昔話をする大人が苦手だったことと、ナイアガラ・トライアングルVol.3を聞きたいこと

※日曜日は読む人が激減するので音楽のことを。

自分がまだ若い頃、上の世代が「自分が若かった頃の昔話」をするのが、本当に苦手だったんですね。

例えば、全共闘とかデモとかそういう話をするわけです。

あるいはフォークの話とか貧乏だったけど幸せだった話とかをするわけです。

なんかつまらないなあ、こういう大人にはなりたくないなあと思ったわけですが、やっぱり大人になると、みんな「自分が若かった頃の昔話」するんですよね。

例えば、僕のちょっと上の世代だとバブルがどれだけすごかったかという話とか、DCブランドの話とかをするわけです。

あるいは僕のちょっと下の世代だと、渋谷系の話とか、どういうカフェやクラブに行ってたかっていう話をするわけです。

僕の世代だと、バンドブームやインディーズの話でしょうか。まあこういう若かった頃のことってついつい話してしまうんだなあ、どうしようもないなあって思います。

 ※

TLを見ていると、「あ、そうかあ、この人、普段クールな音楽評しか書かないのに、そんなにオザケンが神様なんだ、40歳前後ってそんな感じかあ」ってわかったり、「え、この人、アムロちゃんについて語っている。そうかあ、そういう世代なんだ」とか「m-floに泣いているなあ。意外とこの人、若いんだなあ」とかって色々と発見がありますよね。

こういうのを見てて、僕ならどんなグループが「再結成」したり、誰が「久々の新譜」を出したら「涙…」とかって書くんだろうって想像してみたんですね。

あなたはいますか?

この人の新譜が出たら、大騒ぎしちゃうなあ、久しぶりに「発売日が楽しみで楽しみでしょうがないなあ」ってことになるような人。

考えに考えた末に思いつきました。

山下達郎と杉真理と伊藤銀次と佐野元春が、4人で、大瀧詠一に捧げる「ナイアガラ・トライアングルVol.3」というのを作るって聞いたら、久しぶりに「発売日が楽しみで楽しみでしょうがない」という状態になります。

ええと、上の誰か一人だけの新譜なら、そんな興奮しません。ごめんなさい、チェックもしないかもしれません。

でも、この4人が「ナイアガラ」の名前を使って共演するとなると、もういてもたっても状態です。

 ※

若い人がたくさん読んでくれているので、説明しますね。

細野晴臣とかと一緒に「はっぴいえんど」というバンドをやった大瀧詠一という日本のポップミュージックの巨匠がいたんですね。

その大瀧詠一が、山下達郎と伊藤銀次と3人で「ナイアガラ・トライアングルVol.1」というアルバムを作ってるんです。

そして、第2弾の「ナイアガラ・トライアングルVol.2」というアルバムも作ってまして、それは大瀧詠一と佐野元春と杉真理の3人なんです。

ちなみに僕はこの「ナイアガラ・トライアングルVol.2」が、発売当時から無茶苦茶好きなアルバムで、もう何千回聞いたかわからないって感じなんです。

でも、大瀧詠一、亡くなったんですね。

それで、その大瀧詠一を偲んで、4人が集まって「ナイアガラ・トライアングルVol.3」を作ったら最高だなって思いついたというわけです。

 ※

僕、佐野元春の大ファンだったんです。

もうビジターズまでなら全部、歌詞カード見ないで歌えます。

でも、佐野元春の一番好きな音源は、ナイアガラ・トライアングルに参加した曲なんです。

週末の恋人たちとか、今でも大好きです。(YouTubeにないのでどこかで聞いてください)

あるいは杉真理。

杉真理の「青梅街道」っていう曲が、僕、すごく好きで、18歳に東京に来たとき、住んでいる近くにこの青梅街道が走っていると知って、急いで見に行ったんです。

なんか普通の道路でした。

でも、「ああ、これが青梅街道なんだなあ」って思いました(YouTubeにないので別の好きな曲を)。

そして伊藤銀次。

上の杉真理もそうですが、若い人は伊藤銀次って知らないですよね。イカ天で審査員をやってた人って言えば昔は通じたのですが、最近は「イカ天」も知らないですよね。

こういう音楽を演奏する人です。大好きでした。

最後に山下達郎。

僕、決してこの人の信奉者ではないんです。聞いてもピンと来ないアルバム、何枚もあるんです。

でもいつも思うのは「メロディーズ」というアルバムって、日本のポップ・ミュージックの到達地点だと思います。

この4人が、「もう一回みんなで集まって、ナイアガラやろうか」ってなると、すごくいいポップ・ミュージックが完成すると思うんです。

この4人ならつまらない「懐古趣味」はすごく嫌いなはずなので、いい曲がいっぱいできると信じます。

だれか、力のある人、この文章を読む可能性、じゅうぶんあると思うので、この4人に提案してくれないでしょうか。

うーん、聞きたいです。

 ※

蛇足ですが「林くん、トライアングルは3人でやってるからなんだよ。4人だとトライアングルじゃないよ」という突っ込みが必ず来そうなので、「はーい、わかってまーす!」と先に答えておきます。

#コラム #音楽

僕が選曲したCD、出てます。[Happiness Played In The Bar -バーで聴く幸せ- compiled by bar bossa] https://goo.gl/UYh4A5

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