが気を使っているのかもしれません。

実際、僕自身は、色んな女性と、ちょっとした議論みたいなことを楽しんで話しますが、妻とはそんな議論はしません。

もちろん妻に対して、あるいは妻が僕に対して「それは違うんじゃないかな」とお互い突っ込んだりはしますが、あえてお互いの違いをその場で認めてしまって、そんなには燃え上がらないようにしているような気がします。

もしかして、恋愛感情がともなう関係や、結婚して家族となった関係だと、「最初から意見が同じタイプの人間を選んだり、無意識的に意見を同じようにすりあわせたりしている」のかもしれません。

要するに「意見が対立しないように意識している」とでも表現すれば良いのでしょうか。

そして貴女が感じているように、僕は「意見が対立してしょっちゅう議論を楽しむ女性」には、どういうわけか「恋愛感情」のようなものをこれっぽっちも感じません。

議論は議論で楽しんでいるし、相手の女性に好感は持っているのですが、恋愛感情はまず持たない気がします。

もしかして「恋愛感情」を持つには、「気持ちが対立していない感じ」というのが必要なような気がしてきました。

議論が好きな貴女にとってはすごく「ぬるま湯」とか「なれ合い」と感じるかもしれませんが、「わかる、わかる」とか「あ、そういうときにそう感じるんだ。自分も同じ」とか「そういうのって良いよね」といった、「共感」を何度も共有すると、「恋愛感情」が生まれるような気がします。

 ※

これで終わると、貴女が「つまんないな」と思うかもなので、例外を考えました。

まず、外国人と付き合ったり、結婚している人は、男女問わず、結構、議論をしているのを何度か見かけたことがあります。

相手が外国人だと、はっきりさせておかないと、妙な誤解が生じて、シコリが残ってしまうから、とことん話し合って相互理解へと向かおうとしているのかもしれませんね。

あと、「ご夫婦がそろってデザイナー」とか「ご夫婦がひとつのお店を経営している」とかという場合に、「ひとつのことだけ」についてはよく「議論」をしているのを見かけます。

お互いがデザイナーとかって場合は「センスのぶつかりあい」みたいな議論をしているし、お店の経営の場合は「ああいうお客様は断るべきかどうか」なんてことを延々と議論しています。

そういう意味では、外国人のような「違う文化背景」を持った人と付き合うとか、「お互いが専門にしている共通の何か」を持った二人だと「議論」はよくしているような気がします。

やっぱり「議論が好き」、常にお互いの意見をぶつけることが好きというのでしたら、そういう相手を選んでみるというのはいかがでしょうか。

 ※

さて、最後にもう一度、想像してみたのですが、やっぱり好きな女の子と「死刑制度」についてはあまり話したくないですね。映画についても「あのシーン、良いよねえ。あそこ泣けるよね」って感じの「共感」が増えると幸せです。それが「恋愛」のような気がします。

恋愛感情を一切持たない相手とは、「死刑制度」も「監督の意図の話」も楽しく議論できるのですが。

たぶん恋愛において「共感」とか「同じ感覚」って大きいのではと思います。そして逆に「恋愛の終わり」とか「離婚」って必ず「やっぱりそうだ。この人って自分とは考え方が全く違うんだ」って感じているような気がしました。

 ※

でも、もしかして貴女は「軽い話題で話し込む」程度を求めていますか? でしたら貴女がそうであるように、「深い話し込みが大好き、そういう会話が出来る女性と付き合いたい」という男性は少なからずいるような気もします。うーん、でも「死刑制度について彼女と話したい」って人はいるかな、少しはいるかもです…。

そういう男性と出会えるといいですね!

#コラム

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この記事は投げ銭制です。この後、オマケで僕のちょっとした個人的なことをすごく短く書いています(大したこと書いてません)。今日は「昨日からお風呂に」です。

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