女性って転がし力

あるお蕎麦屋さんで、すごく元気でみんなに人気がある女性店員がいるんですね。

で、先日、妻とそのお蕎麦屋さんで食べていたら、妻が「あの彼女、注文取るとき、たまにオジサンにタメ口を使うんだよね」って言うんです。

「え? そうだっけ」と思って耳をすませてたら、「天玉そばは温かいの冷たいの、どちら?」ってオジサンには言ってて、普通の女性には「どちらにされますか?」って言ってるんです。

ということは僕もタメ口で言われていたはずで、「全然気がつかなかった」って妻に言うと、「そうなんだよ。そこが中年転がしなんだよ」って言うんです。

それですごく気になって、全部聞いていると、結構人を見て、「タメ口だったりタメ口じゃなかったり」って色々とあるんです。

もちろんオジサンでも人によってはタメ口じゃなかったりするんです。

「あれ、やっぱり選んで言ってるんだよね」って妻に言ったら、「いや、あの子はもう考えずに自然と地でやってるね。だからこそ人気があるんだよ」って言うんです。

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そのお蕎麦屋さんは結構忙しいお店なので、たくさんの人を接客しなきゃいけないんですね。なのに、「この人はタメ口が喜ぶ」とか「この人は丁寧に接した方が良い」って判断するのは本当に「条件反射」でもう身に付いた作法なんだと思います。

でも女性でそういう「この男性はあえて軽く扱った方が喜ぶ」とか「この男性はちょっとくらい持ち上げて、丁寧に扱った方が喜ぶ」っていう感覚がすごくわかっている人っていますよね。

僕も接客業を20年もしているので、その辺りは一応、得意分野なのですが、でも、たまに「ギリギリの冗談」を言うと、怒られる時もあるし、この人どこまで入って良いのかわかんないなあって感じることもよくあります。

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「モテる女性の条件」みたいなものを、cakes連載のためにしょっちゅう考えているのですが、この「男性の転がし方」を心得ている人が一番モテるような気がします。

いつもいつも思うことがあって、「男性って女性に求めるのって、要するにお母さんなんだ」ってことなんです。

お母さんって、ホントずっとずっと子供のことを一番に考えてくれていて、誉めてくれたり、励ましてくれたり、叱ってくれたり、抱きしめてくれたりと、「いわゆる大きな包容力」で面倒を見てくれますよね。

男性ってそういう風な存在を「結婚する相手の女性」に求めているような気がします。

だから「転がされるとすごく嬉しい」んです。

「いやあ、もうエリちゃん(仮)には参っちゃうなあ」とかって言いたいんです。

女性のみなさん、やっぱり「転がし力」ですよ。

僕のcakesの連載をまとめた恋愛本でてます。「ワイングラスのむこう側」http://goo.gl/P2k1VA

#コラム

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