噓をつくこと

以前、すごく嘘をつく人に困ったことがありました。

罪のある嘘ではないんです。いわゆる被害のようなものはないのですが、「うーん、困るなあ…」という嘘をつくんです。

例えば、マスコミ業界内で有名な人っていますよね。音楽関係のプロデューサーとか、有名な雑誌の編集者とか。ネット上で検索したら写真や本人の顔もたくさん出てくるし、渋谷のバーみたいな場所ではしょっちゅう「ああ、〇〇さん、仕事したことあるよ」みたいな感じで話題になる人。

そういう人のことを「知ってる」とか「仲が良い」って、そのよく嘘をつく人が言ってしまうんです。

あるいはbar bossaくらいの規模のお店ってありますよね。ちょっとわかりにくいし、知ってる人はもちろん知ってるし、雑誌でたまに見かけたり、ちょっとしたイベントとかやってたりするんだけど、意外とみんなが本当には行ってないお店。

そういうお店のことを「よく行ってる」って、そのよく嘘をつく人が言ってしまうんです。

とちゅうで、「あ、この人、これ嘘だったんだ」って気がついたことがあって、その後、そういう話になると「あ、これもたぶん嘘なんだろうなあ」って思うと、もうそのことについて話が出来なくなるんです。

わかりますか? その人の嘘がバレてしまうのが、こっちが怖くなってしまって、不安になっちゃうんです。

で、本当に何の実害もなかったのですが、距離を置いてしまいました。

 ※

ちなみに告白しますと、僕も微妙な嘘をよくつきます。

僕、お店で「こういう話って知ってます?」って感じで「最近仕入れた面白い話」をよくするんですね。

で、よく来る方には何回か同じ話をしてしまうことがあるんです。

そんな時、2回目、3回目に同じ話をしたとき、ついつい「ちょっともっちゃう」んです。

例えばわかりやすいところで言うと、数字が増えちゃうんです。

「あの会社、それで儲けが2千万円くらいあったらしいですよ」っていうのが、次回話すときに「3千万円」とかになってるんです。

これ、ホント、僕がお調子者だからなんです。たまに原稿でも言われることがあって、「林さん、これ始めに出てくるのと後に出てくるので数字が違うんですけど」とかって指摘されて、もう顔真っ赤なんです。

 ※

あと、もうひとつ告白しますと、こういう嘘もつくんです。

お客様が「〇〇ってあるじゃないですか」ってことを言ったときに、よくその「〇〇」が何だかわかんない時があるんです。あの、僕、すごく世間知らずなんです。

で、いちいち「〇〇って何ですか?」って質問していると会話の勢いがそがれちゃうから、知ってるようなフリをしちゃうんです。

結構、カタカナとかアーティストの固有名とかは「なんか聞いたことある」みたいな顔をしてしまうんです。

 ※

たぶん僕の嘘も実害はないはずなのですが、「林ってイイカゲンだなあ」と思われてるはずです。あの、厳しく指摘してくださいね。

#コラム

飲食店って本当に面白いなあって感じの本を出しました。『バーのマスターは「おかわり」をすすめない 飲食店経営がいつだってこんなに楽しい理由』 https://goo.gl/oACxGp

bar bossaに行ってみたいと思ってくれている方に「bar bossaってこんなお店です」という文章を書きました。→ https://note.mu/bar_bossa/n/n1fd988c2dfeb

この記事は投げ銭制です。この後、オマケで僕のちょっとした個人的なことをすごく短く書いています(大したこと書いてません)。今日は「昨日、渋谷のカボチャ祭りで」です。

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