小さいコミュニティとnoteで売る話

先日、ある若い歯医者さんに「ジェーン・スーが歯を悪くした話を書いてて」って話したら、「ジェーン・スーって誰ですか?」って言われたんです。

もちろん相手がすごく年をとっている人なら「ジェーン・スーが」とは言いません。でも若い人ならもちろん知ってるだろうと思って言ったのですが、知らないんです。

そういうことって最近本当に増えましたよね。

もうとにかく細分化しているから、あるジャンルではすごく有名人なのに、ちょっと違う場所に行くと全くの無名人だってことあります。

紅白歌合戦くらいでも、全く知らないって歌手が増えたし、テレビを見ない人がすごく増えているから、全然知らないままなこともよくあります。

あるいは「小説が好きな人たち」というジャンルがあるとして、その人たちにとって「芥川賞」ってすごいですよね。

でも、ちょっと違うジャンルの本好きの人にとっては「芥川賞がすごい」ってことは知っているけど、「じゃあ最近、芥川賞をとった人を5人あげろ」って言われたら、ほとんどの人があげられないと思います。

そういう紅白とか芥川賞みたいな「国民的イベント」であっても、「え、知らない」ってこと、本当に多くなりました。

たぶんもう「誰もが知っていて憧れの有名人」っていうのが成立しなくなっているんです。

だから「自分はとにかくテレビや映画や雑誌や新聞やネットにたくさん出て有名人になって憧れの的になりたいんだ」っていう「漠然として空っぽな望み」は叶えられなくなったんです。

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だったら、そんなことよりも「小さいコミュニティの中で自分が満足できる仕事をやって、みんなの信頼を得て、それなりの収入を得る方がよっぽど良い」ということになってきているんだと思います。

例えば芥川賞をとったからといって、それだけでは一生食べていくことは出来ないってことはよく語られますよね。

あるいは紅白に出たからといって、当然ながらずっとそれで一生食べていくことは出来ません。

今は、小さいコミュニティできちっとした信頼を得て、確実に「良い作品」を発表し続けるという方向に全てが向かっているような気がします。

小さいお店や小さいレーベルや小さい出版社や小さい工房や小さいお取り寄せ専門のお店なんかが支持されて、それなりに売り上げを伸ばしている話もよく聞きます。

「いやあ、うちは社員は3人なんで他の大企業の社員より、みんな収入は良いですよ」なんてこともよく聞きます。

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そういう流れが「ネットで個人がコンテンツを売る」という方向になってきたなあ、と感じるのは、ここ最近みんなが話題にしている「noteでコンテンツを売るのがやっぱり良いらしい」という話です。

まず、はあちゅうさん https://note.mu/ha_chu がnoteでの有料コンテンツを開始したのがきっかけだったと思います。

そして最近、イケダハヤトさん https://note.mu/ihayato と梅木さんhttps://note.mu/umeki が続いて話題になってますよね。→梅木さんの3000円のnoteは公開1日経たずに100冊以上売れたそうです。→ http://thestartup.jp/?p=16059

さらに話題のけんすうさんのこの記事https://note.mu/kensuu/n/n45c042bff6b9 僕も買いました。100円でこの情報はお得でした。ネットメディアと雑誌の違いが僕のような素人にもわかりやすく解説されていて、すごく参考になりました。紙媒体の方にも是非、オススメいたします。

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ネットのコンテンツが無料のままだといつか先細りになるってみんなが気が付いているのに、誰もそれに対して「良い方法」を提案できなかったですよね。

でも、こういう風に「個人と個人がデジタルコンテンツに対してお金をやりとりする時代」が来たんですね。

みんなが言いますが、「売るのも楽しいし、買うのも楽しい」んですよね。

ヤフー・オークションが流行りだしたとき、みんなが家にあるいらないものを売って、興奮しましたよね。

新しい「市場(いちば)」が出来たら、みんな集まってくるし、売るもの買うものを考えてしまうんだと思います。

僕も何か売れるものを書いてみようと思いました。

#コラム

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