誰かの人生や生活を額縁に入れること

僕、毎日インスタグラムに下手なイラストをアップしているんですね。

で、そのイラスト、僕が描いた手元にある原画より、ネット上にアップされているイラストの方が「素敵」に見えるんですね。

これ、どうしてなんだろうと思っていたら、妻が「あれって、インスタグラムっていう枠にいれることで、絵を額縁に入れてるのと同じ意味があるんじゃないかな。インスタっていう額縁に入れてるから、元の絵よりもよく見えるんだと思う」って言うんです。

なるほど。我妻ながらするどいですよね。

インスタってご存じのように、何枚もの写真の中から「これ」っていうのを選んで、さらに光とかフィルターで補正して、そしてアップするのですが、あの作業は「額縁化」だったんですね。

僕、どうもインスタグラムの面白さがわからなかったのですが、その額縁のことを聞いて、やっとわかってきまして。

どうして自分が食べているご飯とか旅行先の風景とか買った服とかをアップするのが楽しいのか、いまひとつわからなかったんですね。

そこに「何か新しいクリエイト」みたいなものが何も感じられなかったんです。

でもあれって、自分のちっぽけななんでもない「生活」を切り取って、額縁にいれて、みんなから「いいね」ってたくさん貰うことで、自分の人生をキラキラと輝いたものにしているんだなとわかってきました。

妻のiPhoneって、今まで撮った写真を、勝手にiPhoneが編集して、音楽をつけて「あなたの素敵な一週間」みたいなフォト・ムービーにしてくれるんですね。

あれ、見ていると「なんだかすごく素敵な一週間だったね」って感じがすごくするんです。妻もそのためだけに写真を撮ったりするんです。

それと同じ効果があるんです。

自分でインスタをやってみてわかったのですが、おそらくみんな、たまに自分の写真とみんなからもらったコメントと「いいね」だけを振り返って見返したりしていると思うんですね(僕もやってます)。

そんな感じで、自分のインスタを見返す行為って、額縁にいれた自分の人生が改めて見れて、それがすごく快感なんじゃないかって思いはじめました。

 ※

もしかして、「あなたの人生って全くちっぽけでも退屈でもないよ。あなたはこんなに素敵だよ」っていうのって、人間ってすごく求めているのかもしれないですね。

おじさんが年をとったら、自分の人生を本に書いたりしますよね。

みんな何十年も生きてきたら、それぞれの人生があって、それぞれの深い物語があると思うんです。それをやっぱりみんな何かのかたちで残したかったり発表したかったりすると思うんですね。

そんな感じで、「あなたの人生ってすごく素敵でかけがえのないものなんだよ」ってみんなに見てもらうという「サービスやシステム」っていうのが実は、すごく必要とされているんだなあと気がつきました。

#コラム

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この記事は投げ銭制です。この後、オマケで僕のちょっとした個人的なことをすごく短く書いています(大したこと書いてません)。今日は「小説、まだまだ書き直し中」です。

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誰かの人生や生活を額縁に入れること

林伸次

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林伸次