ハロウィンアンチの人、カメラ小僧、ハロウインBGMなんかの話

ハロウィン、あっと言う間に日本に定着してしまいましたね。

こういう「大流行」とか「大きな社会現象」みたいな時って必ず「アンチ」というか「文句を言う人」みたいな存在が出てきます。

僕の周りにはそんな人、1人もいないのですが、たぶんいるとしたらその人たちはこんな感じで文句を言っているのではというのを想像してみました。

①「そもそもハロウィンというものはケルト人の収穫祭が~」という起源というか、本質的なことを持ち出してきて、「それを日本人が真似ることが恥ずかしい」というようなもの。これはクリスマスがキリスト教の行事なのに、キリスト教徒じゃない日本人が祝うことについて疑問を感じる人が必ず出てくる構図と同じです。

②「自分がアメリカでいた頃は、子供たちが仮装して近所の家庭に回ってお菓子をもらう行事だったのに、日本人はどういうわけか仮装パーティと勘違いしている」という「そもそもあちらでは」という話を持ち出してくる人。これはヴァレンタイン・デーの時に「ヨーロッパでは男性からも愛する人にプレゼントをするのに、日本はお菓子会社の陰謀で」と言い出す人が出てくるのと構図が同じです。

③「このあいだまでは誰もハロウィンのことなんて話題にもしてなかったのに、なんか日本中がカボチャだらけになっていてホント、そういう傾向がイヤだ」という人。こういう「突然の大流行」という現象の時は必ず「俺は流されないぞ」という保守派みたいな人が出てきます。このパターンは「みんなに誘われて仮装をしてみたら意外と楽しかった」とあっと言う間に転向してしまうパターンが多くありまして、この人たちのことを僕は「本当は自分もやってみたいんだけど仲間にいれてもらえていないからとりあえずアンチの人」と呼んでいます。

でも、こういう「アンチな人」って日本のような「みんながいっせいに同じ行動をとり始める社会」には必要な存在という気もします。やっぱり多様性って必要です。アンチな方は頑張って、日和ることなく、ずっと文句を言い続けてほしいものです。

                ※

ところで僕はこういう時はひたすら「うわー、面白い現象だなあ。こんな風に広がって、こういう変な展開が出てきて、こういう定着の仕方になっちゃうんだなあ」と観察するのが大好きです。

ご存知のように渋谷は街がまるごと「仮装パーティ会場」状態でして、先週辺りからもう若い人たちは普通に仮装して歩いています。

これホント、日本って面白いなあと思ったのは、2年あたり前からは「カメラ小僧」が出始めたんです。  

コスプレ会場とか浅草サンバ・カーニバルの時に必ずいますよね。肌の露出が大きい女性がいると、カメラを持ってパシャパシャ撮影して、投稿する人たちです。

2年前のハロウィンの時にこのカメラ小僧を渋谷で発見したときは、あまりにも日本すぎて嬉しくなってしまいました。

                ※

昨日はちょっと渋谷周辺を買い物で妻とフラフラしていたら、BGMが「ゴースト・バスターズ」で、「あ、そうかあ。ハロウィンのBGMなんだ。でもゴースト・バスターズ以外にハロウィンっぽい曲って何だろう、自分が選曲やれって言われたら、全然思いつかないかも」と妻に言ったところ、「マイケル・ジャクソンのスリラーってたぶんもう定番なんじゃない? 知らないけど」と言いました。なるほど。こういう時の妻の発想ってホント、鋭すぎて負けちゃいます。

                ※

ちなみにこういう時の仮装って、なぜか女性たちは「制服」というジャンルがありますよね。看護婦だったり、女性警官だったり。

先週の土曜日の深夜、女性警官の仮装をした女の子たちが5、6人かたまって、僕の前を歩いていたら、前から本物の警官が二人、巡回で歩いてきたんですね。

それに向かって、彼女たちが「うわー、本物だ~!」とかっていっせいに黄色い歓声をあげていて、男性警官二人は困ったような照れたような表情になって、「うーん、ハロウィン、なかなか良い感じの展開だなあ」と思った46歳の秋の深まりです。

#コラム

サポートしたいと思ってくれた方、『結局、人の悩みは人間関係』を買っていただいた方が嬉しいです。それはもう持ってる、という方、お友達にプレゼントとかいかがでしょうか。