上手くいく飲食店とはというのを考えてみました

先日、「私、いつか飲食店をやりたいんですけど、上手くいく飲食店の条件って何ですか? 出店場所ですかそれともメニュー構成ですか?」というようなことを言われたので、考えてみました。

1.その地域にないお店を一番最初にやる。

僕の自宅は高井戸というところなのですが、環八が走っているので、商店街がないし、店舗を出せる物件も少ないんです。

でも大きいマンションがたくさんあるし、会社もたくさんあるし、工場もあるんです。人は昼も夜もたくさんいるというわけです。

で、ワインバルと自家焙煎のコーヒー店がないなあと思っていたら、最近、どちらも出来たんですね。

すごく入っています。当然ですが、「その地域にパン屋がないなあ」とか「学生もOLも入れる食堂がないなあ」と気がついて、そのお店を始めたらお客さまは来ます。

意外とこれが一番大きいです。逆にカフェがたくさんある街で新しくカフェを始めても最初から競争で大変です。

2.そのお店にしかない「すごく珍しいメニュー」か「すごく美味しいメニュー」があれば、それだけでずっと経営は続く。

例えばわかりやすいところだと「下北沢のアンゼリカの味噌パン」でしょうか。必ずテレビで紹介されるし、下北に行ったらみんな買いますよね。

最近の例で言うと、bar bossaの近くに瑞兆というカツ丼屋さんが出来たのですが、そこは独特のカツ丼で、さらにメニューはそれのみで、そして絶品らしくて、もう列が途絶えません。

そういう「うちはこれだ!」っていうどこにも負けない看板メニューを開発できたら勝ちです。

3.外国の料理でまだ日本に紹介されていないものを紹介する。

これ、「もうほとんど紹介され尽くしているんじゃない?」と感じると思うのですが、まだまだ全然探せばあると思います。

「日本人の味覚にあいそうな料理」をみなさん探しがちですが、逆に「日本人にこの美味しさを教えたい」という「新しい味の発見」という方が可能性があると思います。

例えば、アルゼンチンのバーベキューは臓物をかなり食べるそうなのですが、それは紹介されてませんよね。

あるいはロス・バルバドスさんは、「豆とスパイスの美味しさ」を日本人に知ってもらいたいと思っています。日本人は「豆とスパイス」はまだ未開の分野なんです。

そういう意味では「すごく硬いパン」とか「すごく臭い食材」とか「一見ネガティブそうな食材」は話題になるし、アリだと思います。

4.誰もやってなかった新しいスタイルをやり始める。

例えば「屋台でバー」なんていうスタイルありますよね。

あるいは「焼き鳥とワイン」ってちょっと昔にはありませんでした。

ドトールの形式も今となっては当たり前ですが、それ以前は本格的なコーヒーが、あんなに安価では飲めなかったんですよね。

よく言われるのは「蕎麦やウドンや牛丼が500円以下で出来るんだから、カレーやラーメンやパスタも出来るんじゃないか」というのもあります。

5.人で勝負。

これは難しいです。

例えば、塚田農場のように、「とにかく店員とお客様のコミュニケーションを重視してリピーターを増やす」という方式があります。

あるいは「小さいお店の名物的な人」みたいな方式もありますが、本当にこれも余程の個性がないと難しいです。

「ただ感じが良い」だけでは「ずっと通う理由」ってないんですよね。やっぱり「恋愛的要素」があった方がみなさん何度も通います。

でも、塚田農場のように、このジャンルはまだまだ開拓されていないので、「新しい方式」を思いついたら成功しそうな気がします。

以上、「確実にうまくいく飲食店」でした。

※今日からアイコンはほぼ日で連載をしているあーちんに描いてもらったうちのなっちゃんです。→ https://note.mu/a_chin/n/na34c93883116

#コラム

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