詩心をバカにする人と、良いなあと思う人

僕、めったに怒らないんです。ほんと、平和的で穏やかな人間なのですが、ちょっと怒ってしまうときっていうのがありまして、こういうシーンです。

例えば、全くの想像ですが、テレビで、戦国時代が大好きな店主がやっている定食屋さんが出てきたとします。その店主、あの時代が好きすぎて、豊臣秀吉定食とか、徳川家康定食とかって名前のメニューをお店で出しています。

もう、ほんと、その店主、武将とかが好きで、お店の中にも甲冑や刀も飾ってあったりするんです。そういうすごく「too much」な人を笑うって最初から番組の企画が決まってて、豊臣秀吉定食をカメラでうつして、「どの辺が秀吉なんですか?」とかって質問して、ずれた答えがその店主から戻ってきたら、画面にからかうテロップが入って、スタジオで芸能人が笑う、って瞬間ありますよね。

ああいう企画、僕、どうしても怒っちゃうんです。

その店主、ただただ「ロマンティスト」なんです。

もう戦国時代の武将の生き様とか運命とかを想像すると、うっとりするんでしょう。

その「うっとり」がバランスが悪くて、ついつい外に変な形で表現されるんです。

それを「笑ってやろう」っていう企画が、ほんと、僕、苦手なんです。

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そういう「大まじめで、少しずれている人」を笑うっていうの、ありますよね。

例えば、誰かがノートに詩を書いてたら、みんなの前でその詩を大声で読んで、大笑いするって瞬間とか、誰かのラブレターを公開して笑うとか、誰かの夢や目標を笑うとか、まあそういうの、とにかくイヤなんです。

 ※

ところで、bar bossaで最近オリジナルカクテルをやってまして、「ボサノヴァの名曲のタイトルをイメージしたカクテル」っていうの、やってるんですね。

それで、最近、「バラに降る雨」っていうタイトルのカクテルを始めたんです。

これ、メニューに書いてあったら、上のような人たちは「ププッ」って笑う感じですよね。

「バラに降る雨だってよ! 爆笑」って感じです。

でも、bar bossaのお客様、ありがたいことに、「え、バラに降る雨ってすごく素敵。これ飲んでみようかな」って仰ってくれるんです。

落ち着いて、心を静かにさせて、「バラに雨が降っているシーン」を想像してみたら、すごく素敵なんです。

そういう「詩心」とか「誰かがマジメに提案していること」を、ちょっと立ち止まって、心で受け止めてみようって姿勢、いいなあって思うんです。

そう思いませんか? 

いや、ほんと、大まじめな人をからかって笑う、あの文化だけは苦手なんです。

#コラム

色んな質問に答えた本が出来ました。『ちょっと困っている貴女へ バーのマスターからの47の返信』 https://goo.gl/dZ32IW 立ち読みできます!
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bar bossaに行ってみたいと思ってくれている方に「bar bossaってこんなお店です」という文章を書きました。→ https://note.mu/bar_bossa/n/n1fd988c2dfeb

この記事は投げ銭制です。この後、オマケで僕のちょっとした個人的なことをすごく短く書いています(大したこと書いてません)。今日は「今日は対談だけど」です。

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